大型免許は教育訓練給付金でいくら戻る?条件と手続きを解説
給付金が使えるらしいけど、対象になるのかどうか分からないな。
手続きを間違えて、もらえなくなるのも怖い。
こんなお悩みを解決していきます。
本記事の内容
この記事でお伝えする内容は、下記のとおりです。
- 大型免許は教育訓練給付金の対象になる
- 大型免許で戻る金額はいくら?給付率と上限額
- 教育訓練給付金を受け取る条件と手続き
- 大型免許を取る前に確認したい3つのこと
制度の名前が難しいだけで、やること自体は多くありません。
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、32歳で建設業へ転職しました。
大型免許とフォークリフト免許を保有しており、大型免許は2018年ごろに取得しています。
この記事の制度の内容は、すべて厚生労働省とハローワークの公式情報で確認しました。
数字には確認日を付けているので、あとから見直すこともできます。
数十万円かかる教習費用を前に、手が止まってしまいますよね。
先に正直なことを書きます。
私はこの制度を使えないまま、全額自腹で大型免許を取りました。
だからこそ、あなたには先に知っておいてほしいと思っています。
結論から言うと、大型免許は教育訓練給付金の対象講座に入っており、条件を満たせば最大25万円が戻ります。
ただし、申し込む順番を間違えると1円も戻りません。 ここが一番大事なところです。
先に手続きの順番を押さえ、教習を受けたあとも、期限内に申請してください。
先に、目的に合わせた読む場所を置いておきます。
- 費用をできるだけ抑えたい人は、給付金を受け取る条件と手続きから
- まとまった休みが取れる人は、合宿で取るときの給付金と費用へ
- 大型とけん引を一緒に取りたい人は、セットで取ると自己負担はいくらかの記事へ
それでは、さっそく見ていきましょう。
大型免許は教育訓練給付金の対象になる
まず、制度の全体像を3つに分けて確認します。
- 大型自動車第一種免許は指定講座に入っている
- 教育訓練給付金には3つの種類がある
- 通う教習所が対象かは検索システムで確認する
1つずつ解説していきますね。
大型自動車第一種免許は指定講座に入っている
結論、大型免許は教育訓練給付金の対象です。
なぜなら、厚生労働省が公表した特定一般教育訓練の指定講座に、大型自動車第一種免許が明記されているからです。
令和8年10月1日付けの指定では、新規151講座が追加されました。
これまでの指定分と合わせると、特定一般教育訓練の給付対象講座は同時点で1,532講座です(大型免許以外の講座も含む数です)。
ただし、対象なのは「制度として大型免許が指定されている」という話です。
あなたが通おうとしている教習所の講座が指定されているかは、別に確認が必要です。
教育訓練給付金には3つの種類がある
意外かもしれませんが、教育訓練給付金はひとつの制度ではありません。
なぜなら、訓練の内容に応じて3種類に分かれており、戻る割合がそれぞれ違うからです。
※スマホでは横にスクロールできます。
| 種類 | 基本の給付率 | 基本の上限額 |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 経費の20% | 10万円 |
| 特定一般教育訓練 | 経費の40% | 20万円 |
| 専門実践教育訓練 | 経費の50% | 年間40万円 |
※厚生労働省「教育訓練給付金」をもとに作成
※特定一般教育訓練と専門実践教育訓練は、条件を満たすと給付率が上がります(特定一般は50%・上限25万円。くわしくは次の章で説明します)。
大型免許で関係してくるのは、真ん中の特定一般教育訓練です。
給付率が一般の2倍なので、どちらで指定されている講座かは必ず確認してください。
同じ大型免許でも、教習所やプランによっては一般教育訓練(20%)の指定になっていることがあります(記事の後半で例を紹介します)。
通う教習所が対象かは検索システムで確認する
対象講座かどうかは、厚生労働省の検索システムで調べられます。
なぜなら、指定は講座ごとに行われており、同じ大型免許でも教習所によって扱いが違うからです。
検索システムでは、学校名や講座名、分野・資格名から探せます。
指定講座は年に2回入れ替わるため、申し込む直前に調べ直してください。
去年は対象だった講座が、今年は外れている場合があります。
大型免許で戻る金額はいくら?給付率と上限額
戻る金額は、次の2段階で決まります。
