テールゲートリフター(パワーゲート)の特別教育とは?自分で受ける必要はある?2tで使っていた私の答え
パワーゲートを使うには、特別教育というものが要るらしい。
自分で受けてから応募しないといけないのだろうか。
こんなお悩みに答えていきます。
本記事の内容
- テールゲートリフター(パワーゲート)とは
- 2024年2月から、操作する人に特別教育が必要になった
- 受けさせるのは会社。働く人が知っておくこと
- 自分で受けることはできる?
- 同じ改正で変わったこと(2t以上のトラック)
- 求人と面接で確かめること
- よくある質問
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、32歳で建設業へ移りました。
物流の仕事の最初は、2tトラックでの家具の配送でした。乗っていたトラックには、パワーゲート付きの箱型もありました。
特別教育の決まりは、厚生労働省の資料と、労働安全衛生法・労働安全衛生規則の条文で確かめました。
先に結論を書きます。
テールゲートリフターの特別教育は、会社が働く人に受けさせるものです。これから応募する人が、先に自分で受けておく必要はありません。求人と面接で「入社後に会社で受けられるか」を確かめておけば大丈夫です。
それでは、見ていきましょう。
テールゲートリフター(パワーゲート)とは
荷台の後ろについている昇降機
テールゲートリフターは、トラックの荷台の後ろについている、荷物を載せて上げ下げする板(昇降板)です。「パワーゲート」とも呼ばれ、この記事でも同じものとして書きます。
重い荷物を、人が持ち上げずに、地面と荷台の高さの間で上げ下げできます。
私は家具や台車の荷物で使っていた
パワーゲートで上げ下げしていたのは、大きい家具と、台車やカゴ台車に載せた荷物です。操作は、主に私がしていました。使い方は、運転手や先輩に現場で教わりました。
倉庫で主任をしていたころも、パワーゲート付きのトラックの荷下ろしを見ることがたまにありました。
家具の配送そのものの大変さは、こちらにまとめています。
2024年2月から、操作する人に特別教育が必要になった
いつから・誰に
労働安全衛生規則(働く人の安全を守るための国の決まり)が改正され、2024年(令和6年)2月1日から、荷の積み下ろしでテールゲートリフターを操作する人に、特別教育が必要になりました。
特別教育は、危ない仕事をさせる前に、会社が働く人に行う安全のための教育です。フォークリフトの「技能講習」とは別のもので、免許証のようなカードが国から出るものではありません。
「操作」に入るもの
厚生労働省の資料では、「操作」にはスイッチで上げ下げすることだけでなく、次のことも入るとされています。
- 稼働スイッチの操作
- キャスターストッパー(台車が転がり落ちないよう止める部品)の操作
- 昇降板を広げる・しまう操作
運転手か助手かに関係なく、これらを行う人が対象です。
時間と中身:学科4時間・実技2時間
| 教育 | 科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 学科 | テールゲートリフターに関する知識(種類・構造・取り扱い・点検と整備) | 1.5時間 |
| 学科 | テールゲートリフターによる作業に関する知識(荷と台車の扱い・保護具・災害防止) | 2時間 |
| 学科 | 関係法令 | 0.5時間 |
| 実技 | テールゲートリフターの操作の方法 | 2時間 |
合わせて6時間です。
受けさせるのは会社。働く人が知っておくこと
教育を行うのは会社の義務
労働安全衛生法では、危ない仕事に働く人をつかせるときは、事業者(会社)が特別の教育を行わなければならないと決められています。テールゲートリフターの操作も、この仕事に加わりました。
教育は、会社の中で行っても、外部の講習に任せてもかまいません。
同じように会社が受けさせる特別教育には、高所作業車(作業床の高さ10m未満)の運転もあります。くわしくは高所作業車の資格の記事にまとめています。
受けさせずに操作させると、罰則があるのは会社側
会社が特別教育をせずに操作させた場合、労働安全衛生法の罰則は「6か月以下の拘禁刑(こうきんけい)または50万円以下の罰金」です。拘禁刑は、2025年6月から「懲役」に代わって使われている刑罰の名前です。
この罰則は、教育を行う義務がある会社側への決まりです。
会社は記録を3年間残す
特別教育を行った会社は、受けた人・科目などの記録を作り、3年間保存することになっています。
前から操作していた人は、一部を短くできる
2024年2月1日の時点で、テールゲートリフターの操作の仕事を6か月以上していた人は、次のように短くできます。
- テールゲートリフターに関する知識:45分以上でよい
- 操作の方法(実技):1時間以上でよい
- 作業に関する知識・関係法令:短くできない
ほかにも、国の荷役作業のガイドラインにもとづく教育や、陸上貨物運送事業労働災害防止協会(陸災防)の講習を受けた人は、科目の一部を省略できます。
自分で受けることはできる?
