リーチとカウンター、フォークリフトはどっちが難しい?両方乗ってわかった違いと慣れ方
立って乗るし、ブレーキも違うらしい。自分にちゃんと乗れるのかな。
こんなお悩みに答えていきます。
本記事の内容
- リーチとカウンターの違い
- どっちが難しい?答えはリーチ
- 現場ではこう使い分けていた
- 資格は同じ。でも講習でリーチに乗るとは限らない
- リーチに慣れるまでに気をつけること
- よくある質問
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、32歳で建設業へ移りました。
倉庫では、カウンター式とリーチ式の両方のフォークリフトに乗っていました。主任のときは、新しく入った人にリーチを教える立場でもありました。
操作の違いは、厚生労働省が公開している講習用の補助テキストで確かめました。
先に結論を書きます。
難しいのはリーチです。車を運転する感覚が、そのままでは使えないからです。
とくに、ブレーキの使い方が車と逆になります。私が教えた人たちも、ブレーキには苦戦していました。
それでも、慣れれば乗れます。 この記事では、どこが違うのか、どう慣れていけばいいのかを順番に書きます。
それでは、見ていきましょう。
リーチとカウンターの違い
まずは、違いを表にまとめます。
| 比べる項目 | カウンター式 | リーチ式 |
|---|---|---|
| 乗り方 | 座って乗る | 立って乗る |
| 進む | アクセルペダルを足で踏む | アクセルレバーを手で倒す |
| 止まる | ブレーキペダルを踏む | ブレーキペダルから足を離す |
| 荷の取り方 | 車体ごと前に進んで、フォークを差し込む | 車体は止めたまま、マストを前に伸ばして差し込む |
| 曲がり方 | 後ろのタイヤで曲がる | タイヤの切れ角が大きく、小回りがきく |
※操作は、厚生労働省の講習用補助テキストの説明です。レバーやペダルの配置は、メーカーや機種によって違います。
マストは、フォーク(荷をすくうツメ)を上げ下げする柱のことです。
カウンター式は、車に近い
カウンター式は、座ってハンドルを握り、ペダルで進んで、ペダルで止まります。
車を運転したことがある人なら、感覚がつかみやすい乗り物です。
名前の「カウンター」は、車体の後ろに付いている重り(カウンタウェイト)のことです。前で荷を持ち上げても倒れないように、後ろで釣り合いを取っています。
ただし、後ろのタイヤで曲がるので、曲がるときの動きは車と違います。
リーチ式は、立って乗る
リーチ式は、運転席に立って乗ります。
講習用テキストの説明では、進むのは手で倒すアクセルレバーで、このレバーが前進と後進の切り替えも兼ねています。
そして、ブレーキペダルから足を離すと、ブレーキがかかって止まります。
車は「踏むと止まる」ですが、リーチは「離すと止まる」。ここが、いちばん大きな違いです。
どっちが難しい?答えはリーチ
結論、難しいのはリーチです。
私はカウンターに先に乗り、あとからリーチに乗りました。リーチで難しかったのは、次の4つです。
- ブレーキが車と逆
- 進むのも曲がるのも、手で操作する
- マストを出したり引いたりする操作がある
- 高い棚に入れる
ブレーキが車と逆
カウンターや車の感覚で乗ると、「止まりたいときに踏む」動きが出てしまいます。
リーチは、踏んでいるあいだ動けて、離すと止まります。体が覚えている動きと逆のことを、とっさにやらないといけません。
ブレーキでつまずくのは、あなただけではありません。
進むのも曲がるのも、手で操作する
カウンターは、進む・止まるを足でやり、手はハンドルとレバーです。
リーチは、進む・曲がる・荷を動かすのが、ほとんど手の操作になります。
