物流・倉庫で役立つ資格一覧|job tagに載る7つを、取り方と使う場面で比べる
フォークリフト、大型、危険物…名前は聞くけど、どれから取ればいいのか分からない。
試験があるのか、講習だけなのかも知らない。
こんなお悩みに答えていきます。
本記事の内容
- 7つの資格の早見表
- 倉庫の中で使う資格(フォークリフト・玉掛け・危険物取扱者)
- 運ぶ仕事で使う資格(準中型〜大型・けん引)
- 管理する立場の資格(倉庫管理主任者・運行管理者)
- どの資格から取るかの考え方
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、その間にフォークリフトと大型免許を取りました。32歳で建設業に移り、現在は電気工事の会社で現場管理をしています。
先に結論を書きます。
資格は「就きたい仕事」から逆に選ぶのが近道です。 倉庫の中で働くならフォークリフト、運ぶ仕事なら運転免許、管理する立場を目指すなら倉庫管理主任者や運行管理者、という順で考えると迷いません。
それでは、見ていきましょう。
7つの資格の早見表
まず、7つを1つの表にまとめます。
| 資格 | 何ができるか | 取り方 | 条件 |
|---|---|---|---|
| フォークリフト | 最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転 | 技能講習 | 講習を修了する(受講の条件は講習機関で確認) |
| 玉掛け | つり上げ荷重1トン以上のクレーン等の玉掛け | 技能講習 | 講習を修了する(受講の条件は講習機関で確認) |
| 危険物取扱者(乙種) | 危険物の取扱い | 試験 | 誰でも受験できる |
| 倉庫管理主任者 | 倉庫の管理の責任者 | 会社が選ぶ(試験なし) | 実務経験か講習 |
| 準中型・中型・大型 | トラックの運転 | 教習所か試験場 | 年齢と免許の経歴 |
| けん引 | トレーラーなどのけん引 | 教習所か試験場 | 18歳以上・ほかの免許を持っている |
| 運行管理者(貨物) | 運送会社での点呼・運行の管理 | 試験 | 実務経験1年以上か基礎講習 |
出典は、記事の最後にまとめています。
1つずつ見ていきます。
倉庫の中で使う資格
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、倉庫作業員について、こう説明されています。
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、フォークリフト運転技能者や危険物取扱者の資格を持っていると有利となる。
倉庫の中で使う資格は、下記の3つです。
- フォークリフト
- 玉掛け
- 危険物取扱者
フォークリフト:1トン以上なら技能講習
最大荷重が1トン以上のフォークリフトを運転する仕事は、労働安全衛生法で「就業制限」がかかる業務です。技能講習を修了した人などでなければ、運転できません。
1トン未満なら、会社が行う「特別教育」を受ければ運転できます。
先ほどの説明のとおり、持っていると有利とされている資格です。講習の日数や費用、給付金が使えるかは、こちらにまとめています。
玉掛け:クレーンで荷物をつるときに要る
玉掛けは、クレーンなどで荷物をつり上げるときに、ワイヤーやフックを掛けたり外したりする作業です。
労働安全衛生法の決まりで、つり上げ荷重が1トン以上のクレーン等の玉掛けは、フォークリフトと同じく技能講習の修了が必要です。1トン未満なら特別教育で行えます。
クレーンのある倉庫や、工場・資材置き場の仕事で求められる資格です。 自分の職場や応募先にクレーンがあるかで、要るかどうかが決まります。
危険物取扱者:乙種は誰でも受験できる
危険物取扱者は、ガソリンや灯油などの危険物を取り扱うための国家資格です。試験を行う消防試験研究センターによると、甲種・乙種・丙種のうち、乙種と丙種は誰でも受験できます。
