玉掛け技能講習とは?1トン以上と未満の違い・日数・費用と、工場の天井クレーンで鉄の部品をつった私の話
特別教育でいいのか、技能講習なのか、何日かかるのかも分からない…。
こんなお悩みに答えていきます。
本記事の内容
- 玉掛けと、クレーンの運転は別の資格
- つり上げ荷重1トン以上は技能講習、1トン未満は特別教育
- 技能講習は学科12時間・実技7時間の計19時間
- 費用の例と、受ける条件
- 私は工場で、天井クレーンを使って鉄の部品をつっていた
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、32歳で建設業へ移りました。
工場で働いていたとき、会社に言われて玉掛け技能講習を受けました(2011年9月修了)。 翌年には、床上操作式クレーン運転技能講習も修了しています。
先に結論を書きます。
クレーンで荷物をつるとき、荷物を掛け外しする「玉掛け」は、つり上げ荷重1トン以上なら技能講習、1トン未満なら特別教育が必要です。 技能講習は学科と実技を合わせて19時間です。そして、玉掛けとクレーンの運転は、別の資格です。
それでは、見ていきましょう。
玉掛けとは?クレーンの運転とは別の資格
玉掛けは、クレーンで荷物をつり上げるときに、ワイヤーロープなどを荷物とクレーンのフックに掛けたり、外したりする作業です。
法律では、クレーンを運転する資格と、玉掛けをする資格が、別々に決められています(クレーン等安全規則)。
| 作業 | つり上げ荷重 | 必要なもの |
|---|---|---|
| 玉掛け | 1トン以上 | 玉掛け技能講習 |
| 玉掛け | 1トン未満 | 玉掛けの特別教育 |
| 床上操作式クレーンの運転 | 5トン以上 | 床上操作式クレーン運転技能講習(またはクレーン・デリック運転士免許) |
| クレーンの運転 | 5トン未満(0.5トン以上) | クレーンの運転の特別教育 |
床上操作式クレーンは、床の上で操作して、運転する人が荷物といっしょに動くクレーンです。工場の天井クレーンに多い形です。
1人で玉掛けと運転をするなら、両方が要る
玉掛けとクレーンの運転を1人でする職場なら、玉掛けの資格と、クレーンの大きさに合った運転の資格の両方が必要になります。
私も、玉掛けとクレーンの運転を、別々の講習で取りました。会社に言われて受けるときは、どちらの資格を求められているのかを、先に確かめておくと安心です。
技能講習と特別教育の違いは「1トン」
玉掛けの資格は、クレーンのつり上げ荷重が1トン以上か未満かで分かれます。
| 比べる項目 | 玉掛け技能講習 | 玉掛けの特別教育 |
|---|---|---|
| できる玉掛け | つり上げ荷重1トン以上(1トン未満もできる) | つり上げ荷重1トン未満 |
| どこで受けるか | 国に登録された講習機関 | 会社(事業者)が行う。外部の講習を使うこともある |
| 時間 | 学科12時間・実技7時間(計19時間) | 学科5時間以上・実技4時間以上 |
使うクレーンが1トン以上か未満かは、職場によって違います。職場が変わっても使えるようにしたいなら、技能講習を受けておくと安心です。
資格ごとの「1トン以上・未満」の線は、フォークリフトも同じです。物流の資格をまとめて見たい人は、こちらにまとめています。
玉掛け技能講習の日数・費用・受ける条件
講習は19時間。3日ほどかかる
玉掛け技能講習の時間は、国の規程で決まっています。
| 区分 | 科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 学科 | クレーン等に関する知識 | 1時間 |
| 学科 | 玉掛けに必要な力学に関する知識 | 3時間 |
| 学科 | クレーン等の玉掛けの方法 | 7時間 |
| 学科 | 関係法令 | 1時間 |
| 実技 | クレーン等の玉掛け | 6時間 |
| 実技 | クレーン等の運転のための合図 | 1時間 |
最後に、学科と実技の修了試験があります。講習機関の日程では、学科2日・実技1日の3日間の形が見られます。
費用の例:2万5千円前後
