フォークリフト免許の取り方と費用|給付金は使える?経験者が解説
費用は会社が出してくれるのかな。
取ったら給料って上がるものなの?
こんなお悩みを解決していきます。
本記事の内容
この記事でお伝えする内容は、下記のとおりです。
- フォークリフト免許を取るのに必要な講習時間
- 費用は誰が払う?会社が出すとは限らない
- 使えるお金の制度は2つある
- フォークリフト免許を取ると何が変わる?
制度の話と、実際に取った人間の話を分けて書きます。
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、32歳で建設業へ転職しました。
フォークリフト免許は2013年5月に取得し、倉庫の現場で実際に使ってきました。
制度と講習時間の部分は、厚生労働省とハローワークの公式情報で確認しています。
数字には確認日を付けているので、あとから見直すこともできます。
「資格を取れば給料が上がる」と書いてある記事を見て、本当かなと思いますよね。
先に正直なことを書きます。
私の場合、フォークリフト免許を取っても給料は変わりませんでした。
ただし、できる仕事の幅はかなり広がりました。 ここが本当のところです。
それでも取ってよかったと思っているので、その理由まで書きますね。
それでは、さっそく見ていきましょう。
フォークリフト免許を取るのに必要な講習時間
まず、制度の枠組みを3つに分けて確認します。
- 1トン以上は技能講習、1トン未満は特別教育
- 学科11時間・実技24時間が基本
- 保有資格や実務経験で受講時間が変わる
1つずつ解説していきますね。
1トン以上は技能講習、1トン未満は特別教育
結論、扱う機械の大きさで必要な講習が変わります。
なぜなら、最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転業務は、技能講習を修了した人でなければ就けない業務と定められているからです(安全衛生情報センター「最大荷重が1トン以上のフォークリフト運転等の業務に就くことができる者」より)。
一方、最大荷重1トン未満の運転の業務は、特別教育の対象です。
安全衛生特別教育規程では、学科教育が計6時間、実技教育が走行4時間以上と荷役2時間以上と定められています(厚生労働省「安全衛生特別教育規程」第7条より)。
次の章のとおり技能講習は学科11時間・実技24時間なので、同じフォークリフトでも必要な時間が大きく違います。
仕事で使うフォークリフトは1トン以上が中心になるため、多くの人は技能講習のほうです。
求人票に「フォークリフト免許」と書かれている場合も、通常はこちらを指します。
学科11時間・実技24時間が基本
技能講習の中身は、法令で細かく決まっています。
なぜなら、フオークリフト運転技能講習規程という国の告示で、科目ごとの時間が定められているからです。
※スマホでは横にスクロールできます。
| 区分 | 科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 学科 | 走行に関する装置の構造及び取扱いの方法 | 4時間 |
| 学科 | 荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法 | 4時間 |
| 学科 | 運転に必要な力学 | 2時間 |
| 学科 | 関係法令 | 1時間 |
| 実技 | 走行の操作 | 20時間 |
| 実技 | 荷役の操作 | 4時間 |
※フオークリフト運転技能講習規程(昭和47年労働省告示第111号)をもとに作成
全科目を受けると、学科11時間と実技24時間になります。
これを何日に分けるかは講習機関によって違うため、日数は申し込み先で確認してください。
保有資格や実務経験で受講時間が変わる
ここでよく聞かれるのが、「4日と書いてある講習所と3日の講習所があるのはなぜか」という点です。
答えは、受ける人によって免除される科目があるからです。
規程では、保有資格や実務経験に応じて科目が免除される区分が定められています。
たとえば大型特殊自動車免許を持っている場合、走行に関する科目が免除される区分があります(フオークリフト運転技能講習規程(昭和47年労働省告示第111号)より)。
区分は細かく分かれているため、あなたがどのコースになるかは講習機関に確認してください。
私の場合は3日間で取得しました。
同じ資格でも、持っている免許と経験によって日数が変わると考えてください。
費用は誰が払う?会社が出すとは限らない
お金の話に入る前に、先に確認しておいてほしいことが1つあります。
- 会社の指示で取っても、自己負担になることがある
- 申し込む前に会社の制度を確認する
順番に見ていきます。
会社の指示で取っても、自己負担になることがある
意外かもしれませんが、会社が費用を出してくれるとは限りません。
私自身、会社の指示でフォークリフト免許を取りましたが、費用は全額自己負担でした。
これは私の会社の例であって、すべての会社がそうだという話ではありません。
負担してくれる会社もあれば、一部だけ補助する会社もあります。
大事なのは、「会社の指示だから会社が払うはず」と思い込まないことです。
申し込む前に会社の制度を確認する
結論、確認の順番を間違えないでください。
なぜなら、あとから「制度がありました」と分かっても、申し込み済みだと適用されない場合があるからです。
確認するのは、下記の3点です。
- 費用の負担があるか、あるなら何割か
