悩む人
悩む人
次の免許の更新で、深視力に落ちたらどうしよう。
取ったときは通ったけど、何年も受けていない。
落ちたら、明日から仕事で乗れなくなるのか。

こんなお悩みに答えていきます。

本記事の内容

  • 更新で深視力の検査があるのは、どの免許か
  • 合格しないと、どうなるか(警察の公表内容で確認できたこと)
  • ドライバーにとっては「仕事の免許」がなくなるということ
  • 8t限定から上げた人は、元に戻らない
  • 更新の前にできること
  • 自分の更新会場で聞いておくこと

本記事の信頼性

この記事を書いている私は、物流業で10年働き、いまは建設業で現場の管理をしています。

大型免許は2018年ごろに合宿で取り、建設業に移るまで大型トラックに乗っていました。大型を取ってからの更新は1回で、2022年ごろに運転免許センターで受けています。

制度の部分は、警視庁・埼玉県警察・千葉県警察・大阪府警察・神奈川県警察の公表内容で確認して書いています。

「深視力 更新」で調べると、出てくるのは検査に受かるコツの記事が中心でした。

現場太郎
現場太郎
この記事では、コツよりも「合格しなかったら何が起きるのか」を先に書きます。仕事で大型に乗っている人にとっては、そこがいちばん大きいからです。

結論から言うと、更新で深視力に合格しないと、深視力の要らない普通免許などで更新することになります。期限までに更新できなければ、免許は失効します。

ただし、「その場で何回やり直せるか」「別の日に受け直せるか」は、今回調べた警察の公表内容には書かれていませんでした。ここは会場ごとに確かめる必要があります。

また、「深視力の検査がなくなる(廃止される)」という話を見かけることがありますが、2026年10月の時点で、なくなるという決まりは出ておらず、「いつから」という日付もありません。更新は今の基準で受けるつもりで準備してください。詳しくは、最後の「よくある質問」に書いています。

それでは、見ていきましょう。


更新で深視力の検査があるのは、この免許です

机の上で書類をめくって確認している手元

まず、自分が対象かどうかを確かめます。下記のとおりです。

  • 深視力は「奥行きを見分ける力」の検査
  • 更新でも検査があるのは、大型・中型(限定なし)・準中型(限定なし)・けん引・二種
  • 中型8t限定・準中型5t限定・普通免許は、深視力の検査がない

深視力は「奥行きを見分ける力」の検査

深視力は、ふつうの視力検査とは別の検査です。

器械の中で動く棒を見て、並んだと思ったところでボタンを押します。

合格の基準は、2.5メートルの距離で3回測って、ずれの平均が2センチ以下です(警視庁の公表内容より)。

検査の中身と、取るときにつまずきやすい点は、別の記事にまとめています。

大型トラックの前で免許証を手に持つ男性の後ろ姿
大型免許は誰でも取れる?受験資格と深視力の基準【19歳で取る方法も】 こんなお悩みを解決していきます。 本記事の内容 大型免許は21歳から。ただし19歳で取れる道もあります受験資格は3つ。年齢・経歴・適性...

更新でも検査がある免許

警視庁は、更新のときの適性試験の基準を免許の種類ごとに出しています。深視力の検査があるのは、次の免許です。

深視力の検査がある 深視力の検査がない
大型第一種 中型第一種(8t限定)
中型第一種(限定なし) 準中型第一種(5t限定)
準中型第一種(限定なし) 普通第一種
けん引 二輪・大型特殊
第二種(大型・中型・普通など) 原付・小型特殊

※警視庁「適性試験の合格基準」(2026年9月14日確認)より。

深視力の検査がある免許は、視力の基準も両眼で0.8以上、片目ずつ0.5以上と、普通免許(両眼0.7以上)より高くなっています。

自分の免許証の「種類」欄で確かめる

免許証の「種類」の欄を見ると、持っている免許が表示されています。

大型・中型・準中型・けん引・二種のどれかがあれば、更新のときに深視力の検査があります。

ただし中型・準中型は、条件欄に「8t」「5t」の限定が書かれていれば対象外です。

現場太郎
現場太郎
大型を取ってから私が受けた更新でも、深視力の検査はありました。取るときだけの検査ではありません。

ここまでのまとめ:大型・中型(限定なし)・準中型(限定なし)・けん引・二種を持っている人は、更新のたびに深視力の検査があります。


合格しないと、どうなるか

運転免許センターの受付カウンターが並ぶ待合スペース

ここがいちばん知りたいところだと思います。警察の公表内容で確認できたことと、確認できなかったことを分けて書きます。

  • 合格しないと、深視力の要らない免許で更新になる
  • 期限までに更新できなければ、失効する
  • 失効から6か月以内なら、適性試験に合格すれば取り直せる
  • 「その場で何回」「別の日に」は、公表内容に書かれていなかった

