運行管理者は未経験から転職できる?仕事内容ときつさ、目指す順番|運送会社で点呼を見ていた私の答え
でも、未経験からなれるのか、どんな仕事なのか、よく分からない。
こんなお悩みに答えていきます。
本記事の内容
- 運行管理者は、こんな仕事
- 未経験から運行管理者になれる?
- きついと言われるところ
- ドライバーから目指す順番と、求人の探し方
- よくある質問
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、32歳で建設業の現場管理へ移りました。
運送会社で働いていたころ、運行管理者が朝の点呼をしているのを見ていました。
先に結論を書きます。
運行管理者は、未経験からでも目指せます。 運送会社で働いた経験がなくても、16時間の「基礎講習」を受ければ、資格の試験を受けられます。
ただし、運行管理の仕事そのものの求人は多くありません。現実的なのは、運送会社に入ってから、会社の中で資格を取って目指す順番です。
この記事では、国土交通省の案内と、運行管理者試験センターの資料をもとに、仕事の中身・きつさ・目指す順番をまとめます。
それでは、見ていきましょう。
運行管理者は、こんな仕事
運行管理者は、トラックの運送会社などで、ドライバーが安全に運行できるように管理する人です。国家資格の「運行管理者資格者証」を持っている人の中から、会社が営業所ごとに選びます。
営業所ごとに、置く人数が決まっている
国土交通省の案内では、トラックの営業所に置く運行管理者の人数は、次のように決まっています。
- 営業所の車が29両までなら、1人以上
- そこから30両ごとに、1人ずつ増える(30両なら2人以上、60両なら3人以上)
運行管理者が何人もいる営業所では、そのまとめ役の「統括運行管理者」も選ぶ決まりです。
つまり、トラックの営業所には、原則として運行管理者の席があるということです。
仕事の中身は、規則で決まっている
運行管理者の仕事は、「貨物自動車運送事業輸送安全規則」という国の規則の第20条に並んでいます。おもなものをまとめると、次のとおりです。
| 仕事 | 中身 |
|---|---|
| 点呼 | 運転の前と後に、ドライバーの体調やお酒が残っていないかを確かめ、指示を出す。記録を残す |
| 乗務割(じょうむわり) | 決められた勤務時間・運転時間の範囲で、だれがいつ車に乗るかを組む |
| 体調の管理 | 病気や疲れなどで安全に運転できないおそれがある人を、運転させない |
| 指導と監督 | ドライバーへの安全の指導や、荷物の積み方の指導 |
| 記録の管理 | 運行記録計(速度や走った時間を記録する機械)の記録などを管理し、保存する |
運転はしませんが、ドライバーが安全に走れるかどうかを、出発の前から帰ってくるまで見守る仕事です。
点呼では、何を確かめるのか
仕事の中でいちばん目に見えるのが、点呼です。同じ規則の第7条では、点呼で確かめることが決まっています。
- 運転の前:お酒が残っていないか(酒気帯び)、病気・疲れ・睡眠不足などで安全に運転できないおそれがないか、車の点検をしたか
- 運転の後:車・道路・運行の様子の報告、お酒が残っていないか
- お酒の確認は、顔色などを目で見たうえで、営業所に置いたアルコール検知器を使う
- 点呼の中身は記録して、1年間残す
点呼は、対面か、国が認めた対面と同じ効果のある方法で行います。
未経験から運行管理者になれる?
