大型免許に補助金はある?トラック協会の助成と個人で使える制度、会社負担で取るときの確認ポイント
補助金って、自分でも使えるのかな。
トラック協会が助成してるって聞いたけど、どうやって申し込むんだろう。
こんなお悩みに答えていきます。
本記事の内容
- 大型免許の「補助金」は4種類。個人が申請できるのはどれか
- トラック協会の助成は、会社が申請する制度
- 協会によって条件が違う(神奈川・千葉・熊本の例)
- 個人で使える制度:教育訓練給付金と、県の補助
- 会社負担で免許を取れる会社を選ぶときの確認ポイント
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、いまは建設業で現場の管理をしています。大型免許は2018年ごろに合宿で取りました。
制度の部分は、都道府県のトラック協会・全日本トラック協会・山形県・厚生労働省の公式ページで確認して書いています。
結論から言うと、大型免許の「補助金」と呼ばれるもののうち、個人が自分で申請できるのは、教育訓練給付金と一部の県の補助です。トラック協会の助成は、会員の運送会社が申請する制度です。
だから個人にできるのは、自分で使える制度を確かめることと、会社の負担で免許を取らせてくれる会社を選ぶことの2つです。
それでは、見ていきましょう。
大型免許の「補助金」は4種類。個人が申請できるのはどれ?
「大型免許 補助金」で調べると、いろいろな制度の名前が出てきます。まず、誰が申請するのかで分けると整理しやすくなります。
| 制度 | 申請する人 | 中身 |
|---|---|---|
| 教育訓練給付金(国) | 個人 | 条件を満たすと、教習費用の一部が戻る |
| 県の補助(例:山形県) | 個人(会社も可) | 県内で運転の仕事をする人の取得費用の一部を補助 |
| トラック協会の免許取得助成 | 会員の運送会社 | 従業員の取得費用の一部を会社に助成 |
| 人材開発支援助成金(国) | 会社 | 従業員に訓練を受けさせた会社に、経費などの一部を助成 |
※県の補助は、どの県にもあるわけではありません。
下の2つは、基本的に会社が申請する制度です。そして、会社がこうした制度を使って、従業員の免許の費用を出していることがあります。ここが、個人にとっての使い道です。
トラック協会の助成は「会社が申請する」。条件は協会ごとに違う
トラック協会は都道府県ごとにあり、それぞれが免許取得の助成をしています。申請するのは、協会に入っている運送会社です。
ただし、金額も条件も協会ごとに違います。公式ページで確認できた3つを並べます。
| 協会 | 大型免許の助成 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 神奈川県トラック協会(令和8年度) | 費用の2分の1、上限15万円 | 会員の会社の県内事業所の従業員が、指定自動車教習所で取得。申請の時点で在職していること |
| 千葉県トラック協会(令和8年1〜12月に取得) | 1人12万円 | 会社が費用を全額負担したものだけが対象。本人が払ったものは対象外 |
| 熊本県トラック協会(2025年5月改正の要綱) | 上限7万円(Gマーク取得事業者は8万円) | 在籍中の運転者は免許取得後1年以内に請求。免許を取ってから会員の会社に入った人も、入社日前1年以内に取った免許なら対象。入社後1年以内に辞めないことに同意が必要 |
※神奈川は予算に達すると、期間内でも受付が終わります。熊本も、協会の予算額に達した時点で終わります。
見てのとおり、千葉は「会社が全額払ったもの」だけ、熊本は「自分で払って取ってから入社した人」も対象と、正反対に近い違いがあります。自分の住む地域の協会の条件は、各協会のページで確かめてください。
全日本トラック協会の助成は、特例教習と準中型が中心
全日本トラック協会も、令和8年度に「若年ドライバー等確保のための運転免許取得支援助成事業」を行っています。
対象は、会員の会社が新しく運転者として採用した人の特例教習(修了すると、19歳以上・運転経歴1年以上で大型などの受験資格を得られる教習)、準中型免許、外国免許の切り替え講習です。会社が費用を負担した場合に限られます。
大型免許をふつうに取る費用は、この事業の対象には挙がっていません。19歳から大型を目指す人の特例教習については、こちらの記事で詳しく書いています。
人材開発支援助成金は、会社向けの国の制度
厚生労働省の「人材開発支援助成金」は、従業員に仕事に必要な訓練を受けさせた会社に、訓練の経費などの一部を助成する制度です。これも申請するのは会社です。
個人で使える制度は、教育訓練給付金と県の補助
教育訓練給付金
個人で使えるいちばん大きな制度は、雇用保険の教育訓練給付金です。大型免許の教習は対象の講座になっていることがあり、講座の種類によって、教習費用の20%(上限10万円)、または40%(上限20万円・条件を満たすと50%、上限25万円)が戻ります。通う教習所の講座が対象かどうかは、事前に確かめる必要があります。
ただし、受講を始める前にハローワークで手続きが必要など、順番を間違えると使えません。条件と手続きは、こちらの記事にまとめています。
県の補助(山形県の例)
県が独自に補助をしていることもあります。たとえば山形県の「令和8年度山形県大型免許等取得支援事業費補助金」は、個人も申請できます。
- 対象:令和8年4月1日から令和9年2月28日までに費用を払って大型免許などを取り、その免許を使って県内で運転の仕事をしている人
- 金額:対象になる費用の2分の1か、11万円の、低いほう
- 対象になる費用:入学金、適性検査料、学科・技能の教習料、効果測定料、教材費、写真代、検定料