深視力の要らない免許で更新になる

埼玉県警察は、更新のときの適性検査についてこう書いています。

「適性検査に合格しない場合は、免許の更新をすることができません。」(埼玉県警察)

続けて、準中型・中型・大型・二種免許を持っている人が基準に達しない場合は、「それぞれの基準に達した普通免許、又は第一種免許で更新することになります」としています。千葉県警察も同じ内容を公表しています。

つまり、大型を持っている人が深視力に合格しなければ、深視力の検査がない普通免許などで更新することになります。

期限を過ぎれば、失効する

更新できる期間は、有効期間が切れる年の誕生日の前後1か月です(神奈川県警察の公表内容より)。

この期間のうちに更新を終えられなければ、免許は失効します。

警視庁は、失効から6か月以内なら、適性試験に合格すれば、失効したときに持っていた免許を取り直せると案内しています。

ただし、このときの適性試験にも深視力の検査があります。時間をおけば検査が免除されるわけではありません。

「その場で何回」「別の日に」は、書かれていなかった

ネットの記事には「その日のうちに再検査できる」「期間内なら別の日に受け直せる」と書いてあるものがあります。

ただ、今回調べた警視庁・埼玉県警察・千葉県警察・大阪府警察・神奈川県警察の公表内容には、この点は書かれていませんでした。

実際の扱いは会場によって違う可能性があります。最後の章で、会場に聞いておくことをまとめます。

現場太郎
現場太郎
「何回でも受けられるから大丈夫」とも「1回落ちたら終わり」とも、公表内容からは言えません。ここは自分の会場で確かめるのが確実です。

ここまでのまとめ:合格しないと普通免許などで更新。期限を過ぎれば失効。何回受けられるかは会場に確認。


ドライバーにとっては「仕事の免許」がなくなる

夜明けの営業所に並ぶ箱型の小型トラック

制度の話を、仕事の話に置きかえてみます。下記のとおりです。

  • 普通免許で運転できるのは、車両総重量3.5トン未満
  • 2tトラックも運転できなくなる
  • 会社も免許証を見ている
  • 大型に乗れなくなっても、働く道はある

普通免許で運転できるのは、3.5トン未満

いまの普通免許で運転できるのは、車両総重量3.5トン未満・最大積載量2トン未満の車です(道路交通法施行規則より)。

2tトラックは、車両総重量でだいたい4.4〜5.0トンあります。

→ 2tトラックの重さは、「中型8t限定のままでいい?」の記事でメーカーの諸元表を並べています(記事へのリンクは、次の章にあります)

つまり普通免許になると、大型トラックはもちろん、2tトラックにも乗れなくなります。

大型で仕事をしている人にとっては、免許が1段下がるだけではなく、いま仕事で乗っているトラックに乗れなくなるということです。

会社も免許証を見ている

私がいた物流の会社でも、いまの建設の会社でも、免許証の確認を求められたことがあります。

免許の種類は、会社にとっても「その人に何を運転させられるか」を決めるものです。

夜勤明けで更新に行き、深視力で苦労していた同僚

物流で働いていたころの同僚ドライバーと、同じ日に更新に行ったことがあります。私はそばで見ていました。

現場太郎
現場太郎
夜勤明けで疲れていた同僚は、深視力の検査を一度失敗しましたが、検査場のスタッフさんのご厚意で少し休憩をしてから再度検査し、無事に検査を通過しました。

その人は、その日のうちに更新できました。

ただ、休憩してからもう一度受けられたのは、スタッフさんのご厚意でした。どこの会場でも同じように受け直せるとは限りません。

大型に乗れなくなっても、働く道はある

万一、更新で大型に乗れなくなっても、仕事がすべてなくなるわけではありません。考えられる道は、次の3つです。

  • いまの免許で乗れる車で、運転の仕事を続ける
  • 倉庫に移って、フォークリフトの仕事をする
  • 運転する側から、ドライバーを管理する側に回る

① いまの免許で乗れる車で、運転の仕事を続ける

普通免許になっても、車両総重量3.5トン未満の車なら運転できます。軽自動車での配送や、小さめのバンで運ぶ仕事などです。

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② 倉庫に移って、フォークリフトの仕事をする

倉庫の中でフォークリフトを動かすのに必要なのは、運転免許ではなく「技能講習」という別の資格です(労働安全衛生法施行令 第20条)。運転免許の更新で受ける深視力の検査とは、別のものです。

