建設業に未経験から転職できる?【職種別の年収と求人倍率で比較】
体力に自信があるわけでもないし。
入れたとして、稼げるんだろうか。
こんなお悩みを解決していきます。
本記事の内容
- 建設業に未経験から転職できるのか
- 職種別に比べると、こうなります
- 未経験・資格なしから入るなら
- 資格や現場経験がある人は、入口が変わります
- 年齢と働き方の現実
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、32歳で建設業へ転職しました。
いまは電気工事の会社で、現場の管理をしています。
数字はすべて厚生労働省の公的データで確認したうえで書いています。
「人手不足なら入れるだろう」と思う一方で、本当かどうかは分かりませんよね。
私も移る前は、建設業の中身をほとんど知りませんでした。
結論から言うと、入れます。ただし職種によって、入りやすさも年収もまるで違います。
それでは、さっそく見ていきましょう。
建設業に未経験から転職できるのか
まず、全体像から確認します。下記のとおりです。
- 未経験でも入れる職種はある
- 建設業は働き手の高齢化が進んでいる
- ただし「入りやすさ」と「稼げるか」は別の話
1つずつ解説していきますね。
未経験でも入れる職種はある
建設業は、未経験の募集がある職種とそうでない職種に分かれます。
なぜなら、建設業と一口に言っても、体を使う仕事と、段取りをする仕事があるからです。
例えば私は、物流から移ったとき現場作業の経験がありませんでした。
それでも現場の管理を任されるようになりました。
くわしくは体験談のほうに書いています。
建設業は働き手の高齢化が進んでいる
意外かもしれませんが、これは公的な資料にはっきり書かれています。
厚生労働省の職業情報提供サイトには、こう記されています。
「建設業界では慢性的に若者の就業が少なく作業員の高齢化が特に大きな問題となっている」
つまり、人が足りていないのは事実です。
ただし「入りやすさ」と「稼げるか」は別の話
ここでよく取り違えられるのが、求人が多い=いい仕事、という思い込みです。
実際のデータを見ると、そうなっていません。
次の章で、職種ごとの数字を並べます。
職種別に比べると、こうなります
この記事でいちばん見てほしいところです。下記のとおりです。
- まずは早見表で全体像を見る
- 7つの職種を数字で比べる
- 求人が多い職種と、年収が高い職種は一致しない
1つずつ解説していきますね。
まずは早見表で全体像を見る
※スマホでは横にスクロールできます。
| こんな人に | 向いていそうな入口 | 理由 |
|---|---|---|
| とにかく早く現場に入りたい | とび・建設作業員 | 求職者に対して求人が多い |
| 体力より段取りで勝負したい | 施工管理 | 年収がいちばん高い |
| 手に職をつけたい | 電気工事士・配管工 | 資格が仕事に直結する |
迷ったら、まず「体を使う仕事か、段取りをする仕事か」で分けて考えてみてください。
そのうえで、詳しい数字です。
7つの職種を数字で比べる
※スマホでは横にスクロールできます。
| 職種 | 年収 | 平均年齢 | 有効求人倍率 | 求人賃金(月) |
|---|---|---|---|---|
| 建築施工管理技術者 | 679.1万円 | 43.4歳 | 8.62 | 34.2万円 |
| 電気工事士 | 628.1万円 | 41.6歳 | 3.84 | 28.4万円 |
| 土木施工管理技術者 | 625.0万円 | 46.0歳 | 15.74 | 35.2万円 |
| 配管工 | 523.1万円 | 42.9歳 | 11.03 | 28.7万円 |
| 大工 | 485.5万円 | 50.2歳 | 2.35 | 29.4万円 |
| 建設・土木作業員 | 435.2万円 | 46.7歳 | 9.67 | 27.8万円 |
| とび | 414.5万円 | 41.9歳 | 17.57 | 30.8万円 |
※厚生労働省 job tagをもとに作成(年収・平均年齢は令和7年賃金構造基本統計調査、有効求人倍率・求人賃金は令和7年度ハローワーク求人統計)
※この数字は、各職業に対応する職業分類の統計です。その職業だけの数字とは限りません。
※有効求人倍率は、仕事を探す人1人に対して、求人が何件あるかを表す数字で、採用されやすさを保証するものではありません。またハローワークの求人統計であり、民間の求人サイトの募集は含まれていません。
求人が多い職種と、年収が高い職種は一致しない
表をもう一度見てください。
