電気工事の仕事はきつい?物流から入った私は「体より頭」が疲れた。見習いがやめる理由と、入る前に確かめること
物流の仕事より、体はきついのかな。
こんなお悩みに答えていきます。
本記事の内容
- 物流と電気工事は、きつさの種類が違う
- 見習いのころ、いちばん苦労したこと
- 夏と冬の現場と、会社がやる熱中症対策
- 見習いがやめる理由と、入る前に確かめること
- それでも入ってよかったこと
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、32歳で建設業へ移りました。いまは電気工事が中心の会社で、現場の管理と営業をしています。
移ったばかりのころは現場の人が足りず、手伝いで現場に出て、見習いとして作業もしていました。いまも、管理の合間にときどき作業を手伝います。
先に結論を書きます。
私が感じた電気工事のきつさは、体よりも「頭の疲れ」でした。 物流では積み下ろしで体がきつかったのに対して、電気工事は考えることが多く、慣れるまでは気持ちが疲れやすかったです。
作業をした側と、いま管理している側の両方から、きつさの中身を書いていきます。
それでは、見ていきましょう。
物流と電気工事は、きつさの種類が違う
物流と電気工事、どちらもした私の感じ方を、表にまとめます。
| 物流(倉庫・ドライバー) | 電気工事(見習い) | |
|---|---|---|
| きつかったところ | 積み下ろしのときの体 | 考えることが多く、気持ちが疲れる |
| 仕事の進め方 | 一人でする仕事が多い | 職人さんと同じ現場で動く |
物流の仕事は一人でする場面が多く、積み下ろしでは体のきつさを感じました。
電気工事では、考えること、頭を使うことが多くありました。体より先に、気持ちのほうが疲れやすいと感じました。
ただし、体を使わない仕事ではありません。私が見習いのころにした作業は、下記のとおりです。
- 材料運びと片付け
- 穴あけ
- ケーブルを通す手伝い
どれも、資格がなくてもできる作業です。資格がないとできない作業との線引きや、未経験の人がつらくなりやすい「覚えることの多さ」は、電気工事の会社に未経験で入ったときの最初の仕事にまとめています。
見習いのころ、いちばん苦労したのは職人さんとの関係
見習いのころ、いちばん苦労したのは、作業そのものではなく職人さんとの関係でした。
職人さんは、口数の少ない人が多かったからです。
物流は一人でする仕事が多かったのに対して、電気工事の現場では職人さんと一緒に動きます。その職人さんに口数の少ない人が多く、苦労しました。
これから入る人は、「職人さんは口数の少ない人が多い」と先に知っておくだけでも、心の準備ができます。
ただ、口数の少なさに慣れることと、職人さんに認めてもらうことは別でした。建設業に移ったばかりのころ、私は職人さんに相手にされない時期がありました。態度が変わったのは、営業として仕事を取ってくるようになってからです。そのときの話は、こちらに書いています。
夏と冬の現場と、会社がやる熱中症対策
夏は空調服、冬は防寒ジャンバー
私は、夏はファン付きの空調服、冬は防寒ジャンバーを着て作業していました。
空調服は、服に付いた小さなファンで、服の中に風を送る作業着です。
建設業は、熱中症で亡くなった人がいちばん多い業種
厚生労働省のまとめでは、2025年に仕事中の熱中症で4日以上休んだ人と亡くなった人は、合わせて1,803人でした(前の年は1,257人)。
業種別では、製造業の365人に次いで、建設業が292人です。亡くなった19人のうち、建設業は5人で、いちばん多い業種でした。
2025年6月から、会社の熱中症対策が義務になった
2025年6月1日から、法律(労働安全衛生規則)が変わり、会社は熱中症対策をすることが義務になりました。
対象になるのは、WBGT(暑さ指数)が28度以上、または気温が31度以上の場所で、続けて1時間以上か、1日4時間を超えてする作業です。WBGTは、気温だけでなく湿気や日差しも入れて暑さを表す数字です。
会社がすることは、下記のとおりです。
- 熱中症かもしれない人を見つけたときに、報告する先と方法を決めておく
- 作業から外す・体を冷やす・病院へ連れていくなど、悪くさせないための手順を決めておく
- 決めたことを、作業する人に知らせておく
夏の現場に入る仕事なら、面接でこの決まりにどう取り組んでいるか、空調服などの暑さ対策はどうしているかを聞いておくと安心です。
見習いがやめる理由は「想像と違った」
管理する側から見て、多い気がする理由
いま管理する側として見ていて、見習いの人がやめてしまう理由は、「想像と違った」が多い気がします。