- 基本は教育訓練経費の40%(上限20万円)
- 条件を満たすと50%(上限25万円)に上がる
順番に見ていきます。
基本は教育訓練経費の40%(上限20万円)
特定一般教育訓練では、教育訓練経費の40%が訓練修了後に支給されます。
上限は20万円です(厚生労働省「教育訓練給付金」より)。
ここでいう教育訓練経費とは、入学料や受講料などを指します。
何が経費に含まれるかは講座によって違うため、教習所とハローワークの両方で確認してください。
条件を満たすと50%(上限25万円)に上がる
ここでよく聞かれるのが、50%になる条件は何かという点です。
免許を取ったうえで、次のどちらかに当てはまると、給付率が50%(上限25万円)へ上がります(ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」より)。
- 訓練修了日の翌日から1年以内に、雇用保険の被保険者として雇われた
- 会社に勤めたまま(雇用保険に入ったまま)受講して、免許を取った
つまり、いまの会社で働きながら通った人は、転職しなくても50%の対象になります。
会社を辞めてから通う人は、訓練修了日の翌日から1年以内に、雇用保険に入る仕事に就くことが条件です。
戻る金額の早見表
給付率から計算した金額です。
※スマホでは横にスクロールできます。
| 教育訓練経費 | 40%の場合 | 50%の場合 |
|---|---|---|
| 20万円 | 8万円 | 10万円 |
| 30万円 | 12万円 | 15万円 |
| 40万円 | 16万円 | 20万円 |
| 50万円 | 20万円(上限) | 25万円(上限) |
※この表は給付率から計算した金額であり、教習所の実際の受講料ではありません。金額は2026年8月1日時点の制度にもとづきます。
経費が50万円を超えても、戻る金額は上限で止まります。
正確な金額は、教習所の見積りとハローワークの窓口で確認してください。
教育訓練給付金を受け取る条件と手続き
この章が、この記事で一番大事な部分です。
手続きの順番を間違えると、条件を満たしていても1円も戻りません。
- 雇用保険に3年以上入っている(初めてなら1年以上)
- 受講開始日の2週間前までにハローワークで手続きする
- 修了日の翌日から1か月以内に申請する
順番に確認していきます。
雇用保険に3年以上入っている(初めてなら1年以上)
まず確認するのは、雇用保険の加入期間です。
なぜなら、この制度は雇用保険に入って働いてきた人のための給付だからです。
必要な期間は、下記のとおりです。
- 通常:雇用保険に加入していた期間が3年以上
- 初めて利用する場合:1年以上あれば受給可能(ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」より)
物流業で数年以上働いてきた人なら、多くが当てはまる条件です。
ただし、加入期間の数え方には細かい決まりがあるため、必ずハローワークで確認してください。
受講開始日の2週間前までにハローワークで手続きする
ここが一番の落とし穴です。
特定一般教育訓練では、受講を始める前に手続きが必要です。
必要なのは、下記の流れです。
- 訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受ける
- 就業の目標などを記載した「ジョブ・カード」の交付を受ける
- 受講開始日の2週間前までに、ハローワークで受給資格確認の手続きをする
つまり、教習所へ先に申し込んで通い始めてしまうと、条件を満たしていても給付を受けられません。
教習所を決めたら、申し込む前にハローワークへ行ってください。
キャリアコンサルティングの予約にも日数がかかるため、余裕をもって動くことをおすすめします。
この順番を守り、教習を受けたあとも期限内に申請してください。
私が大型免許を取ったのは2018年ごろです。
このとき、教育訓練給付金を使うことができませんでした。
いま振り返って一番悔やまれるのは、金額そのものより、制度があるかどうかを調べもしなかったことです。
調べるだけなら1日もかかりません。
同じ順番でつまずいてほしくないので、この記事では手続きの話を先に書きました。
修了日の翌日から1か月以内に申請する
最後に、修了後の申請期限を押さえます。
支給申請は、訓練修了日の翌日から起算して1か月以内に、ハローワークで行います。