資格は、未経験からでも取れます。まずは取り方を見ていきます。
資格の取り方は2つ
国土交通省の案内では、トラックの運行管理者の資格を取る道は2つあります。
| 取り方 | 条件 |
|---|---|
| 試験に合格する | 受験するには、1年以上の実務経験か、基礎講習(16時間)の修了が必要 |
| 実務経験と講習 | 5年以上の実務経験があり、決められた講習を5回以上受けている |
運送会社で運行の管理をした経験がない人は、基礎講習を受けてから試験を受けるのが現実的です。
ここで1つ注意があります。ドライバーとして運転してきた経験は、この「実務経験」には当たりません。 くわしくは、こちらの記事の運行管理者の章に書いています。
試験の中身と合格率
運行管理者試験センターの「令和8年度第1回」の案内では、試験は次のとおりです。
- パソコンで答えるCBT方式(紙の筆記試験はない)・90分
- 全部で30問。出題は、貨物自動車運送事業法・道路運送車両法・道路交通法・労働基準法・実務の知識
- 合格は、30問中18問以上(6割)で、しかも分野ごとに決められた数以上の正解があること
- 受験手数料は6,000円。新しく申し込むときは、ほかにシステム利用料660円
試験は年2回です。直近の結果は、次のとおりでした。
| 令和8年度第1回(貨物) | 数 |
|---|---|
| 受けた人 | 29,323人 |
| 合格した人 | 12,061人 |
| 合格率 | 41.1% |
受けた人の4割ほどが合格しています。法律の問題が中心なので、講習を受けたあと、試験に向けた勉強の時間はとっておきたいところです。
⚠️ 合格したら、結果発表の日から3か月以内に、運輸支局などで資格者証の交付を申し込む必要があります。申し込まないと合格が無効になると、試験センターの案内に書かれています。
資格を取る前から関われる「補助者」
同じ規則の第18条では、会社は運行管理者の仕事を手伝う「補助者」を選べることになっています。補助者になれるのは、資格者証を持っている人か、国が認めた講習(基礎講習)を修了した人です。
つまり、基礎講習を受けておけば、試験に受かる前でも、補助者として運行管理の仕事に関われることがあります。 補助者を置くかどうかは会社しだいなので、入る前に確かめておきましょう。
私がいた運送会社の運行管理者は、元ドライバーだった
私が働いていた運送会社の運行管理者は、もともとドライバーだった人です。
ドライバーから運行管理者へ、という道は、実際にあります。
きついと言われるところ
1. 点呼は、運転の前と後に毎回ある
点呼は、1日1回ではありません。運転を始める前と、終わった後に、ドライバーごとに行います。
そのため、夜に出発する便や、夜に帰ってくる便があれば、点呼も夜になります。 運転の前と後の点呼が、どちらも対面などでできない運行では、途中でもう1回以上、電話などで点呼をする決まりもあります。
どの時間帯に点呼があるかは、営業所の車がいつ出て、いつ帰ってくるかで決まります。求人を見るときに確かめておきたいところです。
夜の仕事そのもののつらさは、こちらにまとめています。
2. 責任が重い
先ほどの表のとおり、運行管理者の仕事は、点呼だけでなく、勤務の組み方や体調の管理、指導まで広くあります。
国の決まりでは、事故が起きた営業所の運行管理者が受ける「特別講習」(13時間)もあります。対象は、亡くなった人や重いけがをした人が出る事故が起きた営業所や、安全に関わる違反で処分を受けた営業所の運行管理者で、会社が受けさせる決まりです。
運転はしなくても、事故が起きれば、管理のしかたが問われる立場です。
3. 覚える法律が多く、講習も続く
試験は、運送・車両・道路交通・労働時間と、4つの法律の分野から出ます。
資格を取ったあとも、会社は運行管理者に、2年に1回、一般講習(5時間)を受けさせる決まりです。法律が変わることもあるので、学び続ける仕事だと考えておきましょう。
ドライバーから目指す順番と、求人の探し方
目指す順番
ここまでの話を、順番に並べると次のとおりです。
- ① 運送会社に入る(ドライバーなど)
- ② 基礎講習(貨物・16時間)を受ける
- ③ 会社によっては、補助者として運行管理の仕事を手伝う
- ④ 運行管理者試験に合格する
- ⑤ 3か月以内に資格者証を申し込み、会社に運行管理者として選ばれる
基礎講習は、国が認めた講習機関で受けられます。国土交通省のページに、都道府県ごとの一覧が載っています。
運行管理の求人は、数が少なめ
2026年9月23日の時点で、ドライバー専門の求人サイトを「運行管理者」で検索すると、運行管理そのものの求人は全国で3件でした(ほかはドライバーや事務の求人です)。
