物流から転職するときの転職理由の伝え方|本音が「給料」「休み」でも大丈夫な言い換え例文
でも面接でそのまま言ったら、印象が悪いよね。
かといって、嘘をつくのも違う気がする。
こんなお悩みに答えていきます。
本記事の内容
- 転職した人が前の仕事を辞めた理由は「給料」「休み・時間」「会社の将来」が多い
- 面接で転職理由を聞かれるのは「うちでも同じ理由で辞めないか」を見るため
- 本音を前向きに言い換える4つの型と例文
- 言い換えるときに避けたい3つのこと
- 転職理由を志望動機につなげる
- 一人で準備するのが不安なら
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、32歳で建設業に移りました。現在は電気工事の会社で現場管理をしています。
先に結論を書きます。
本音の理由が「給料」や「休み」でも、隠す必要はありません。 転職した人が前の仕事を辞めた理由として、どちらもよくあるものです。
面接で差がつくのは、理由そのものではなく言い方です。「不満」で終わらせず、「次の会社で何をしたいか」までつなげて話します。
それでは、見ていきましょう。
転職した人が前の仕事を辞めた理由は「給料」「休み・時間」「会社の将来」が多い
まず、ほかの人はどんな理由で仕事を辞めているのかを見ておきます。
厚生労働省の「令和7年雇用動向調査」には、2025年に転職した人が前の仕事を辞めた理由が年齢別に載っています。
男性の30代・40代を抜き出すと、下記のとおりです。
| 年齢 | 給料等収入が少なかった | 労働時間・休日等の労働条件が悪かった | 会社の将来が不安だった | 職場の人間関係が好ましくなかった | 能力・個性・資格を生かせなかった |
|---|---|---|---|---|---|
| 30〜34歳 | 13.4% | 13.0% | 10.0% | 5.9% | 5.2% |
| 35〜39歳 | 11.2% | 11.1% | 12.7% | 9.5% | 6.9% |
| 40〜44歳 | 9.5% | 9.6% | 10.7% | 7.3% | 11.0% |
| 45〜49歳 | 11.5% | 7.5% | 5.8% | 13.3% | 6.5% |
30代前半では「給料」と「労働時間・休日」が1位と2位です。30代後半になると「会社の将来が不安」がいちばん多くなります。
つまり、給料や休みを理由に辞めるのは珍しいことではありません。
ただし、この調査は全部の業種をまとめた数字です。物流の仕事だけを取り出したものではありません。
「自分だけがわがままなのでは」と思う必要はない、という目安として見てください。
面接で転職理由を聞かれるのは「うちでも同じ理由で辞めないか」を見るため
では、面接官は転職理由を聞いて、何を確かめているのでしょうか。
大阪のハローワークが、会社から届いた採用・不採用の理由のコメントをまとめて公開しています。平成24年(2012年)1月から7月の採否通知をもとにした資料です。
その中から、転職理由の話し方に関わるものを要約すると、下記のとおりです。
- 面接中の対応(受け答えや前職の不満)がよくない
- 以前在職していた会社の悪口ばかりを話し、聞いていて不愉快だった
- 辞めた理由が、応募先の仕事内容にも当てはまっていた
資料の中で、ハローワークはこう書いています。
退職理由も、応募中の会社に当てはまる理由は避けなければいけません。
面接官が知りたいのは、「この人は、うちの会社でも同じ理由で辞めてしまわないか」です。
たとえば「単純作業が合わなかった」と話して、応募先も同じような作業が多ければ、「うちでも続かないかもしれない」と受け取られます。
反対に、前の会社では叶わなかったことが、応募先では叶うと伝われば、辞めた理由はそのまま「この会社を選んだ理由」になります。
本音を前向きに言い換える4つの型と例文
ここからは、物流から転職する人に多そうな本音を4つに分けて、言い換えの型と例文を並べます。
- 給料が少ない
- 休みが少ない・夜勤がつらい
- 体力・体調が心配
- 会社の将来が不安
どの型も、①事実 → ②やりたいこと → ③応募先でそれができる理由の順で話します。
1つずつ見ていきますね。
給料が少ない →「経験や資格が評価される場所で働きたい」
「給料が安いから」だけだと、「条件が良ければどこでもいいのでは」と受け取られがちです。
収入の話は、「何をすれば上がるのか」とセットにします。
