フォークリフト免許で落ちる人はいる?試験より先に「時間」で落ちる
機械なんて触ったことないし、自分だけできなかったら恥ずかしいな。
落ちたら、お金はまた払うことになるのかな。
こんなお悩みを解決していきます。
本記事の内容
- フォークリフト免許に落ちる人はいるのか
- 試験より先に「時間」で落ちる
- 修了試験は、どう決まっているのか
- 自分が何日のコースなのかを、申し込む前に確かめる
- 落ちるのが不安な人へ(私が受けたときの話)
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、いまは建設業で現場の管理をしています。
フォークリフト運転技能講習は2013年5月に修了し、そのあとカウンター式とリーチ式の両方を仕事で使ってきました。
制度の部分は、厚生労働省が公開している告示の本文を読んだうえで書いています。
初めて乗る機械の試験は、不安ですよね。
私も講習の初日は、うまくできる自信がありませんでした。
結論から言うと、落ちる人はいます。ただし多くの人が心配している「試験で不合格になる」とは、別の落ち方のほうが起きやすいです。
それでは、さっそく見ていきましょう。
フォークリフト免許に落ちる人はいるのか
まず、全体像から確認します。下記のとおりです。
- 落ちる仕組みは、制度としてきちんと用意されている
- ただし「試験に落ちる」より「受けられなくなる」ほうが起きやすい
- 公的な合格率は、公表されていない
1つずつ解説していきますね。
落ちる仕組みは、制度としてきちんと用意されている
結論、フォークリフトの技能講習には修了試験があります。
なぜなら、講習のやり方を決めた国の告示に、そう書かれているからです。
技能講習においては、修了試験を行なうものとする。修了試験は、学科試験及び実技試験とする。
出典:厚生労働省「フオークリフト運転技能講習規程」(昭和47年9月30日 労働省告示第111号)第4条
つまり「講習に出席すれば全員もらえる」ものではありません。
ここは、まず正しく受け止めておいてください。
ただし「試験に落ちる」より「受けられなくなる」ほうが起きやすい
意外かもしれませんが、つまずきやすいのは試験の前の段階です。
なぜなら、講習の科目と時間が法令で決められていて、受けていない時間を教習所の判断で埋めることができないからです。
例えば、寝坊で1時間遅れた場合、その1時間は取り戻せません。
くわしくは次の章で説明します。
公的な合格率は、公表されていない
ここでよく聞かれるのが「合格率は何%ですか」という質問です。
調べたかぎり、国が公表しているフォークリフト技能講習の合格率は見当たりませんでした。
インターネット上には「合格率90%以上」「不合格率は約2%」といった数字が出ています。
ただし、その数字の出どころを示しているページを、私は見つけられませんでした。
なので、この記事では合格率の数字を出しません。
代わりに「何をすると落ちるのか」を、法令の側から見ていきます。
試験より先に「時間」で落ちる
この章が、この記事でいちばん伝えたいところです。下記のとおりです。
- 講習の時間は、法令で決まっている
- だから遅刻・早退・欠席が、そのまま結果に響く
- 私が受けたときも、最初にそう説明された
1つずつ見ていきますね。
講習の時間は、法令で決まっている
結論、時間の長さは教習所が決めているわけではありません。
なぜなら、さきほどの告示の中で、科目ごとの時間が指定されているからです。
免除がない場合は、下記のようになっています。
| 区分 | 科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 学科 | 走行に関する装置の構造と取扱い | 4時間 |
| 学科 | 荷役に関する装置の構造と取扱い | 4時間 |
| 学科 | 運転に必要な力学 | 2時間 |
| 学科 | 関係法令 | 1時間 |
| 実技 | 走行の操作 | 20時間 |
| 実技 | 荷役の操作 | 4時間 |
| 合計 | 35時間 |
※厚生労働省「フオークリフト運転技能講習規程」をもとに作成
この表を見ると、実技のほうが圧倒的に長いことが分かります。
だから遅刻・早退・欠席が、そのまま結果に響く
結論、時間が足りないと、その回では修了できません。
なぜなら、受けていない科目がある状態では、その講習を受けたことにならないからです。
例えば実技の初日を1日休むと、20時間のうちの何時間かが丸ごと抜けます。
試験の出来がどれだけ良くても、その穴は埋められません。
だから多くの教習所は、申込みの案内に「遅刻・早退・欠席があると修了できません」と書いています。
実技のほうが日数が長いので、休んだときの影響も実技のほうが大きくなります。
講習の日程を組むときは、仕事の予定より先に講習の日を押さえることをおすすめします。
私が受けたときも、同じ扱いだった
私が2013年に受けたときも、理由のない遅刻や欠席は認められませんでした。
一方で、電車の遅延など公共交通機関が原因の遅れについては、お咎めはありませんでした。
ただし、これは私が受けた教習所での扱いです。
同じ対応が全国どこでもされるとは限らないので、申し込むときに確認してください。