そのため、はじめから運行管理の求人だけを探すより、資格取得の支援がある運送会社にドライバーとして入り、会社の中で目指すほうが、選べる会社は多くなります。
面接で確かめること
| 確かめること | 聞き方 |
|---|---|
| 資格取得の支援 | 基礎講習や受験の費用を、会社が持ってくれるか |
| 社内の道 | ドライバーから運行管理者や補助者になった人がいるか |
| 点呼の時間帯 | 営業所の車が何時ごろ出て、何時ごろ戻るか |
ドライバーから運行管理者になった人がいる会社なら、同じ道を進みやすくなります。 面接で聞いて大丈夫なことです。
ドライバーの仕事が自分に合うかは、こちらで確かめられます。
よくある質問
Q. 大型免許がないと、運行管理者にはなれませんか?
A. 国土交通省の案内にある資格の条件は、試験の合格か、実務経験と講習です。運転免許は条件に入っていません。ただし、求人ごとに求められる条件は違うので、求人票で確かめてください。
Q. 試験はいつありますか?
A. 年2回で、8月ごろと3月ごろです。令和8年度第1回は、8月8日から9月6日に行われました。基礎講習で受験する人は、「基礎講習修了予定」として申し込めますが、決められた日までに基礎講習を終えておく必要があります(令和8年度第1回は、申し込みの締め切りが7月15日、基礎講習の修了が7月29日まで)。日程は、運行管理者試験センターのホームページで確かめてください。
Q. 倉庫で働いていても、目指せますか?
A. 国土交通省の案内では、基礎講習は「運行管理者や補助者になろうとする人」向けの講習です。基礎講習を修了すれば、試験を受けられます。
倉庫を管理する側を目指すなら、倉庫管理主任者という役目もあります。こちらにまとめています。
Q. 運行管理者になると、給料はいくらくらいですか?
A. 厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」には、トラックの運行管理者だけの年収の数字がありません。会社や地域で大きく違うので、求人ごとに確かめてください。
Q. バスやタクシーの運行管理者とは違いますか?
A. 試験は「貨物(トラック)」と「旅客(バス・タクシー)」に分かれています。1回の試験で受けられるのは、どちらか1つです。トラックの運送会社で働くなら、貨物を受けます。
まとめ:未経験から目指せる。入ってから資格を取る順番が現実的
今回は、運行管理者は未経験から転職できるのかをまとめました。
要点は、下記のとおりです。
- 運行管理者は、点呼・勤務の組み方・体調の管理・指導で、ドライバーの安全を守る仕事
- トラックの営業所には、原則として運行管理者を置く決まりがある
- 未経験でも、基礎講習(16時間)を受ければ試験を受けられる。直近の合格率は41.1%
- 点呼は運転の前と後に毎回あるので、夜に走る便があれば点呼も夜になる
- 運行管理の求人は少なめ。運送会社に入り、会社の中で資格を取って目指すのが現実的
まずは、気になる運送会社の求人を1つ選んで、「資格取得の支援があるか」「ドライバーから運行管理者になった人がいるか」を確かめてみてください。
求人票に書いていなければ、面接で聞くことになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 国土交通省「運行管理者について」(資格の条件・営業所ごとの人数・講習の種類と時間・補助者・講習機関の一覧/2026年9月23日確認)
- e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業輸送安全規則」(第7条 点呼/第18条 運行管理者と補助者の選任/第20条 運行管理者の業務/第23条 運行管理者の講習/2026年9月23日確認)
- 運行管理者試験センター「結果発表」(令和8年度第1回の受験者数・合格者数・合格率、合格後の手続き/2026年9月24日確認)
- 運行管理者試験センター「令和8年度第1回運行管理者試験のご案内」(試験方法・出題・合格基準・受験手数料・基礎講習の修了期限/2026年9月23日確認)
- 運行管理者試験センター(令和8年度第1回の日程/2026年9月23日確認)