そのぶん、覚える操作がカウンターより多くなります。
マストを出したり引いたりする操作がある
カウンターは、車体ごと前に進んでフォークを差し込みます。
リーチは、車体を止めたまま、マストを前に伸ばして差し込みます。 講習用テキストでは、荷を取ったあとも「後ろに下がる前に、先にマストを引っ込める」という順番になっています。
カウンターより、手順が1つ多いと考えると分かりやすいです。
高い棚に入れる
私がリーチで荷を入れていた棚は、4段の高さでした。
高い段への格納も、慣れるまでは難しかったところです。
難しいのは、操作を体が覚えるまでのあいだです。
現場ではこう使い分けていた
リーチとカウンターは、どちらが上というより、使う場所で分かれています。
私の職場では、こう使い分けていました。
| 機種 | 使っていた場面 |
|---|---|
| カウンター式 | トラックへの荷積み・荷下ろし |
| リーチ式 | 棚への格納(荷を棚に入れる作業) |
講習用テキストには、リーチ式について、次のような説明があります。
- タイヤの切れ角が大きいので、小回りがきく
- 濡れた床や滑りやすい床、でこぼこの場所では、タイヤが横に滑り、ブレーキが効きにくくなるので避ける
小回りがきくリーチは、棚と棚のあいだで向きを変える仕事に向いています。
一方で、トラックへの積み下ろしのように車体ごと前後に動く作業は、カウンターで行っていました。
両方乗れると、仕事は探しやすい
私は、カウンターとリーチの両方に乗れる人は、引く手あまただと思っています。
職場によって、使っている機種は違います。どちらにも乗れれば、応募できる職場の幅が広がります。
職務経歴書には「フォークリフト」だけでなく、「カウンター式・リーチ式」と機種まで書くと、採用する側に伝わりやすくなります。
フォークリフトの資格が、どんな仕事で求められているかは、公的なデータでこちらにまとめています。
倉庫と工場で、働き方がどう違うかは、こちらにまとめています。
資格は同じ。でも講習でリーチに乗るとは限らない
リーチ専用の資格はない
フォークリフトの資格は、機種ではなく、持ち上げられる重量で分かれています。
| フォークリフトの最大荷重 | 必要な資格 |
|---|---|
| 1トン以上 | フォークリフト運転技能講習 |
| 1トン未満 | 技能講習、または特別教育 |
リーチ式もカウンター式も同じ資格で乗れます。「リーチの資格」「カウンターの資格」が別にあるわけではありません。
講習では、カウンターにしか乗らないこともある
ただ、資格を取ったからといって、リーチに乗ったことがあるとは限りません。
講習機関によっては、リーチの実技を受けられるところもあります。
たとえば東京技能講習協会は、「カウンタバランスフォークリフトが主要な講習」としたうえで、普通免許などを持っている人向けの31時間のコース(Aコース)なら、リーチフォークリフトも学べると案内しています(2026年9月24日確認)。
リーチに乗る予定があるなら、申し込む前に「リーチの実技はありますか」と講習機関に聞いてみてください。
講習の日数や費用、申し込みの流れは、こちらにまとめています。
リーチに慣れるまでに気をつけること
私は、仕事で乗りながら覚えた
私の場合、リーチは仕事で乗りながら覚えました。空いた時間には、自分でも練習していました。
乗るときにいちばん気をつけていたのは、次の2つです。
- 高さ制限(決められた高さを超えないこと)
- 周りにぶつからないか
空いた時間に練習するときも、職場の許可を取り、周りに人や荷がない場所で行ってください。
リーチの運転のコツ(私が気をつけていたこと)