とはいえ私の回は、受講者のほとんどが社会人だったこともあり、遅刻や欠席をした人はいませんでした。
修了試験は、どう決まっているのか
ここは、少しだけ制度の話になります。下記のとおりです。
- 告示が決めているのは「試験をやる」ところまで
- 「実技は70点」は、告示の本文には書かれていない
- 見られているのは、点数より安全の手順
順番に説明しますね。
告示が決めているのは「試験をやる」ところまで
結論、点数の基準は告示に載っていません。
なぜなら、告示の第4条が、こう締めくくられているからです。
修了試験に関し必要な事項については、厚生労働省労働基準局長の定めるところによる。
出典:厚生労働省「フオークリフト運転技能講習規程」第4条
つまり告示が決めているのは、「修了試験をやること」と「学科と実技に分けること」までです。
具体的な採点の基準は、労働基準局長の定めに委ねられています。
「実技は70点」は、告示の本文には書かれていない
ここでひとつ、正直にお伝えしておきたいことがあります。
インターネットで調べると、ほとんどのページが同じ数字を書いています。
- 学科は、各科目40%以上かつ合計60点以上で合格
- 実技は、減点式の100点満点で70点以上が合格
ただし、この数字の根拠を示しているページを、私は見つけられませんでした。
そして告示の本文にも、この数字はありません。
念のため書いておくと、これは「70点という基準が存在しない」という意味ではありません。
告示が局長の定めに委ねている以上、別の文書で基準が決められている可能性は十分にあります。
私が確認できたのは「告示の本文には無い」というところまでです。
見られているのは、点数より安全の手順
結論、実技で見られているのは操作のうまさではありません。
なぜなら、この講習そのものが、労働災害を防ぐために法律で義務づけられたものだからです。
例えば解説サイトでは、シートベルトを締めない、荷を高く上げたまま走る、フォークの下に人を入れるといった行為が「その場で中止になる」と紹介されています。
ただしこれも、出どころは示されていません。
確かなのは、この講習が危険を減らすためのものであって、速さを競うものではないということです。
急いで雑に動くより、ゆっくり手順どおりに動くほうが、講習の趣旨に沿っています。
自分が何日のコースなのかを、申し込む前に確かめる
ここは、意外と多くの人が読み違える部分です。下記のとおりです。
- 持っている自動車免許で、講習の時間が変わる
- 「2日で取れる」と「4日かかる」が、両方とも正しい理由
- 受けられるのは満18歳から
順番に見ていきます。
持っている自動車免許で、講習の時間が変わる
結論、全員が35時間受けるわけではありません。
なぜなら、自動車免許を持っている人は、重なる部分の科目が免除されるからです。
代表的なのは、下記の2つです。
| 持っている免許 | 免除される科目 | 講習時間 | 日数の目安 |
|---|---|---|---|
| なし | なし | 35時間 | 5日 |
| 普通・準中型・中型・大型など | 学科「走行に関する装置」4時間 | 31時間 | 4日 |
※2026年9月8日時点。大型特殊免許を持っている場合は、実技の「走行の操作」20時間も免除され、さらに短くなります(公益社団法人 東京労働基準協会連合会「フォークリフト技能講習(31時間コース)」より)。コースの呼び方は教習機関ごとに違うため、必ず申込先で確認してください。
「2日で取れる」と「4日かかる」が、両方とも正しい理由
ここでよく聞かれるのが「結局、何日で取れるんですか」という質問です。
答えは、あなたが今どの免許を持っているかで変わります、になります。
私の場合は、3日間でした。
同じ資格でも、持っている免許や実務経験で受ける時間が変わり、それを何日に分けるかも教習機関ごとに違います。
仕事の休みを取る都合があるので、ここは申し込む前に必ず確認してください。
受けられるのは満18歳から
結論、年齢の条件があります。
労働基準協会の講習案内には、受講資格として「満18歳以上の者」と記載されています。
高校卒業と同時に取りたい場合は、誕生日との兼ね合いを見ておいてください。
受講資格に書かれているのは、年齢だけです。女性で受けるか迷っている人に向けて、倉庫で女性の運転者を見てきた話をフォークリフトは女性でもできる?の記事にまとめています。
落ちるのが不安な人へ(私が受けたときの話)
ここからは、私が実際に受けたときの話です。下記のとおりです。
- 私の回では、落ちた人を見ていない
- 実技のほうが、緊張はする
- 講習で乗る機械と、現場の機械は少し違う
順番にお話しします。
私の回では、落ちた人を見ていない
正直に書きます。
私が受けた回では、うまくいっていない人を見ませんでした。
雰囲気が和気あいあいとしていて、受講者どうしでフォローし合っていたからだと思います。
みんな落ち着いて実技を受けていました。
落ち着いてやれば、問題ないというのが私の実感です。
もちろん、これは私が受けた1回の話でしかありません。
「絶対に落ちない」という意味ではないことは、はっきり書いておきます。
実技のほうが、緊張はする
結論、学科と実技のどちらが大変かは、人によります。
ただし緊張感でいえば、実技のほうが上でした。