- 例文(倉庫から、別の会社の倉庫管理へ)
「今の職場では出荷の段取りと在庫の管理を任されてきましたが、評価の仕組みがはっきりしておらず、役割が増えても待遇に表れにくい状況でした。御社は資格や担当範囲に応じた評価の仕組みを示されているので、これまでの管理の経験を活かしながら、長く腰を据えて働きたいと考えました。」
「評価の仕組み」「資格手当」などは、求人票や会社のページで確かめてから話してください。確かめずに言うと、面接で「うちにはその制度はないですよ」と言われて終わります。
休みが少ない・夜勤がつらい →「生活のリズムを整えて、長く働きたい」
休みや夜勤の話は、言い方を間違えなければ正直に話して大丈夫です。
大事なのは、「楽をしたい」ではなく「長く続けたい」に聞こえるように話すことです。
- 例文(夜勤のある物流から、日勤の仕事へ)
「これまで夜勤を含む勤務で働いてきました。仕事にはやりがいがありましたが、この先も長く働き続けることを考え、生活のリズムを一定にできる日勤の仕事に移りたいと考えています。御社の日勤中心の働き方であれば、体調を整えたうえで、仕事に集中できると考えました。」
⚠️ 応募先の休日数や勤務時間は、先に求人票で確かめてください。 応募先も土曜出勤や早出が多い場合、「休みが少ないから辞めた」は、先ほどの「応募先に当てはまる理由」になってしまいます。
夜勤そのものがつらいときに、辞める前に確かめたいことは、物流の夜勤がつらい人への記事にまとめています。
体力・体調が心配 →「経験を活かせる形に、働き方を変えたい」
体力の話は、「もう無理です」で終わると、応募先の仕事もこなせるのか心配されます。
「体力がない」ではなく、「経験の活かし方を変えたい」に言い換えます。
- 例文(倉庫の現場作業から、管理や事務の仕事へ)
「倉庫で長く現場作業をしてきましたが、体を使う作業が中心の働き方を、この先何十年も続けるのは難しいと考えるようになりました。現場では在庫の数え方や出荷の段取りなど、数字と流れを管理する仕事も担当してきました。その経験を、管理や事務の立場で活かしたいと考えています。」
持病やけがなど、体調の詳しい中身まで自分から話す必要はありません。仕事に差し支えがあるかどうかを聞かれたら、そこは正直に答えます。
倉庫から出荷事務・物流事務へ移るときに確かめたいことは、こちらにまとめています。
会社の将来が不安 →「腰を据えて長く働ける場所で力をつけたい」
先ほどの表では、35〜39歳の男性でいちばん多かった理由です。
ただし「会社が危ない」「上がだめ」と話すと、前の会社の悪口に聞こえます。
会社の話ではなく、自分がこれからどうしたいかを話します。
- 例文(物流から建設業へ)
「物流の現場で、人と荷物の段取りを組む仕事を続けてきました。ただ、今の会社で先の見通しを考えたとき、この先も同じ役割のまま年齢を重ねることに不安を感じました。建設業は、経験を積むほど任される範囲が広がり、資格で力を示せる仕事だと知りました。段取りを組む経験を土台に、腰を据えて力をつけたいと考えています。」
物流から建設業へ移るときの話は、こちらにまとめています。
言い換えるときに避けたい3つのこと
言い換えは、本音をきれいに見せる作業ではありません。下記の3つは避けてください。
- 前の会社の悪口を言う
- 応募先にも当てはまる理由を言う
- 嘘をつく
前の会社の悪口を言う
当たり前の事ですが、前の会社の悪口や不満ばかりを話したことが、不採用の理由として挙がっていました。
事実として「人手が足りず、休みが取りにくかった」と話すのは構いません。「上司が最悪だった」「あんな会社は長く続かない」のように、人や会社を責める言い方にしないことです。
応募先にも当てはまる理由を言う
ここは見落としやすいところです。
たとえば「早朝の出勤がつらかった」と話して、応募先も朝が早い仕事なら、面接官は「うちも同じですよ」と思います。
話す前に、応募先の求人票と自分の理由を並べて、当てはまっていないかを確かめてください。
嘘をつく
言い換えと、嘘は違います。
「キャリアアップのため」とだけ言って、実際は応募先の仕事内容をよく知らない。これでは、次の質問で話が続きません。
言い換えた理由を聞き返されても、自分の言葉で答えられる範囲にとどめます。
転職理由を志望動機につなげる
転職理由とセットでよく聞かれるのが、志望動機です。
大阪労働局は、会社向けの資料で、面接の質問例として次のようなものを挙げています。