- 負担がある場合、その後どれくらい働く約束になるか
- 自己負担分について、次章の給付制度が使えるか
なお、この記事では費用の相場を書きません。
講習機関や受けるコースによって変わるため、根拠のない金額を書いてもあなたの負担とは一致しないからです。
見積りは必ず講習機関から取ってください。
使えるお金の制度は2つある
ここがこの記事で一番お得な部分です。
フォークリフトで使える可能性のある制度は、下記の2つです。
- 教育訓練給付金(一般教育訓練)
- 短期訓練受講費
2つは仕組みが違うので、順番に確認してください。
教育訓練給付金は「指定された講座」だけが対象
まず、よく知られている教育訓練給付金です。
一般教育訓練の場合、教育訓練経費の20%(上限10万円)が訓練修了後に支給されます(厚生労働省「教育訓練給付金」より)。
ただし、対象は厚生労働大臣の指定を受けた講座だけです。
フォークリフト単体の技能講習は、指定されていない場合があります。
他の資格とのセット講座として指定されているケースもあるため、下記で調べてください。
離職中で受給資格者等なら「短期訓練受講費」を確認
ここが多くの記事に書かれていない部分です。
教育訓練給付金の対象講座でなくても、離職中で一定の要件を満たす人には別の制度があります。
短期訓練受講費といい、本人が支払った教育訓練経費の2割(上限10万円、下限なし)が支給されます(ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」より)。
対象となる教育訓練の主な条件は、下記のとおりです。
- 公的職業資格の取得を目標とする1か月未満の教育訓練であること
- 原則として、一般教育訓練給付の指定講座ではないこと
- 一般教育訓練給付の対象講座を実施している教育訓練実施者が実施していること
- 開始時期、内容、対象者、目標、修了基準が明確で、実施者が受講を確認して修了させるものであること
(ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」より)
フォークリフトの技能講習は1か月未満で終わる公的資格の講習です。
つまり、教育訓練給付金の対象外だったからこそ、こちらに当てはまる可能性があります。
なお、指定講座であっても、一般教育訓練給付の支給要件を満たさない人が受講した場合は対象になることがあります(ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」より)。
「指定講座だから関係ない」と決めつけないでください。 個別の講座とあなたの支給要件は、受講開始前にハローワークで確認できます。
短期訓練受講費は、受講を始める前の手続きが必要
逆説的ですが、制度を知っていても、順番を間違えると1円も戻りません。
短期訓練受講費の支給要件は、下記のとおりです。
- 教育訓練を受講する前に、その訓練を受けるためのハローワークの職業指導を受けていること
- 受講指導を受ける日において、受給資格者等であること
- 待期の期間が経過した後に教育訓練の受講を開始したこと
つまり、必要な手続きを済ませずに受講を開始すると、対象になりません。
一方、一般教育訓練給付のほうは、通常は訓練を修了したあとに支給申請を行います。
同じ「受講前」でも、求められることが違うと考えてください。
そのうえで、実際に動くなら講習機関を決めた段階でハローワークへ相談するのが安全です。
申し込みの時期と受講開始の時期が近い講習もあるため、早めに相談しておくと選択肢が狭まりません。
調べるだけならお金はかからないので、申し込む前にハローワークへ寄ってみてください。
フォークリフト免許を取ると何が変わる?
実際に取った人間として、正直なところを書きます。
- 給料は上がるとは限らない
- できる仕事の幅は広がる
- 種類があり、現場で覚える部分が残る
期待と現実の差を、先に知っておいてください。
給料は上がるとは限らない
私の場合、フォークリフト免許を取っても給料は変わりませんでした。
なぜなら、資格手当の有無や金額は会社ごとに決まっており、資格そのものが給与を決めるわけではないからです。
「資格を取れば収入アップ」と書いてある記事もありますが、私の経験は違いました。
手当を期待するなら、取る前に会社の給与規程を確認してください。
できる仕事の幅は広がる
一方で、できる仕事の幅はかなり広がりました。
なぜなら、フォークリフトは倉庫や工場で使う場面が多く、動かせる人が現場で重宝されるからです。
厚生労働省のjob tagでも、倉庫作業員に関連する資格としてフォークリフト運転技能者が挙げられています。
すぐに給料へ跳ね返らなくても、任される仕事と、選べる求人の幅が広がる可能性があります。
転職を考えているなら、この点のほうが効いてきます。
選べる求人には、倉庫だけでなく工場の仕事も入ります。工場でも、材料や製品をフォークリフトで運ぶ現場があるからです。
倉庫にこだわらずに探すなら、工場・製造業の求人を扱うサービスも見てみてください。派遣・正社員・契約社員の求人が混ざっているので、応募する前に雇用の形を必ず確かめてください。
工場の仕事が倉庫とどう違うかは、両方でフォークリフトに乗った私の体験を、こちらにまとめています。
種類があり、現場で覚える部分が残る
ここは正直に書いておきます。
講習を修了しても、現場ですぐ思いどおりに動かせるわけではありません。
なぜなら、フォークリフトには種類があり、機種によって操作の感覚が変わるからです。