50%への上乗せ分は、この申請とは別に、免許を取った日と就職した日の遅いほうから1か月以内に、もう一度ハローワークへ申請します(ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」より)。数え始めの日は、最初の申請のときに窓口で確かめておくと安心です。
免許を取り終えると、次の仕事のことで頭がいっぱいになります。
修了した日にカレンダーへ期限を書き込んでおくと、忘れずに済みます。
大型免許を取る前に確認したい3つのこと
給付金の話とは別に、取る前に確認しておきたいことが3つあります。
- 費用は保有免許と教習所で変わる
- 会社の費用負担制度がないか先に確認する
- 免許を取ったあとの働き方まで考える
お金の話だけで決めないための確認です。
費用は保有免許と教習所で変わる
大型免許の費用は、一律ではありません。
なぜなら、いま持っている免許の種類や、通う教習所によって必要な教習時間が変わるからです。
そのため、この記事では相場の金額を書きません。
根拠のない金額を書いても、あなたの実際の負担とは一致しないからです。
見積りは必ず教習所から取ってください。 そのうえで、前章の早見表に当てはめると戻る金額が見えます。
なお、40代・50代でこの費用をかけて間に合うのかが気になる方は、働いている人の年齢と求人の数をまとめた40代・50代から大型免許は遅いかの記事もあわせて見てみてください。
会社の費用負担制度がないか先に確認する
意外と見落とされるのが、いま働いている会社の制度です。
なぜなら、会社が免許取得の費用を負担する仕組みを持っている場合があるからです。
給付金と会社の負担は、条件が重なると調整が必要になることがあります。
順番としては、会社の制度を先に確認し、そのうえでハローワークに相談するのがおすすめです。
どちらが有利かは、負担割合と、その後どれくらい働き続ける約束になるかで変わります。
ちなみに私の場合は、会社の負担はなく全額自己負担でした。
金額が大きかったので、家族にはきちんと話をして、納得してもらってから通い始めました。
トラック協会の助成のように会社が申請する制度や、会社の負担で免許を取れる会社の選び方は、別の記事にまとめています。
免許を取ったあとの働き方まで考える
免許は、取ることではなく使うことが目的です。
なぜなら、大型免許を活かせる仕事は、収入も生活リズムも今と大きく変わる場合があるからです。
私の場合は、倉庫勤務だったころと比べて収入が大幅に上がりました。
ただし、これは私の一例です。
会社や勤務形態によって変わるため、金額を約束するものではありません。
そして、上がったのは収入だけではありませんでした。
扱う車両が大きくなる分、事故を起こしたときの影響も大きくなります。
私自身、大型免許を取ってよかったと思っています。
それでも、責任が重くなる面は先に知っておいてほしいところです。
家族がいる場合は、収入だけでなく勤務時間、休日、そして責任の重さも並べて話し合ってから決めてください。
制度の前に、そもそも今の仕事を続けるかどうかで迷っている方は、物流の仕事を辞めたい40代へを先に読んでください。
合宿でも、給付金の対象になる講座があります
「給付金を使うなら、近くの教習所に通うしかない」と思っていませんか。
実は、合宿の講座にも指定を受けているものがあります。
たとえば静岡の遠鉄自動車学校グループは、大型の合宿について公式サイトで次のように案内しています(2026年9月24日確認)。
- 大型だけを取るプラン:一般教育訓練(経費の20%・上限10万円)
- 大型とけん引をセットで取るプラン(浜松校・磐田校):特定一般教育訓練(この記事で説明してきた制度)
つまり、同じ大型免許でも、プランによって使える制度と戻る割合が変わります。
この記事で説明した40%(条件を満たせば50%)になるのは、特定一般教育訓練で指定された講座だけです。
大型とけん引をセットで取る場合と、別々に取る場合の自己負担は、こちらで計算して比べています。
合宿で給付金を使う場合も、次の点は同じです。
- 会社が費用を払った場合は対象外
- 検定料・写真代・追加の技能教習の料金などは、戻る金額の計算に入らない(遠鉄の案内より)
- 入校の前にハローワークで、自分が対象になるかを確かめる(特定一般教育訓練なら、受講開始日の2週間前までの手続きも必要)
給付金の条件に当てはまらなかった方にとっても、合宿は費用を下げる方法の1つです。
合宿免許の予約サイトDo-Liveの調べ(2026年1月更新)では、普通免許を持つ人の場合、合宿の平均が通学より約4万円安くなっていました(通学10校・合宿7校の平均)。
