けん引免許の取り方と費用|大型より先に取れる?教習は技能12時限だけ
けん引って、大型と同じくらい条件が厳しいのかな。
費用も日数も、まったく見当がつかない。
こんなお悩みに答えていきます。
本記事の内容
- けん引免許がいるのは、750キログラムを超える車をけん引するとき
- 条件は「18歳以上」と「対象の免許を持っていること」。視力の基準もある
- 教習は技能12時限・学科なし
- 取り方は3つ。費用の幅が大きい
- つまずきやすいのは深視力
- 収入は上がるのか
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、2018年に大型免許を取りました。現在は建設業で働いています。
大型を取ったあと、「次は何を足すか」で止まってしまう方は多いと思います。
先に結論を書きます。
けん引免許には、大型免許のような「運転経験3年」の条件がありません。年齢と、持っている免許の条件は、18歳以上で、すでに対象の免許を持っていることです。視力と深視力の基準もあります。
それでは、見ていきましょう。
けん引免許がいるのは、750キログラムを超える車をけん引するとき
まず、どんなときに必要なのかを確かめます。
警察庁の資料には、こう書かれています。
大型自動車、中型自動車、準中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車のいずれかで他の車をけん引するときは、けん引する自動車の種類に応じた免許のほか、けん引免許が必要です。
つまり、けん引免許は単独で使う免許ではありません。 いま持っている免許に足す形の免許です。
いらない場合もある
同じ資料には、いらない場合も書かれています。
- けん引される車の総重量(人や荷物をのせた状態での重さ)が750キログラム以下のとき
- 故障車をロープやクレーンなどでけん引するとき
仕事で言えば、トレーラーを引く仕事に就くときに必要になる免許です。
どんな仕事があるか、年収がどれくらいかは、こちらにまとめています。
条件は「18歳以上」と「対象の免許を持っていること」。視力の基準もある
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
警視庁の案内では、けん引免許の受験資格は、下記のとおりです。
- 18歳以上であること
- 大型・中型・準中型・普通・大型特殊・第二種のいずれかの免許を、すでに持っていること
- 視力は、両眼0.8以上・一眼それぞれ0.5以上
- 深視力の検査がある(3回の平均誤差が2センチ以下)
大型免許と比べると、条件が軽い
大型免許と並べると、違いがはっきりします。
※スマホでは横にスクロールできます。
| 項目 | 大型免許 | けん引免許 |
|---|---|---|
| 年齢 | 21歳以上 | 18歳以上 |
| 運転していた期間 | 通算3年以上 | 条件なし |
| 学科教習 | あり | なし |
| 技能教習 | 持っている免許で変わる | 12時限 |
大型免許にある「運転経験3年」が、けん引にはありません。
普通免許を持っていれば、18歳で受けられる計算になります。
大型免許のほうの条件は、こちらで詳しく書いています。
教習は技能12時限・学科なし
教習所に通って取る場合、遠鉄自動車学校グループの案内では、必要な教習は技能12時限だけです。学科教習はありません。
学科がないぶん、短い期間でまとめて取りやすい免許です。
取り方は3つ。費用の幅が大きい
取り方は、大きく3つあります。
- 合宿で取る
- 通学で取る
- 試験場で直接受ける(いわゆる一発試験)
合宿で取る
合宿は、技能12時限をまとめて受けられます。
けん引の合宿は147,950円(税込)からという例があります(遠鉄自動車学校グループ・2026年9月21日時点)。
大型とけん引を組み合わせたコースを用意している教習所もあります。 これから大型も取る予定なら、まとめて取れるかを先に見ておくと動きやすいです。
大型と同時に取るか、あとから取るかで、給付金が使えるかどうかが変わります。料金と給付金で比べた記事は、こちらです。
通学の場合は、いまの仕事を続けながら通えます。合宿と通学の比べ方は、こちらで詳しく書いています。