実際に運転しながら覚えていく部分が、どうしても残ります。
難しいのは資格を取ることではなく、現場の機械に慣れることのほうでした。
そして何より、運転するときは周りを十分に確認してください。
荷物を持ち上げて動かす機械なので、周囲の人への影響が大きくなります。
私がフォークリフト免許を取ったのは2013年5月です。
きっかけは、会社の指示でした。
倉庫の仕事をしていくうえで必要だという判断だったと思います。
ただ、費用は全額自己負担でした。
会社の指示で取る資格でも、費用まで会社が持つとは限らないと知ったのはこのときです。
講習は3日間でした。
取ったあと、給料は変わりませんでした。
それでも、任される作業は明らかに増えました。
倉庫の中で「これを動かせる人」になれるかどうかは、日々の仕事の進み方に直結します。
いま振り返ると、給料ではなく仕事の幅で見れば、取ってよかった資格です。
ただ、資格そのものよりも、そのあとどこへ動いたかのほうが、生活には大きく効きました。私はこのあと、物流から建設業へ移っています。
資格で給料は変わらなくても、雇用の形が変わることはあります。そこは会社側の事情で決まっていました。くわしくはフォークリフトの仕事で正社員になれるかの記事にまとめています。
フォークリフトのほかに、倉庫や運送の仕事で役立つ資格は、物流・倉庫で役立つ資格一覧で比べています。
講習の実技で、リーチ式に乗るとは限りません。現場でリーチ式に乗ることになったときのために、2つの違いをこちらにまとめています。
フォークリフト免許のよくある質問
Q. フォークリフト免許は何日で取れますか?
A. 保有している資格や実務経験によって、免除される科目が変わります。
全科目を受ける場合は学科11時間と実技24時間で、これを何日に分けるかは講習機関によって違います(フオークリフト運転技能講習規程より)。私は3日間でした。
Q. 講習は難しいですか?
A. 私の実感では、難しくありませんでした。
ただし講習の最後には修了試験があり、学科試験と実技試験が定められています(フオークリフト運転技能講習規程より)。実施方法は受講する講習機関の案内で確認してください。
Q. 会社が費用を出してくれますか?
A. 会社によります。私は会社の指示で取りましたが、全額自己負担でした。
申し込む前に、費用の負担があるか、あるなら何割かを確認してください。
Q. 教育訓練給付金は使えますか?
A. フォークリフト単体の講習は、指定講座になっていない場合があります。
厚生労働省の検索システムで、通おうとしている講習機関の講座を確認してください。
Q. 仕事を辞めてから取ったほうがお得ですか?
A. 離職中で受給資格者等に当たる場合、短期訓練受講費で経費の2割(上限10万円)が支給される制度があります。
ただし受講前にハローワークの職業指導を受けている必要があるため、辞める前に一度相談してください。
Q. 取れば給料は上がりますか?
A. 私の場合は変わりませんでした。
資格手当の有無は会社ごとに決まっています。ただし、できる仕事の幅と、選べる求人の幅は広がる可能性があります。倉庫以外でどう使えるかは、フォークリフト免許は異業種で使えるかで比べています。
費用と取り方が分かったら、次に気になるのは「ちゃんと受かるのか」だと思います。
まとめ|フォークリフトは「給料」より「仕事の幅」で見る資格
今回は、フォークリフト免許の取り方と費用について解説しました。
要点は、下記のとおりです。
- 1トン以上は技能講習。全科目なら学科11時間・実技24時間
- 保有資格と実務経験で受講時間が変わるため、日数は講習機関に確認する
- 会社の指示で取っても、費用が自己負担になることがある
- 離職中の受給資格者等が支給要件を満たせば、短期訓練受講費で経費の2割(上限10万円)
- 給料は上がるとは限らないが、できる仕事の幅は広がる
まずやることは1つです。
講習機関を決めたら、申し込む前に「会社の制度」と「ハローワーク」の2か所を確認してください。
短期訓練受講費は、必要な手続きを済ませずに受講を始めると対象外になります。
申し込みから受講開始までが短い講習もあるため、早めに動いておくと選択肢が狭まりません。
ただし運転するときは、必ず周りを十分に確認しながら操作してくださいね。
なお、制度の内容は改正されることがあります。この記事の数字は2026年8月2日時点のものなので、申し込む前に最新の情報を確認してください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
取ると決める前に、費用と日程を調べてみるだけでも、十分に前へ進んでいます。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 安全衛生情報センター「最大荷重が1トン以上のフォークリフト運転等の業務に就くことができる者」(2026年8月2日確認)
- 厚生労働省「安全衛生特別教育規程」第7条(2026年8月2日確認)
- フオークリフト運転技能講習規程(昭和47年労働省告示第111号)(2026年8月2日確認)
- 厚生労働省「教育訓練給付金」(2026年8月2日確認)
- 厚生労働省「教育訓練給付金 検索システム」(2026年8月2日確認)
- ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」(2026年8月2日確認)
- 厚生労働省 job tag「倉庫作業員」(2026年8月2日確認)