まとまった休みが取れるなら、合宿で総額を抑えられる場合があります。
合宿と通学の費用差は、大型免許は合宿と通学どっちが安いかの記事でくわしく比べています。
\次の入校日はいつ?/
※給付金を使うなら、入校日を決める前に、ハローワークで手続きにかかる日数を確かめてください。料金・日程・対象のプランは変わることがあります。
大型免許と教育訓練給付金のよくある質問
Q. 教習所に申し込んでから手続きしても間に合いますか?
A. 特定一般教育訓練では、受講開始日の2週間前までにハローワークでの手続きが必要です。
先に受講を始めてしまうと対象外になるため、教習所を決めた段階でハローワークへ相談してください。
Q. どの教習所でも給付金は使えますか?
A. 使えません。厚生労働大臣の指定を受けた講座だけが対象です。
厚生労働省の検索システムで、通おうとしている教習所の講座を確認してください。
Q. 雇用保険に入っていた期間が足りない場合はどうなりますか?
A. 初めて利用する場合は1年以上、それ以外は3年以上が必要です。
期間の数え方には細かい決まりがあるため、足りないと思っても一度ハローワークで確認してください。
Q. 会社を辞めてからでも使えますか?
A. 使える場合があります。条件の1つは、会社を辞めた日の翌日から、受講を始める日までが1年以内であることです(ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」より)。
厚生労働省の案内では、この1年の間に、妊娠・出産・育児・病気・けがなどで受講できない状態が30日以上続いたときは、ハローワークに申し出ると1年を延ばせます。
延ばせるのは、受講できなかった期間の分だけで、最大19年です。
在職中か離職後かで手続きも変わるため、辞める前にハローワークへ相談することをおすすめします。
Q. 仕事を続けながらでも取れますか?
A. 通学と合宿では、必要な日数も通い方も変わります。
通学の場合は、仕事のあとや休日に通って数か月かかることが多く、合宿の場合は十数日から取得できます。
必要な教習時間は、保有している免許によって変わります。
働きながら通う場合は期間が長くなるぶん、受講開始2週間前までの手続きにも余裕をもって動けます。
Q. 免許を取ったのに転職しなかったら、給付金は返すことになりますか?
A. 基本の40%(上限20万円)は、転職するかどうかに関係なく、訓練を修了すれば支給の対象になります。
50%(上限25万円)への上乗せは、免許を取ったうえで、訓練修了日の翌日から1年以内に雇用保険の被保険者として雇われた場合か、会社に勤めたまま受講した場合に受けられます(ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」より)。
いまの会社で働きながら通った人は、転職しなくても上乗せの対象です。会社を辞めてから通い、1年以内に雇用保険に入る仕事に就かなかった場合は、上乗せがなく40%のままになります。
まとめ|大型免許は手続きの順番で戻る金額が変わる
今回は、大型免許と教育訓練給付金について解説しました。
要点は、下記のとおりです。
- 大型自動車第一種免許は特定一般教育訓練の指定講座に入っている
- 基本は経費の40%(上限20万円)、条件を満たせば50%(上限25万円)
- 受講開始日の2週間前までにハローワークで手続きしないと対象外になる
- 修了日の翌日から1か月以内に申請する
まずやることは1つだけです。
気になる教習所を決めたら、申し込む前に検索システムで対象講座か調べ、ハローワークに相談してください。
この順番を守り、教習を受けたあとも期限内に申請してください。
私は制度を使えないまま全額自腹で取りましたが、それでも取ってよかったと思っています。
なお、制度の内容は改正されることがあります。この記事の数字は2026年8月1日時点のものなので、申し込む前に必ず最新の情報を確認してください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
申し込むかどうかは、条件を確かめてからで大丈夫です。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 厚生労働省「特定一般教育訓練の指定講座を公表しました(令和8年10月1日付け指定)」(2026年10月15日確認)
- Do-Live「【2026年】大型免許の費用比較!合宿料金vs通学料金」(2026年10月15日確認)
- 厚生労働省「教育訓練給付金」(2026年8月1日確認)
- 厚生労働省「教育訓練給付金 検索システム」(2026年8月1日確認)
- ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」(2026年10月19日確認)
- 厚生労働省「特定一般教育訓練の『教育訓練給付金』のご案内」(2026年10月20日確認)
- 遠鉄自動車学校グループ「教育訓練給付金制度」(2026年9月24日確認)