倉庫作業員とトラックドライバーのどちらでも関連資格に挙がっていて、危険物を運ぶ仕事では必要になる資格です。
危険物を扱う倉庫や、タンクローリーなどの運送会社を目指すなら、候補に入ります。 試験の日程と手数料は、受ける都道府県の案内で確かめてください。
運ぶ仕事で使う資格
トラックの運転に使う免許は、車の大きさで分かれています。
準中型・中型・大型:年齢と免許の経歴で条件が変わる
警視庁の案内では、受験できる条件は下記のとおりです。
| 免許 | 年齢 | 免許の経歴 |
|---|---|---|
| 準中型 | 17歳6か月以上(免許の交付は18歳から) | いらない |
| 中型 | 20歳以上 | 準中型・普通・大特のいずれかで通算2年以上 |
| 大型 | 21歳以上 | 中型・準中型・普通・大特のいずれかで通算3年以上 |
準中型の年齢は、令和8年4月1日から「18歳以上」から「17歳6か月以上」に変わりました。
大型と中型は、一定の教習を修了すれば19歳以上・免許の経歴1年以上で受けられる特例もあります。大型の受験資格と、つまずきやすい深視力の検査は、こちらで詳しく書いています。
job tagでも、トラックドライバーは「採用時に免許を持っていなくても、入社後に準中型、中型、大型免許を取得することで活躍できる」と説明されています。免許を取ってから転職するか、取らせてくれる会社を探すかは、先に決めておくと迷いません。
自分で取るなら、合宿と通学で費用と日数が大きく変わります。 合宿で取る場合の料金とコースは、こちらで確かめられます。
合宿と通学の比べ方は、大型免許は合宿と通学どっちが安いかの記事にまとめています。
けん引:条件は18歳以上とほかの免許
けん引免許は、トレーラーなどをけん引して運転するための免許です。
警視庁の案内では、条件は18歳以上で、ほかの運転免許(大型・中型・準中型・普通など)をすでに持っていることです。大型免許のような「経歴3年」はありません。
教習の時間や費用は、けん引免許の取り方と費用にまとめています。
管理する立場の資格
現場で経験を積んだあと、管理する側に回るときの資格が2つあります。
倉庫管理主任者:試験ではなく、会社が選ぶ
倉庫管理主任者は、倉庫業法で決められた、倉庫の管理の責任者です。倉庫業者は、倉庫ごとに倉庫管理主任者を選ばなければなりません。
私が働いていた倉庫にも、倉庫管理主任者がいました。
試験に受かって取る資格ではありません。 倉庫業法施行規則では、倉庫管理主任者になれる人を次のどれかに当てはまる人としています。
- 倉庫の管理の業務で、2年以上の指導監督的な実務経験がある人
- 倉庫の管理の業務で、3年以上の実務経験がある人
- 国土交通大臣の定める倉庫の管理に関する講習を修了した人
- 国土交通大臣が、上と同等以上の知識と能力があると認める人
同じ規則では、倉庫管理主任者の仕事として、火災の防止などの施設の管理、倉庫の業務の適正な運営、労働災害の防止、現場の従業員の研修が挙げられています。
倉庫で長く働いてきた人は、実務経験で要件を満たしている可能性があります。 転職の書類や面接では、「倉庫の管理の業務に何年、どの立場で関わったか」をはっきり書けるようにしておきましょう。
倉庫の事務の仕事でも、管理する立場を目指すときの資格として挙げられています。
運行管理者(貨物):ドライバーの経験だけでは受けられない
運行管理者は、運送会社でドライバーの点呼や運行の管理をする人の国家資格です。
私が働いていた運送会社にも、運行管理者がいました。
運行管理者試験センターの案内では、貨物の試験を受けるには、次のどちらかが必要です。
- 事業用自動車(緑色のナンバーの車)の運行の管理について、1年以上の実務経験がある
- 国土交通大臣が認定した講習機関で、基礎講習(貨物)を修了している
⚠️ ここで大事なのは、同じ資料に「事業用自動車の運転業務、営業、総務、経理等の管理業務等は、事業用自動車の運行の管理についての実務経験に該当しません」と書かれていることです。