とびの有効求人倍率は17.57で、いちばん高い数字です。
一方で、とびの年収は414.5万円で、この7職種のなかでいちばん低いという結果でした。
逆に、建築施工管理技術者は倍率が8.62と中くらいですが、年収は679.1万円で最も高くなっています。
さらに、同じ建設業のなかでもとび(17.57)と大工(2.35)で7倍以上の開きがあります。
大工の平均年齢は50.2歳で、7職種のなかで最も高い数字でした。
職人の世界は、人手が足りないから誰でも入れる、という形にはなっていないということです。
未経験・資格なしから入るなら
ここからは、具体的な入り方です。下記のとおりです。
- 現場作業から入って覚える
- 最初から施工管理を目指す
- 未経験を受け入れている会社を探す
1つずつ解説していきますね。
現場作業から入って覚える
とびや建設作業員は、求職者に対して求人が多い職種です。
なぜなら、とびや建設作業員の有効求人倍率が9〜17倍台と高いからです。
ただし、年収は7職種のなかで低いほうに位置します(414.5万〜435.2万円)。
体力を使う仕事でもあります。
入ってから資格を取り、役割を変えていくことは可能です。
電気工事の仕事なら、資格のない人が最初にする仕事と、入ってから第二種電気工事士を取るまでを、電気工事の仕事に未経験で入れるかの記事に書きました。
最初から施工管理を目指す
未経験で施工管理はできるのか、と思いますよね。
できます。現場管理そのものに、資格は必須ではありません。
必要なのは、工事現場に技術者を1人置くことだからです。
私自身も、資格を持たないまま現場を見る側になりました。
ただし、資格の有無で任される範囲は変わります。
そのあたりは電気工事施工管理技士の取り方と費用の記事にまとめました。
資格を持たずに施工管理に入った私が、「やめとけ」と言われる理由を答え合わせした記事もあります。
未経験を受け入れている会社を探す
いちばん確実なのは、未経験の採用実績がある会社に絞ることです。
なぜなら、求人票に「未経験歓迎」と書いてあっても、実際の受け入れ体制は会社によって違うからです。
施工管理の求人に絞ったエージェントなら、そこを聞いてから紹介してもらえます。
例えば コンストワーク というサービスがあります。
施工管理の転職支援に絞ったサービスで、公式サイトに「未経験者向けからベテラン施工管理者向けまで」と書かれています。
運営は株式会社foredgeです(コンストワーク 公式サイトより)。
正直に書いておくと、私が使ったのは、会員登録して求人を見たところまでです。そのあとの電話面談までは進んでいません。
そのうえで書くと、施工管理に絞られているぶん、求人数は多い印象でした。
求人を自分で探す転職サイトと、求人を紹介してもらう転職エージェントの違いは、転職サイトと転職エージェントの違いの記事で紹介しています。
この入口のデメリット
良いことだけ書いても仕方がないので、正直に書きます。
未経験で入ると、最初の年は年収が下がることがあります。
私自身がそうでした。元の水準に戻るまで1年かかっています。
資格や現場経験がある人は、入口が変わります
すでに現場を知っている方は、こちらを読んでください。下記のとおりです。
- 施工管理は現場作業より年収が約244万円高い
- 有資格者に特化したエージェントがある
1つずつ解説していきますね。
施工管理は現場作業より年収が約244万円高い
数字で見ると、差ははっきりしています。
建築施工管理技術者の679.1万円と、建設・土木作業員の435.2万円。その差は約244万円です(厚生労働省 job tagより)。
※前の章と同じく、各職業に対応する職業分類の統計です。その職業だけの数字とは限りません。
これが「資格を取る意味」の、いちばん分かりやすい形だと思います。
電気工事士の資格を持っている人が、転職でどう活かせるかは、こちらにまとめています。
有資格者に特化したエージェントがある
ここで多くの方が知らないのが、エージェントには得意な層があるということです。
未経験を扱うところと、有資格者を扱うところは別です。
例えば 建築転職 というサービスがあります。
公式サイトには「建築士や施工管理技士など、建築業の専門職の転職サポートに強みを持っています」と書かれています。
掲載されている求人も、一級建築士・二級建築士・1級・2級建築施工管理技士といった資格ごとに分かれています。
運営は株式会社トップリフォームです(建築転職 公式サイトより)。
つまり、施工管理技士や建築士を持っている方向けです。
ただし、公式サイトには未経験向けの求人も載っています。