注意したいのは、教育訓練給付金を受けた人は対象外になることです。また、全日本トラック協会や山形県トラック協会の助成などを受けた場合は、その分を差し引いて計算します。
つまり、使える制度を全部足せるわけではありません。どれを使うかは、申し込む前に決めておく必要があります。
自分の県に同じような補助があるかは、「県名 大型免許 補助金」で県のホームページを探すと見つけやすくなります。
自分で取るなら、合宿も比べておく
会社の負担がなく自分で取る場合は、費用と日数のどちらを優先するかで、合宿と通学のどちらがいいかが変わります。合宿は短い期間で取れる反面、まとまった休みが必要です。
合宿と通学の費用の比べ方は、こちらで詳しく書いています。
会社負担で免許を取れる会社を選ぶときの確認ポイント
トラック協会の助成は会社が申請するものなので、個人がその恩恵を受ける近道は、免許の費用を会社が出してくれる会社に入ることです。
私の職場にも、会社負担で免許を取れる制度がありました
私が大型免許を取ったあとに勤めた会社には、会社が費用を出して免許を取らせる制度がありました。職場には、会社の負担で大型や中型の免許を取った同僚もいました。
転職先を探していたときも、求人の「免許取得支援あり」という書き方は気にして見ていました。
求人の「免許取得支援あり」で確認したい5つのこと
「免許取得支援あり」と書いてあっても、中身は会社によって違います。応募の前か面接で、次の5つを確認しておくと安心です。
- ① 会社が出すのは全額か、一部か
- ② いつ取らせてもらえるのか(入社してすぐか、一定の期間働いてからか)
- ③ 教習所は決められているか(合宿か通学か、自分で選べるか)
- ④ 取ってすぐ辞めた場合、どうなるのか(費用を返す決まりがあるか)
- ⑤ 入社前に自分で取った免許の費用も対象になるか
4つ目は、聞きにくくても確認しておきたいところです。トラック協会の助成にも、神奈川のように「申請の時点で在職していること」、熊本のように「入社後1年以内に辞めないことに同意する」といった条件があります。会社の決まりも、入社前に書面で確かめておくと、あとで困りません。
5つ目は、熊本のように「自分で取ってから入社した人」も助成の対象にしている協会があるためです。先に自分で取るか、入社してから取らせてもらうかで迷っているなら、聞いておく価値があります。
応募しなくても、どんな会社が「免許取得支援」を出しているかを見るだけで、比べる材料になります。
よくある質問
在職中でも補助金は使えますか?
教育訓練給付金は、在職中でも条件を満たせば使えます。トラック協会の助成は、そもそも会員の会社に勤めている従業員が対象です。山形県の補助は、「県内で運転の仕事をしていること」が条件なので、在職中の人が対象になります。
トラック協会に個人で問い合わせれば、助成を受けられますか?
多くの協会では、申請するのは会員の会社です。個人が直接申請する形ではありません。助成の対象になる人の条件にも違いがあり、熊本県トラック協会のように、自分で取ってから会員の会社に入った人を対象に含める協会もあります。条件は協会ごとに違うので、住んでいる地域の協会のページで確認してください。
トラック協会の助成で、大型免許を無料で取れますか?
トラック協会の助成は会社に支払われるもので、個人が受け取って無料になる仕組みではありません。金額も、神奈川県トラック協会なら費用の2分の1(上限15万円)、千葉県トラック協会なら1人12万円と、費用の一部です。
費用をかけずに取りたいなら、免許の費用を会社が全額出してくれる求人を探すのが近道です。千葉県トラック協会のように、会社が全額負担した場合だけを助成の対象にしている協会もあります。全額か一部かは、上の「確認したい5つのこと」の①で確かめてください。
教育訓練給付金と、ほかの補助は一緒に使えますか?
制度によります。山形県の補助は、教育訓練給付金を受けた人は対象外です。会社が費用を出す場合の給付金との関係も、条件によって変わります。使う前に、それぞれの窓口(ハローワーク・県・会社)で確認してください。
まとめ|「誰が申請する制度か」で分けると迷わない
- 個人が申請できるのは、教育訓練給付金と、一部の県の補助
- トラック協会の助成は会社が申請する。条件は協会ごとに違い、「会社が全額負担したものだけ」「自分で取ってから入社した人も対象」など正反対のこともある
- 制度は全部足せるわけではない。山形県の補助は、給付金を受けた人は対象外
- 会社負担で取りたいなら、「免許取得支援あり」の中身(全額か・いつ・辞めたら返すか)を入社前に確認する
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
大型免許の費用は、どの制度を使えるかで大きく変わります。先に「誰が申請する制度か」を確かめてから動いてください。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 神奈川県トラック協会「令和8年度 免許・資格取得費用助成事業」(2026年9月16日確認)
- 千葉県トラック協会「中型・大型・けん引免許取得費用助成」(2026年9月16日確認)
- 熊本県トラック協会「大型・中型・準中型・けん引免許取得助成」・同「交付要綱(令和7年5月14日改正)」(2026年9月16日確認)
- 全日本トラック協会「令和8年度若年ドライバー等確保のための運転免許取得支援助成事業について」(2026年9月16日確認)
- 山形県「令和8年度山形県大型免許等取得支援事業費補助金」(2026年9月16日確認)
- 厚生労働省「人材開発支援助成金」(2026年9月16日確認)