ドライバーとして何年運転していても、それだけでは実務経験にならない、ということです。 ドライバーから目指すなら、基礎講習を受けるのが現実的な道になります。
運転の経験を積んだあと、運行管理者の資格を取って配車担当になり、所長などの管理職に進む道もあります。
運行管理者の仕事の中身や、きついと言われるところ、ドライバーから目指す順番は、こちらにまとめています。
どの資格から取るかの考え方
ここまでの7つを、就きたい仕事で分けると下記のとおりです。
| 就きたい仕事 | まず見る資格 |
|---|---|
| 倉庫の作業 | フォークリフト |
| クレーンのある倉庫・工場 | フォークリフト+玉掛け |
| 危険物を扱う倉庫・運送 | 危険物取扱者 |
| トラックドライバー | 準中型〜大型(→トレーラーならけん引) |
| 倉庫の管理 | 倉庫管理主任者(実務経験か講習) |
| 運送会社の管理・配車 | 運行管理者(貨物) |
資格を取る前に、応募したい求人の条件欄を3件ほど見てください。 実際に求められている資格が分かります。
費用を抑えたいなら、会社が費用を持ってくれる制度や、国の給付金が使えるかも確かめておきましょう。大型免許の場合は大型免許の教育訓練給付金の記事にまとめています。
よくある質問
Q. 資格がなくても物流の仕事に就けますか?
A. job tagでは、倉庫作業員は「特に学歴や資格は必要とされない」とされています。トラックドライバーも、入社後に免許を取って活躍できるとされています。資格は、入ってから会社の制度で取れることもあります。
Q. 倉庫管理主任者は国家資格ですか?
A. 試験に合格して取る資格ではありません。倉庫業法にもとづいて、倉庫業者が倉庫ごとに選ぶ役目です。なれる人の要件は、倉庫業法施行規則で、実務経験か国土交通大臣の定める講習の修了などと決められています。
講習の受け方や、修了証が転職で使えるかは、こちらにまとめています。
Q. フォークリフトの「特別教育」と「技能講習」はどう違いますか?
A. 最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するには技能講習の修了が必要で、1トン未満なら会社などが行う特別教育で運転できます。求人の条件に「フォークリフト」とあるときは、どちらが必要かを求人ごとに確かめてください。
Q. ドライバーを何年も続けていれば、運行管理者の試験を受けられますか?
A. 運行管理者試験センターの案内では、運転業務は運行の管理の実務経験に当たりません。ドライバーから目指す場合は、基礎講習(貨物)を修了して受験する方法があります。
まとめ:資格は「就きたい仕事」から逆に選ぶ
今回は、物流・倉庫で役立つ資格を7つまとめました。
要点は、下記のとおりです。
- 7つは、job tagで倉庫作業員・トラックドライバーの関連資格に挙がっているもの
- フォークリフトと玉掛けは、1トン以上は技能講習、1トン未満は特別教育
- 危険物取扱者の乙種は誰でも受験できる
- 倉庫管理主任者は試験ではなく、実務経験か講習で要件を満たし、会社が選ぶ
- 準中型は令和8年4月1日から17歳6か月以上で受験できる
- 運行管理者(貨物)は、運転の経験だけでは受けられない。基礎講習の道がある
まずは、就きたい仕事の求人を3件開いて、条件欄に書かれている資格を確かめてみてください。
取るべき資格は、そこで自然に決まります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 厚生労働省 job tag「倉庫作業員」(2026年9月21日確認)
- 厚生労働省 job tag「トラックドライバー」(2026年9月21日確認)
- 労働安全衛生法施行令 第20条 第11号・第16号(e-Gov法令検索・2026年9月21日確認)
- 労働安全衛生規則 第36条 第5号・第19号(e-Gov法令検索・2026年9月21日確認)
- 倉庫業法 第11条(e-Gov法令検索・2026年9月21日確認)
- 倉庫業法施行規則 第9条(e-Gov法令検索・2026年9月21日確認)
- 消防試験研究センター「危険物取扱者試験 受験資格」(2026年9月21日確認)
- 警視庁「受験資格」(2026年4月1日更新・2026年9月21日確認)
- 運行管理者試験センター「令和7年度第1回運行管理者試験の概要」(2026年9月21日確認)