私がリーチに乗るときに気をつけていたコツは、次の4つです。
- 後ろ向きに走るときは、安全確認を徹底する
- ハンドルは、回しすぎない
- パレットの近くまで来たら、ゆっくり動かす。降りて目で確かめることも大事
- 新しく入った人には、まず前進と後退から練習してもらっていた
講習用テキストの注意点
講習用テキストには、リーチ式を運転するときの注意として、次のことが書かれています。
- 荷を持って走るときは、マストを引き込み、フォークを後ろに傾ける
- マストを前に出したまま(リーチアウトのまま)走らない
- 小回りがきくが、速い速度から急に曲がると、横転や荷崩れのおそれがある。曲がるときは速度を落とす
- 足を車の外に出したり、体を乗り出したりして運転しない。ぶつかったり、はさまれたりする原因になる
- 荷を直すときは、体がレバーに触れてマストが動くことがあるので、キーを切り、車から降りて行う
どれも、リーチが「立って乗る」「手で操作する」乗り物だからこその注意です。
とくに最後の1つは、見落としやすい注意です。体がレバーに当たるだけで、マストは動きます。
よくある質問
Q. カウンターしか乗ったことがありません。リーチの求人に応募してもいいですか?
A. 求人に「リーチ経験者」と書かれている場合は、経験が求められています。応募する前に、未経験でも入れるかを確かめておきましょう。面接では、乗ったことがあるのはカウンターだけだと、正直に伝えるのがいちばんです。
応募書類で、乗っていた種類をどう書くかは、フォークリフトの志望動機の記事にまとめています。
Q. リーチを練習できる場所はありますか?
A. これから資格を取る人は、講習の実技でリーチに乗れる講習機関を選ぶ方法があります。すでに資格がある人は、職場の許可を取って、周りに人や荷がない場所で練習するのが現実的です。
Q. リーチ式とカウンター式で、資格は別に取る必要がありますか?
A. 必要ありません。最大荷重1トン以上なら、どちらもフォークリフト運転技能講習の資格で乗れます。
講習の修了試験で落ちる人がいるのかは、こちらにまとめています。
Q. フォークリフトに乗れると、正社員になりやすいですか?
A. 資格だけで決まるわけではありません。正社員になれるかどうかの分かれ目は、こちらにまとめています。
Q. 運転に慣れたら、フォークリフトの仕事は楽ですか?
A. 慣れても、運転とは別のきつさがあります。私がいちばんきつかったのは、出荷の時間に追われることでした。きつい場面と楽な場面は、フォークリフトの仕事はきつい?の記事にまとめています。
まとめ:リーチは難しい。でも慣れれば乗れる
今回は、リーチ式とカウンター式のフォークリフトの違いと、どっちが難しいかをまとめました。
要点は、下記のとおりです。
- 難しいのはリーチ。立って乗り、手元のアクセルレバーで前後に進み、ブレーキペダルから足を離すと止まる(車と逆)
- カウンターは車に近い。座って、ペダルで進んで、ペダルで止まる
- 現場では、カウンター=トラックへの積み下ろし、リーチ=棚への格納と使い分けていた
- 資格は1つ。でも、講習の実技でリーチに乗るとは限らない。リーチに乗るなら、実技があるか講習機関に聞く
- 慣れるまでは、高さ制限と周りにぶつからないかに気をつける。荷を直すときはキーを切って降りる
リーチに苦戦するのは、あなただけではありません。
焦らず、ひとつずつ体に覚えさせていけば、ちゃんと乗れるようになります。
フォークリフトに乗ってきた経験は、倉庫だけでなく工場でも使える場面があります。工場でも、材料や製品をフォークリフトで運ぶ現場があるからです。
派遣の求人サイト「ジョブリンク」では、キーワード欄に「フォークリフト」と入れると、倉庫や工場でフォークリフトを使う求人を探せます。カウンターかリーチかは求人ごとに違うので、応募の前に確かめてください。
\通える範囲で乗れる所は?/
※求人は登録しなくても見られます。会員登録がまだの人は、応募するときに連絡先などを入力し、無料の会員登録と応募を一緒に行います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 厚生労働省「技能講習補助教材」(フォークリフト運転技能講習 補助テキスト:運転資格の区分・リーチフォークリフトの操作と留意事項・荷の積み取りと取りおろしの手順/2026年9月24日確認)
- 東京技能講習協会「フォークリフト運転技能講習」(講習で使う車両・受講要件・コース/2026年9月24日確認)