個人で申し込める講習もある
特別教育は会社が行うものですが、外部の講習機関の中には、個人の申し込みを受け付けているところもあります。学科をオンラインで受けられる講習もあります。
ただし、実技は実際のテールゲートリフターを操作する教育です。申し込む前に、実技をどこで、どう受けるのかを講習機関に確かめてください。費用も講習機関によって違います。
応募の前に受けておく必要はない
教育を行うのは会社の義務なので、これから応募する人が、先に自分で受けておく必要はありません。
私は、自分でお金を払って受ける前に、まず求人と面接で「入社後に会社で受けられるか」を確かめることを勧めます。
建設業でも、特別教育の費用は会社持ちが原則です。私が建設業に入ってから受けた4つの特別教育(足場・フルハーネス・低圧電気・石綿)は、建設業の特別教育の記事にまとめています。
同じ改正で変わったこと(2t以上のトラック)
2023年10月から、昇降設備とヘルメット
特別教育と同じ改正で、2023年10月1日から、最大積載量2トン以上5トン未満のトラックにも、次の決まりが広がりました。
- 荷の積み下ろしのときに、荷台へ上り下りするための昇降設備(踏み台や、車についているステップなど)を会社が用意する
- 平ボディ・ウイング車など荷台の横が開くトラックや、テールゲートリフター付きのトラックでは、荷の積み下ろしのときにヘルメット(墜落時保護用)をかぶらせる(リフターを使わずに積み下ろす場合などは対象外)
テールゲートリフターを踏み台に使うとき
厚生労働省の資料では、テールゲートリフターを上り下りに使う場合は、途中の高さで止めてステップとして使うこと、原則として昇降板に人を乗せたまま上げ下げしないことが書かれています。
積み込みを誰がするか、荷物の積み方の話は、こちらにまとめています。
求人と面接で確かめること
パワーゲート車かどうかは、求人で分かることが多い
パワーゲートを使う仕事かどうかは、求人の「車両」や「こだわり条件」の欄に書かれていることがあります。
面接で聞いておきたいこと
- 乗る車にパワーゲートがついているか
- 特別教育は入社後に会社で受けられるか(社内か外部の講習か)
- 前の会社で受けた人は、受けたことを伝える(省略するかどうかは、転職先の会社が決める)
前の会社で受けた特別教育について、労働安全衛生規則では、会社は「十分な知識と技能がある」と認めた人について、その科目を省略できるとされています。修了証など受けたことが分かるものがあれば、持っていくと話が早くなります。
求人サイトの条件で絞る
ドライバー専門の求人サイトには、車の設備で求人を絞り込めるものがあります。
たとえばドラEVERでは、「かご車・パワーゲート」の条件で求人を探せます。条件で候補をしぼり、気になる求人は面接で「特別教育は会社で受けられるか」を確かめる。この順番がおすすめです。
よくある質問
Q. テールゲートリフターの特別教育は、資格や免許ですか?
A. 免許や国家資格ではありません。会社が働く人に行う安全のための教育です。履歴書の資格欄に書くなら、免許と取り違えられないよう「テールゲートリフター特別教育 修了」と、特別教育だと分かる書き方にするのがおすすめです。職務経歴書の書き方は、ドライバーの職務経歴書の記事にまとめています。
Q. 2t未満の小さいトラックでも必要ですか?
A. 厚生労働省の資料では、特別教育の対象は「荷を積み下ろす作業でテールゲートリフターを操作する人」で、車の大きさの条件は書かれていません。2トン以上5トン未満の条件がついているのは、上で書いた昇降設備とヘルメットの決まりです。
Q. 助手で、スイッチを押すだけでも必要ですか?
A. スイッチの操作や、昇降板を広げる・しまう操作をするなら対象です。運転手か助手かでは決まりません。
Q. 2tトラックの運転そのものが不安です。
A. 2tの運転で最初に難しかったことと慣れ方は、こちらにまとめています。
まとめ:特別教育は会社で受けるもの。求人と面接で確かめる
今回は、テールゲートリフター(パワーゲート)の特別教育についてまとめました。
要点は、下記のとおりです。
- 2024年2月から、荷の積み下ろしでテールゲートリフターを操作する人に特別教育が必要
- 中身は学科4時間・実技2時間。スイッチだけでなく、昇降板を広げる・しまう操作も「操作」に入る
- 教育を行うのは会社の義務。受けさせずに操作させた場合の罰則は会社側
- 応募の前に自分で受けておく必要はない
- 同じ改正で、2t以上5t未満のトラックにも昇降設備とヘルメットの決まりが広がった(2023年10月から)
- 面接では、パワーゲートがつくか・特別教育は会社で受けられるかを聞く
パワーゲートがあると、重い荷物を持ち上げずにすみます。仕組みと決まりを知っておけば、「パワーゲート車」と書かれた求人にも安心して応募できます。
パワーゲートを使う仕事を探すなら、車の設備の条件で求人を絞ってから比べると、自分に合う会社を見つけやすくなります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 厚生労働省「トラックでの荷役作業時における安全対策が強化されます。」(特別教育の科目と時間・省略できる人・昇降設備と保護帽・テールゲートリフターを踏み台に使うとき/2026年9月27日確認)
- 厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令等の施行等について」(基発0328第5号)(科目の省略)
- 厚生労働省「労働安全衛生法における特別教育の概要」(教育の実施主体・労働安全衛生規則 第37条・第38条)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(第59条第3項・第119条/2026年9月27日確認)