こちらも登録して、求人を見ました。専門に特化しているぶん求人も多く、見やすいと感じました。
年齢と働き方の現実
最後に、気になる2つの話です。下記のとおりです。
- 40代・50代でも入れるのか
- 建設業にも「2024年問題」があります
1つずつ解説していきますね。
40代・50代でも入れるのか
平均年齢のデータを見ると、建設業は若い業界ではありません。
7職種の平均年齢は41.6歳から50.2歳の範囲でした。
とくに大工は50.2歳、建設・土木作業員は46.7歳です(厚生労働省 job tagより)。
私が移ったのは32歳のときでした。40代・50代で移った経験はないので、ここは統計の数字で判断してください。
年齢だけで諦める必要はないと、私は思います。
建設業にも「2024年問題」があります
ドライバーの2024年問題は、聞いたことがある方も多いと思います。
同じ規制が、建設業にも2024年4月から適用されています。
5年間の猶予が終わったためです。
- 原則は月45時間・年360時間まで
- 特別な事情があっても年720時間まで
- 単月100時間未満、複数月平均80時間まで(いずれも休日労働を含む)(厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」より)
国土交通省も、工期を決めるときに「4週8閉所」や「週休2日」を考えるよう求めています。
とはいえ、現場によって進み方に差があるのも事実です。
面接のときに、休みの取り方を必ず確認してください。
よくある質問
Q. 体力に自信がなくても建設業で働けますか?
A. 職種によります。とびや建設作業員は体を使う仕事です。一方で施工管理は、現場の段取りや書類、打ち合わせが中心になります。私は物流から移りましたが、いま担当しているのは管理と営業です。
Q. 資格がないと現場管理はできませんか?
A. できます。法律で決まっているのは「工事現場に技術者を置くこと」で、現場にいる全員が資格者である必要はありません。ただし資格の有無で任される範囲は変わります。
Q. 未経験でいちばん入りやすい職種はどれですか?
A. 有効求人倍率だけで見ると、とび(17.57)と土木施工管理(15.74)が高い数字です。ただしこれは求人が求職者より多い状態を表すだけで、採用を保証するものではありません。私は、倍率よりも「入ったあとに何ができるようになるか」で選ぶことを勧めます。
Q. 40代からでも遅くないですか?
A. 職種によっては平均年齢が50歳を超えています。ただし体を使う職種は、年齢が上がるほど負担が大きくなる点は考えておいてください。
Q. 年収は下がりますか?
A. 私の場合は転職した年に下がり、元の水準に戻るまで1年かかりました。会社や職種で変わるので、面接で確認することをお勧めします。
職種が決まったら、次は相談先です。行き先によって、選ぶところが変わります。
まとめ:職種を決めてから動く
今回は建設業に未経験から転職できるかについて解説しました。
- 未経験でも入れる。ただし職種で難易度が変わる
- とび(17.57)と大工(2.35)で求人倍率に7倍以上の差がある
- 求人が多い職種と、年収が高い職種は一致しない
- 施工管理と現場作業員の年収差は約244万円
- 建設業にも2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されている
「建設業は人手不足だから入れる」で決めてしまうと、いちばん年収の低いところへ流れやすくなります。
まず職種を決めてから、その職種を扱っている相談先を選んでください。
施工管理だけでなく、職人や営業など、建設業の職種を広く扱っている専門の転職エージェントもあります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
いまはまだ、どの職種か決まっていなくても大丈夫です。違いが分かっただけで、選べる状態に近づいています。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 厚生労働省 job tag「建設・土木作業員」(2026年9月7日確認)
- 厚生労働省 job tag/年収・平均年齢は令和7年賃金構造基本統計調査、有効求人倍率・求人賃金は令和7年度ハローワーク求人統計(2026年9月7日確認)
- コンストワーク 公式サイト(2026年9月7日確認)
- 建築転職 公式サイト(2026年9月7日確認)
- 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」(2026年9月7日確認)