入ってからの「こんなはずじゃなかった」を減らすには、入る前に仕事の中身を確かめておくことです。
入る前に確かめること3つ
求人を見るときや面接で、次の3つを確かめておくことを勧めます。
- 最初の数か月は、どんな作業をするのか(材料運びや片付けなどの手伝いが中心か)
- 夏と冬の現場で、どんな対策をしているか
- 入る前に、現場や会社を見せてもらえるか
特に3つ目は、「想像と違った」を減らすのに役立ちます。見学ができれば、職人さんの様子や、現場の暑さ・寒さも自分の目で確かめられます。
ほかに確かめたいこと(資格を取るように言われるか、誰について仕事を覚えるか、どんな建物の工事が多いか)は、最初の章で紹介した記事に書いています。
40代で入ることを考えている人に向けて、若い人と差がつくところと、採用で見ていることを40代・未経験から電気工事士は遅い?の記事にまとめています。
女性の方に向けて、現場で女性がしている仕事や、働く女性を守る法律の決まりを電気工事士は女性でもなれる?の記事にまとめています。
応募するときに、志望動機に何を書けばいいかは、電気工事の志望動機の記事にまとめています。
電気・設備の仕事の求人は、専門の転職サイトで探す方法もあります。ELECAREER(エレキャリア)には「未経験歓迎」の求人をまとめたページがあり、地域でも絞り込めます。
それでも電気工事に入ってよかったこと
きつさはあっても、私が電気工事に入ってよかったと思うのは、暮らしを支える仕事で、なくなることはないと思えることです。そこが安心です。
数字でも見ておきます。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」の「電気工事士」では、有効求人倍率が3.84でした。
※有効求人倍率は、仕事を探す人1人に対して、求人が何件あるかを表す数字で、採用されやすさを保証するものではありません。また、ハローワークの求人統計であり、民間の求人サイトの募集は含まれていません。job tagの数字は職業の分類ごとの統計で、電気工事士だけの数字とは限りません。
電気工事の会社には、工事をする人のほかに、現場を管理する仕事もあります。私がしている管理の仕事のきつさと、やりがいは、こちらにまとめています。
よくある質問
Q. 体力に自信がありません。電気工事は無理でしょうか?
A. 私が感じたのは、物流の積み下ろしのような体のきつさより、考えることが多い頭の疲れでした。ただ、材料運びなど体を使う作業もあります。体の負担が心配なら、面接で最初の数か月の作業を聞いておいてください。
Q. 資格がなくても、電気工事の会社に入れますか?
A. 資格がなくても入れる会社はあります。資格がないとできない作業と、入ってから資格を取る流れは、最初の章で紹介した記事にまとめています。
Q. 口数の少ない職人さんと、うまくやれるか不安です。
A. 私も見習いのころ、いちばん苦労したのがそこでした。私の場合は、数週間ほどで慣れました。
Q. 第二種電気工事士を持っていると、転職で有利になりますか?
A. 資格を取って、選べる求人や資格手当がどう変わったかは、こちらに書いています。
まとめ:きつさの中身を知ってから入れば、「想像と違った」は減らせる
今回は、電気工事の仕事のきつさを、見習いとして作業した側と、いま管理している側の両方からまとめました。
要点は、下記のとおりです。
- 物流は体、電気工事は頭。きつさの種類が違う
- 見習いのころにいちばん苦労したのは、口数の少ない職人さんとの関係。数週間ほどで慣れた
- 建設業は、2025年に熱中症で亡くなった人がいちばん多い業種。2025年6月から会社の対策が義務になった
- 見習いがやめる理由は「想像と違った」が多い気がする。入る前に、最初の作業・暑さ寒さの対策・見学できるかを確かめる
きつさの中身を先に知っておけば、入ってからの「こんなはずじゃなかった」は減らせます。気になる会社があれば、まずは求人を並べて、仕事の中身を比べてみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 厚生労働省「2025年(令和7年)職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」(2026年9月28日確認)
- 厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について」(基発0520第6号・令和7年5月20日)(2026年9月28日確認)
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「電気工事士」(有効求人倍率=令和7年度ハローワーク求人統計/2026年9月28日確認)