試験場で直接受ける場合
教習所に通わず、試験場で直接受ける方法もあります。
警視庁の案内では、東京都の場合、かかるお金は合計6,900円です。
- 受験料:2,800円
- 試験車使用料:1,750円
- 免許証交付料:2,350円
※金額は東京都の例です。都道府県で変わることがあるので、住んでいる地域の警察のページで確認してください。
金額だけ見れば、合宿の20分の1以下です。
ただし、落ちれば受験料がそのたびにかかります。 けん引は学科がないぶん、技能試験だけで判断されます。安さだけで選ぶと、何度も通うことになりかねません。
つまずきやすいのは深視力
けん引免許にも、深視力の検査があります。 基準は3回の平均誤差が2センチ以内で、大型免許と同じです。
普通の視力検査とは別の検査です。
深視力の中身と、通らなかったときにどうなるかは、こちらにまとめています。
収入は上がるのか
ここは、正直に書きます。
厚生労働省のデータでは、トレーラーを運転する人の年収は、トラックドライバーと同じ数字でした。
「けん引を足せば給料が上がる」と言い切れる材料は、公的なデータにはありません。
違いが出ていたのは、有効求人倍率です。有効求人倍率は、トラックドライバーより高い数字になっていました。
数字の中身は、さきほど紹介した「大型免許を活かせる転職先」の記事で表にしています。
つまり、けん引免許は、必ず収入が上がると考えて取るよりも、選べる求人を増やすための免許として見るのがよいと思います。
どんな求人があるかを先に見ておく
取るかどうかを決める前に、けん引が必要な求人が自分の通える範囲にあるかを見ておくことをおすすめします。
地域によっては、トレーラーの仕事そのものが少ないことがあります。
求人では、下記を確かめてください。
- けん引免許が「必須」か「あれば尚可」か
- 免許取得を支援する制度があるか
- 1日の拘束時間と、夜勤があるか
- 荷物の種類(海上コンテナ、重機、タンクなど)
けん引のほかに、物流の仕事で役立つ資格は、こちらで比べています。
よくある質問
けん引免許は、大型免許より先に取れますか?
条件のうえでは取れます。
けん引は18歳以上で、運転していた期間の条件がありません。大型は21歳以上で、通算3年以上の運転経験が必要です。
ただし、仕事で使うときは、けん引する側の車に合った免許(大型など)も必要になります。
何日くらいで取れますか?
教習所での教習は技能12時限で、学科はありません。
実際の日数は教習所と予約の空き具合で変わるので、申し込む前に日程を確認してください。
試験場で直接受ければ安く済みますか?
1回で受かれば安く済みます。
東京都の場合は合計6,900円です。ただし落ちるたびに受験料がかかります。学科がなく技能だけで判断されるので、安さだけで決めないでください。
40代・50代からでも取れますか?
年齢の上限はありません。
運送業で働く人の年齢構成については、こちらにまとめています。
まとめ|条件を確認し、収入が上がるかは求人ごとに確かめる
今回は、けん引免許の取り方と費用をまとめました。
要点は、下記のとおりです。
- けん引免許がいるのは、750キログラムを超える車をけん引するとき
- 18歳以上で、対象の免許を持っていることが必要。運転経験3年は不要だが、視力と深視力の基準もある
- 教習は技能12時限・学科なし
- 合宿は147,950円(税込)からという例がある。試験場で直接受けると東京都で6,900円(ただし落ちるたびにかかる)
- 深視力の基準は大型と同じ
- けん引免許を足せば年収が上がるとは、公的データだけでは言い切れない。免許が必要な求人も選べるようになる
条件が軽いぶん、「とりあえず取っておく」という選び方もできる免許です。
そのうえで、通える範囲にけん引の求人があるかを先に見てください。 取ってから使い道がない、といういちばんもったいない形を避けられます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 警察庁「交通の方法に関する教則」(2026年9月21日確認)
- 警視庁「けん引免許試験(直接試験場で受験される方)」(2026年9月21日確認)
- 遠鉄自動車学校グループ 大型・中型免許合宿(2026年9月21日確認)