積み下ろしでフォークリフトに乗っていた人なら、その経験を倉庫の仕事で活かせます。資格の取り方と費用は、フォークリフト免許の取り方の記事にまとめています。

ジョブリンクは派遣の求人サイトで、倉庫やフォークリフトの求人を地域やキーワードから探せます。

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※登録は無料です。応募の前に、勤務時間と仕事の中身を確かめてください。

③ 運転する側から、ドライバーを管理する側に回る

運転する側ではなく、ドライバーの点呼や運行を管理する側の仕事として「運行管理者」があります。資格の取り方と、ドライバーから目指す順番は、こちらにまとめています。

運行管理者は未経験からなれる?仕事内容・きつさ・目指す順番
運行管理者は未経験から転職できる?仕事内容ときつさ、目指す順番|運送会社で点呼を見ていた私の答え こんなお悩みに答えていきます。 本記事の内容 運行管理者は、こんな仕事未経験から運行管理者になれる?きついと言われるところドライバーか...

運送の外に目を向けるなら、物流で働いた経験を活かせる別の業界をまとめた記事もあります。

ここまでのまとめ:大型で働く人が普通免許になると、2tトラックにも乗れません。更新の深視力は、仕事がかかった検査です。乗れなくなっても、運転・倉庫・運行管理の道があります。


8t限定から上げた人は、元に戻らない

書類の細かい文字を指でなぞって確認している手元

2007年6月1日以前(当日を含む)に普通免許を取り、あとから限定解除や大型を取った人は、もう1つ知っておいてほしいことがあります。

限定解除した人は、普通免許などになる可能性がある

警視庁は、中型8t限定を解除した人について、こう書いています。

「限定解除後の免許更新時における適性検査は、大型免許と同じ基準(視力0.8以上、深視力実施)となります。免許更新時に適性検査に合格しない場合、下位免許にあたる普通免許や原付免許となってしまう可能性があります。」(警視庁)

元の8t限定には戻らない、ということです。

大型を取った人は、扱いが分かれていたという報道がある

8t限定から大型を取った人については、全日本トラック協会の「中型免許Q&A」で、8t限定の条件が外れ、更新で深視力に合格しないと普通免許になる、と説明されています。

一方で、運転免許センターによって扱いが分かれていたという報道もあります(物流ウィークリー、2011年)。

いまどうなっているかは、お住まいの会場に確かめてください。8t限定のままにするか迷っている人向けの話は、別の記事に書いています。

中型8t限定のままでいい?|解除に約10万円。急がない選択も
中型8t限定のままでいい?2tトラックしか乗らなかった私が大型を取るまで こんなお悩みを解決していきます。 本記事の内容 まず免許証の条件欄を見て、自分が当てはまるか確かめる8t限定で運転できる車、できない車...

ここまでのまとめ:8t限定から上げた人は、深視力に合格しなくても8t限定には戻らない前提で考えてください。


更新の前にできること

壁に掛けたカレンダーに印をつけている手元

ここからは、更新の前にできることです。下記のとおりです。

  • 更新期間の早いうちに行く
  • 眼鏡を使っている人は、度が合っているか確かめる
  • 夜勤明けは避けて行く
  • 私は準備なしで通ったが、それを勧める根拠にはならない