あなたが、当社への就職を希望されたのは、どんな理由からですか。
同じ資料には、この質問で「自社をどの程度理解しての応募か」「本人自らの適性・能力と結びつけて応募したものであるか」を判断する、とも書かれています。
転職理由(なぜ辞めるか)と志望動機(なぜここか)は、1本の話にすると伝わりやすくなります。
- 転職理由:前の職場では◯◯がかなわなかった
- 志望動機:御社なら◯◯ができる
- 活かせる経験:物流で身につけた△△を使える
3つ目の「活かせる経験」は、物流の仕事を別の業界の言葉に置き換えると話しやすくなります。置き換え方はこちらの記事にまとめています。
面接の前に、職務経歴書にも同じ言葉で書いておくと、話と書類がそろいます。書き方は、倉庫の仕事なら倉庫管理の職務経歴書の書き方、ドライバーならトラックドライバーの職務経歴書の書き方にまとめています。
一人で準備するのが不安なら、面接の練習ができる相談先を使う
転職理由は、頭の中で考えているうちはまとまっていても、声に出すと長くなったり、不満の話に戻ったりしがちです。
一人で準備するのが不安なら、面接の練習をしてくれる相談先を使うのも1つの手です。
転職エージェントの中には、書類の添削や面接の対策をしてくれるところがあります。どこに相談するかの選び方は、こちらの記事にまとめています。
建設業も候補に入れているなら、建設業専門の転職エージェントに、面談で会社ごとの中身を聞いてから応募先を選ぶ方法もあります。書類の添削や面接の練習までしてくれるかは、面談のときに確かめてください。
ハローワークでも、応募書類や面接の相談ができます。お住まいの地域のハローワークで確かめてください。
よくある質問
Q. 本当の理由をそのまま言ったら、不利になりますか?
A. 理由そのものより、言い方で受け取られ方が変わります。給料や休みは、転職した人が前の仕事を辞めた理由として多いものです。「不満」で終わらせず、「応募先で何をしたいか」までつなげて話してください。
Q. 面接で家族のことを聞かれたら、答えないといけませんか?
A. 厚生労働省は、家族の職業や収入、住宅の状況など、本人の適性・能力と関係のないことを応募書類に書かせたり面接で尋ねたりすることは、就職差別につながるおそれがあるとしています(厚生労働省「公正な採用選考の基本」)。ただし、自分から転職理由として「家族との時間を大事にしたい」と話すのは構いません。
Q. 短い期間で辞めた職場がある場合は、どう話せばいいですか?
A. 短い期間で辞めた理由は、面接官が気にしやすいところです。期間をごまかさず、その経験から何を考えて次の仕事を選んだのかを話してください。応募先にも当てはまる理由になっていないかは、特に確かめておきます。
Q. 休みや残業のことを、面接で聞いてもいいですか?
A. 聞いて構いません。大阪労働局の資料でも、面接では会社側が残業や勤務形態、賃金などの労働条件を説明し、応募者に確認する流れが例として挙げられています。ただし最初の質問が休みの話だけだと、条件しか見ていないように受け取られることがあるので、仕事の中身を聞いたあとに確かめるのがおすすめです。
まとめ:転職理由は「不満」で終わらせず「次にやりたいこと」までつなげる
今回は、物流から転職するときの転職理由の伝え方をまとめました。
要点は、下記のとおりです。
- 30代前半の男性が前の仕事を辞めた理由は、給料13.4%・労働時間や休日13.0%が上位(令和7年雇用動向調査・全産業)
- 面接官は「うちでも同じ理由で辞めないか」を見ている
- 言い換えは①事実 → ②やりたいこと → ③応募先でそれができる理由の順
- 前の会社の悪口・応募先にも当てはまる理由・嘘は避ける
- 転職理由と志望動機は、1本の話にする
まずは、自分の本当の理由を1行で書き出してみてください。そのうえで、応募先の求人票と並べて、当てはまっていないかを確かめます。
それだけで、面接で話す中身の半分はできています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」表5 転職入職者が前職を辞めた理由別割合(2026年9月21日確認)
- 大阪ハローワーク「ハローワークへの採否通知のコメント」(2026年9月21日確認)
- 大阪労働局「採用選考における適切な質問内容の例」(2026年9月21日確認)
- 厚生労働省「公正な採用選考の基本」(2026年9月21日確認)