なぜなら、座って聞く学科と違い、実際に機械を動かすからです。
私が受けたところでは、うまくいかなかった場合はその場でもう一度、時間が許すかぎりやり直させてもらえました。
ただし、この扱いは教習機関によって違い、法令にも書かれていません。
落ちたときにどうなるのかは、申し込む前に聞いておくと安心です。
講習で乗る機械と、現場の機械は少し違う
結論、修了証をもらっても、現場の機械をすぐに使いこなせるとは限りません。
なぜなら、機械にはそれぞれ癖があるからです。
私は講習のあと、カウンター式とリーチ式の両方を仕事で使いました。
同じフォークリフトでも、操作の感覚は同じではありません。
とはいえ、慣れれば問題ないというのが正直なところです。
免許を取ることと、現場で使えるようになることは、別の段階だと考えておいてください。
免許は取れたけれど乗った経験がない、というときの応募先の探し方は、免許だけの人の求人の探し方の記事にまとめています。
講習を受ける前に、免許を取ったあとの求人を一度見ておくと、どんな仕事で使うのかが想像しやすくなります。
派遣の求人サイト「ジョブリンク」では、キーワード欄に「フォークリフト」と入れると、倉庫や工場でフォークリフトを使う求人を探せます。
同じフォークリフトの求人でも、「カウンター式かリーチ式か」「経験者向けか、未経験から始められるか」は求人ごとに違います。講習を終えたばかりのうちは、そこを先に見てください。
派遣の求人が中心なので、応募する前に雇用の形も確かめておきましょう。
免許を取ったあと、雇用の形まで変えられるのかどうかは、別の記事にまとめています。
よくある質問
Q. 落ちたら、お金をもう一度払うことになりますか?
A. 教習機関によって扱いが違います。私が受けたところでは、その場でもう一度やり直させてもらえました。ただし法令で決まっていることではないので、申し込む前に確認しておくことをおすすめします。
Q. 合格率はどのくらいですか?
A. 国が公表しているフォークリフト技能講習の合格率は、確認できませんでした。インターネット上には数字が出ていますが、出どころが示されていないものがほとんどです。
Q. 普通免許を持っていなくても受けられますか?
A. 受けられます。ただし学科の「走行に関する装置」4時間が免除されないため、講習は35時間になり、日数が1日程度長くなります。
Q. 実技では、どんなことをするのですか?
A. 告示で決められている実技の科目は「走行の操作」と「荷役の操作」の2つです。荷物を積んだり降ろしたり、決められた経路を走ったりする内容になります。
Q. リーチ式とカウンター式で、必要な資格は違いますか?
A. 同じ技能講習です。最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転業務に就くための資格なので、機種によって分かれてはいません。ただし操作の感覚は違うので、現場で乗り換えるときは慣れが必要です。
操作の違いと、どっちが難しいかは、両方に乗ってきた私の体験と講習用のテキストをもとに、リーチとカウンター、フォークリフトはどっちが難しい?の記事にまとめています。
Q. 講習中に体調が悪くなって早退したら、どうなりますか?
A. 受けられなかった時間が出ると、その回では修了できない扱いになるのが一般的です。振替ができるかどうかは教習機関によるので、体調に不安があるときは早めに相談してください。
フォークリフトの次に大型免許を考えている場合は、合宿と通学で費用がどれくらい違うかを、大型免許は合宿と通学どっちが安い?の記事で先に見ておくと動きやすくなります。
まとめ:落ちるかどうかより、休まないことのほうが大事
今回は、フォークリフト免許で落ちる人はいるのかについて解説しました。
- 修了試験はある。「出席すれば全員もらえる」ものではない
- 講習の時間は法令で決まっているので、遅刻・早退・欠席は取り返せない
- 「実技は70点で合格」という数字は、告示の本文には書かれていない
- 持っている自動車免許で、35時間か31時間かが変わる
- 私の回では落ちた人を見なかったが、それは1回ぶんの話でしかない
落ちるのが不安な人ほど、試験の点数を気にしがちです。
ですが実際に取り返しがつかないのは、受けられなかった時間のほうでした。
まずは、講習の日程を先に押さえてください。
そのうえで、うまくいかなかったときの扱いを、申込先に一度聞いておくと安心です。
講習の受け方と費用は、こちらにまとめています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
フォークリフトは、倉庫でも工場でも使われている乗り物です。
自己投資だと思って、受けてみてください。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 厚生労働省「フオークリフト運転技能講習規程」(昭和47年9月30日 労働省告示第111号)第4条(2026年9月8日確認)
- 公益社団法人 東京労働基準協会連合会「フォークリフト技能講習(31時間コース)」(2026年9月8日確認)
- 静岡県労働基準協会連合会「フォークリフト運転技能講習」(2026年9月8日確認)