更新期間の早いうちに行く

更新できる期間は、誕生日の前後1か月です。

期間の終わりぎりぎりに行くと、もし合格しなかったときに、次の手を打つ時間が残りません。

別の日に受け直せる会場だったとしても、期限を過ぎてしまえば失効です。私は、期間に入ったら早めに行くことを勧めます。

眼鏡を使っている人は、度が合っているか確かめる

視力は、眼鏡やコンタクトで矯正して受けることができます(千葉県警察・大阪府警察の公表内容より)。

眼科のサイトでは、深視力で落ちる原因の1つとして眼鏡やコンタクトの度が合っていないことが挙げられています。

前回の更新から眼鏡を替えていない人は、先に眼鏡店や眼科で見てもらうと安心です。

夜勤明けは避けて行く

先ほどの同僚の話があるので、私は夜勤明けにそのまま行くのは避けたほうがいいと考えています。

ただしこれは私の考えで、夜勤明けだと深視力に落ちやすいという根拠を確かめたわけではありません。

休みの日にあてられるなら、そのほうが落ち着いて受けられると思います。

私は準備なしで通ったが、それを勧める根拠にはならない

正直に書くと、私は2022年ごろの更新で、眼鏡も練習もなしで深視力に通りました。

そのころはもう建設業に移っていて、仕事で大型には乗っていませんでした。

それでも、頻繁に受ける検査ではないので、緊張しました。次の更新でも、きっと緊張すると思います。

大型を取ったときは、合宿の初日に深視力で1回通っていません(その話は、上で紹介した受験資格と深視力の記事に書いています)。

1回通ったことは、次も通る根拠にはなりません。仕事で大型に乗っている人ほど、準備をしてから行ってほしいと思います。

現場太郎
現場太郎
仕事で大型に乗っていなかった私でも緊張しました。仕事がかかっている人なら、なおさらだと思います。

ここまでのまとめ:期間の早いうちに、眼鏡の度を確かめて、夜勤明けを避けて行く。


自分の更新会場で聞いておくこと

休憩室でスマートフォンを使って電話をかけている作業着の男性

最後に、更新の前に会場へ電話で聞いておくと安心なことです。

聞いておく4つ

  • 深視力に合格しなかったとき、その日のうちにもう一度受けられるか
  • 期間内に別の日に来て、受け直せるか
  • いつもの警察署で更新できるか(深視力の検査があるか)
  • 合格しなかったら、自分はどの免許になるか(8t限定から上げた人は特に)

更新できる場所は、都道府県で違う

たとえば東京都では、運転免許試験場・運転免許更新センター・指定警察署で更新でき、講習の区分などによって手続きできる場所が分かれています(警視庁の公表内容より)。

問い合わせ先は、更新のお知らせのはがきや、都道府県警察のホームページに載っています。

現場太郎
現場太郎
分からないまま当日を迎えるより、電話1本で先に聞いておくほうが、ずっと落ち着いて受けられます。

ここまでのまとめ:公表内容に書かれていないことは、自分の会場に聞くのがいちばん確実です。


まとめ:更新の深視力は、仕事がかかった検査

最後に、この記事の内容をまとめます。

  • 大型・中型(限定なし)・準中型(限定なし)・けん引・二種は、更新でも深視力の検査がある
  • 合格しないと、深視力の要らない普通免許などで更新になる
  • 期限を過ぎれば失効。6か月以内なら適性試験に合格すれば取り直せる
  • 普通免許になると、2tトラックにも乗れない
  • 8t限定から上げた人は、8t限定には戻らない前提で考える
  • 期間の早いうちに、眼鏡の度を確かめて、夜勤明けを避けて行く
  • 「何回受けられるか」は、自分の会場に聞く

私は大型を取ってから1回あった更新で、深視力に通りました。それでも緊張しましたし、次もきっと緊張すると思います。

落ちたら何が起きるかを先に知っておけば、準備の仕方も変わります。

大型を活かせる仕事を見直したい人は、大型免許を活かせる転職先も読んでみてください。


よくある質問

Q. 深視力に合格しなかったら、その場で免許を取り上げられますか?

A. 警察の公表内容では、合格しない場合は「基準に達した普通免許、又は第一種免許で更新することになります」とされています(埼玉県警察・千葉県警察)。その日のうちに再検査できるか、別の日に受け直せるかは会場によって違う可能性があるので、事前に問い合わせてください。

Q. 眼鏡をかけて深視力を受けてもいいですか?

A. 視力は眼鏡等で矯正して受けることができます(千葉県警察・大阪府警察)。眼鏡を使って合格した場合は、免許証の条件欄に眼鏡等の条件がつきます。

Q. 期限が過ぎてしまいました。深視力の検査はもう受けなくていいですか?

A. いいえ。警視庁の案内では、失効から6か月以内なら適性試験に合格すれば失効時の免許を取り直せますが、この適性試験にも深視力の検査があります。

Q. 中型8t限定の免許です。更新で深視力の検査はありますか?

A. ありません。中型8t限定・準中型5t限定・普通免許は、深視力の検査の対象外です(警視庁)。ただし限定解除すると、以後の更新では深視力の検査がつきます。

Q. 二種免許を持っていますが、ふだんは一種の仕事しかしていません。関係ありますか?

A. 第二種免許を持っていれば、更新のときに深視力の検査があります(警視庁)。

Q. 深視力の検査は、いつから廃止されますか?

A. 2026年10月12日の時点で、廃止(なくなる)という決まりは出ておらず、「いつから」という日付もありません。検査のやり方と合格の基準(2.5メートルの距離で3回測り、ずれの平均が2センチ以下)は、今も道路交通法施行規則の第23条に書かれています。「廃止される」という話を見かけても、更新は今の基準で受けるつもりで準備してください。

深視力に不安があり、大型を使わない働き方も知っておきたい人は、「大型に乗れなくなっても、働く道はある」にまとめています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

更新の深視力は、数年に一度しか受けない検査です。だからこそ、落ちたら何が起きるかは、ふだん考えることがありません。

同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。


この記事の出典