費用は講習機関によって違います。例として、東京労働基準協会連合会の八王子労働基準協会支部の案内(2025年2月)では、次のとおりでした。
| 受ける人 | 合計(税込・テキスト代込み) |
|---|---|
| 資格のない人 | 24,780円 |
| クレーン運転士免許や、床上操作式クレーン運転技能講習の修了者など | 22,580円 |
クレーンの運転の資格を先に持っている人は、講習の一部の科目が免除されるため、費用も少し安くなります。
受ける条件は、18歳以上
講習機関の案内に書かれている受講の条件は、18歳以上であることです。
私は工場で、会社に言われて受けた
私が玉掛け技能講習を受けたのは、工場で働いていたときです。会社に言われて受け、費用は会社が出してくれました。
翌年の2012年2月には、仕事で必要だったので、床上操作式クレーン運転技能講習も修了しています。
工場の倉庫の天井クレーンで、鉄の部品をつった
その工場では、倉庫にある天井クレーンで、鉄の部品をつって動かしていました。 玉掛けも、クレーンの運転も、自分でしていました。
工場と倉庫で働いたときの違いは、工場と倉庫、どっちがいい?の記事にまとめています。
玉掛けを活かせる仕事
玉掛けは、クレーンを使う職場で求められる資格です。
- 工場:天井クレーンで、部品や製品、材料を動かす
- 倉庫:重い荷物を、天井クレーンで動かす
- 建設の現場:クレーンで資材を積み下ろしするときに、ワイヤーを掛け外しする
国の建設業向けの案内では、小型移動式クレーンの運転の講習を足すと、クレーンを使った資材の積み下ろしまでできる、と紹介されています。
クレーンのある工場や倉庫では、フォークリフトと玉掛けの両方を求める求人もあります。
よくある質問
Q. 履歴書の資格欄には、どう書けばいいですか?
A. 「玉掛け技能講習 修了」と書きます。年月は修了証の「修了年月日」です。修了証をなくしたときの問い合わせ先も、こちらにまとめています。
Q. 合格率はどのくらいですか?
A. 講習を全部受けたうえで、学科と実技の修了試験があります。合格率を公表している公的な資料は、確認した範囲では見つかりませんでした。日程や再試験の扱いは、受ける講習機関に確かめてください。
Q. 特別教育を受けていれば、1トン以上の玉掛けもできますか?
A. できません。つり上げ荷重1トン以上の玉掛けは、技能講習の修了などが必要です。
Q. フォークリフトと、どちらを先に取ればいいですか?
A. 働きたい職場で使うほうからがおすすめです。フォークリフトの取り方と費用は、こちらにまとめています。
Q. 高所作業車の資格とは、どう違いますか?
A. 高所作業車も、作業床の高さで技能講習と特別教育に分かれます。くわしくは、高所作業車の資格の記事にまとめています。
まとめ:1トンの線と、運転との違いを先に確かめる
要点は、下記のとおりです。
- 玉掛けとクレーンの運転は、別の資格。1人で両方するなら両方要る
- 玉掛けは、つり上げ荷重1トン以上なら技能講習、1トン未満なら特別教育
- 技能講習は学科12時間・実技7時間の計19時間。費用の例は2万5千円前後
- 私は工場で会社に言われて受け、天井クレーンで鉄の部品をつっていた
これから玉掛けを取る人に、伝えたいことがあります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 労働安全衛生法施行令(e-Gov法令検索)(第20条第6号・第16号 就業制限に係る業務/2026年10月10日確認)
- クレーン等安全規則(e-Gov法令検索)(第21条・第22条 クレーンの運転、第221条・第222条 玉掛け/2026年10月10日確認)
- 厚生労働省「玉掛け技能講習規程」(講習の科目・時間、修了試験/2026年10月10日確認)
- 厚生労働省「クレーン取扱い業務等特別教育規程」(第5条 玉掛けの特別教育/2026年10月10日確認)
- 東京労働基準協会連合会 八王子労働基準協会支部「玉掛け技能講習・クレーン運転特別教育講習会のご案内」(2025年2月1日)(受講対象・受講料/2026年10月10日確認)
- 厚生労働省 建設業ウェルカム「玉掛け技能講習 修了資格」(仕事での使われ方/2026年10月10日確認)

