物流の夜勤がつらい・辞めたい人へ|夜勤ドライバーだった私が「眠気」で学んだこと
でも、夜勤があるから給料が保てている気もする。
辞めたいと思うのは、自分が弱いからなのかな。
こんなお悩みに答えていきます。
本記事の内容
- 夜勤がつらいのは、気合いの問題ではない
- 私の夜勤と、いちばんつらかった眠気
- 夜勤の眠気への工夫(仮眠・カフェイン)
- 眠いまま運転してはいけない、という決まり
- 辞める前に確かめたい3つ
- 日勤の仕事に移るには
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、32歳で建設業の現場管理へ移りました。
運送会社でドライバーをしていたころは、夜の勤務がほとんどでした。
先に結論を書きます。
夜勤がつらいのは、気合いが足りないからではありません。 夜間に眠気が出るのは自然なことだと、全日本トラック協会の資料にも書かれています。
眠気には、仮眠の取り方である程度は対策できます。ただ、それでもつらいなら、日勤の仕事に移ることは十分に選べる道です。
それでは、見ていきましょう。
夜勤がつらいのは、気合いの問題ではない
夜勤がつらいと、「慣れればなんとかなる」「自分が弱いだけ」と思いがちです。
でも、全日本トラック協会の「トラックドライバー睡眠マニュアル」には、夜間運転に慣れているドライバーでも、夜間に眠気が出やすくなるのは自然なことだと書かれています。
同じマニュアルでは、夜間に眠くならないドライバーは約30%しかいないと言われているとも紹介されています。つまり、夜に眠くなる人のほうが多いということです。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」も、勤務の時間帯が日によって入れ替わる交替制勤務について、体内時計に逆らって生活せざるを得ないため体に負担がかかる、としています。不眠や眠気、勤務中や通勤中の事故などとの関連も報告されています。
※このガイドの「交替制勤務」には、夜から朝までの同じ時間帯だけで働く勤務は含まれません。
夜に眠くなるのは、体として当たり前のことです。 まずはそこから考えてください。
私の夜勤と、いちばんつらかった眠気
私が運送会社でドライバーをしていたころは、夜の勤務がほとんどでした。
いちばんつらかったのは、眠気との戦いです。
私がやっていたことは、シンプルです。
- 眠気を感じたら、迷わず休憩する
- そのうえで、短い仮眠を取る
眠気で危ないと感じた場面は、ありませんでした。
夜勤をやめて日勤の仕事に移ってから、生活がどう変わったかは、こちらに書いています。
夜勤の眠気への工夫(仮眠・カフェイン)
ここからは、公的な資料に書かれている工夫を紹介します。
いちばん眠くなるのは、明け方の午前4時〜6時
全日本トラック協会の睡眠マニュアルでは、夜間運転で最も眠くなるのは明け方の午前4時〜6時とされています。できるだけその前に、十分な仮眠を取っておくことが勧められています。
また、夜間運転の前には、必ず仮眠を取ること。ただし、午後7時ごろは眠りにくい時刻なので避けたほうがよい、とも書かれています。
仮眠の長さは、目的で変わる
仮眠の長さについては、2つの資料で書かれている目安が少し違います。
| 資料 | 書かれている目安 |
|---|---|
| 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」 | 夜勤中は、0〜4時に始める20〜50分の仮眠で、眠気や疲労が改善したという報告がある。60分と長めにすると、かえって仕事の効率が下がったという報告もある |
| 全日本トラック協会「トラックドライバー睡眠マニュアル」 | 眠気を取るだけなら20分以内。夜間に取る仮眠は、疲労も回復したいなら、できれば2時間以上 |
一見ばらばらですが、2つを合わせると、次のように整理できます。
- 眠気を取るだけなら、短い仮眠(20分前後)
- 疲れまで取りたいなら、長い仮眠(2時間以上)
- 1時間前後の中途半端な長さは、起きたあとに眠気やぼんやりした感じが残りやすい
どちらの資料も、深い眠りの途中で起きると、起きたあとに眠気が残りやすいという点は同じです。トラック協会のマニュアルは、2時間以上眠れば、深い眠りのあとの浅い眠りのところで起きられる、と説明しています。
私がやっていた「短い仮眠」は、1つ目にあたります。
カフェインは、仮眠の前に
コーヒーなどのカフェインについても、2つの資料に書かれています。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、カフェインをとってから仮眠を始めると、起きやすくなり、寝起きのぼんやりも出にくいという報告が紹介されています。
一方で、とりすぎには注意が必要です。全日本トラック協会のマニュアルでは、カフェインをとりすぎると、切れたときに激しい眠気が出るとされています。カフェインは眠気の根本的な対策にはならない、という項目もあります。
カフェインは「仮眠と組み合わせて、少しだけ」が基本と考えてください。
眠いまま運転してはいけない、という決まり
ドライバーの場合、眠気は自分だけの問題ではありません。法律や規則にも、はっきり書かれています。
- 道路交通法第66条:過労や病気などで、正常な運転ができないおそれがある状態で運転してはならない
- 貨物自動車運送事業輸送安全規則第17条:運転者は、睡眠不足などで安全な運転ができないおそれがあるときは、会社に申し出る
- 同じ規則の第7条:会社は、運転の前の点呼で、睡眠不足などで安全な運転ができないおそれがないかを確かめる
眠いときに「眠いです」と申し出るのは、わがままではなく、決まりに沿った行動です。
全日本トラック協会のマニュアルでも、運転中に眠くなったら、ただちに仮眠を取ること、眠くて仕方がないときは運行管理者に連絡して指示を仰ぐことが勧められています。
辞める前に確かめたい3つ
夜勤がつらくて辞めたいと思ったら、辞める前に、次の3つを確かめてみてください。辞めるかどうかの判断材料になります。
1. 深夜の割増賃金が払われているか
労働基準法第37条では、午後10時から午前5時までに働いた時間については、通常の賃金の2割5分以上の割増賃金を払わなければならない、と決められています。
給与明細を見て、深夜の時間の分が「深夜手当」「深夜割増」などとして入っているか確かめてください。
辞めて日勤の仕事に移ると、この分の収入はなくなります。給料が下がって見えるのは、深夜の割増がなくなるからかもしれません。 求人を比べるときは、この分を差し引いて考えましょう。
2. 半年に1回の健康診断を受けているか
労働安全衛生規則第45条では、深夜業を含む業務に常時ついている人に、配置替えのときと、6か月以内ごとに1回、健康診断を行うことが会社に決められています。
ふつうの定期健康診断は1年以内ごとに1回(同じ規則の第44条)なので、夜勤の人は回数が多くなります。受けていない場合や、結果で気になるところがある場合は、会社に相談してください。
3. 自分で受けた健康診断の結果を出せる
同じ規則の第50条の2・第50条の3では、健康診断を受けた日の前6か月を平均して、1か月に4回以上深夜業をした人は、自分で受けた健康診断の結果を会社に出せる、とされています(受けてから3か月以内)。
体調に不安があるのに、会社の健康診断を待てないときに使える仕組みです。
眠気や、眠れない状態が続いて、生活に支障が出ているなら、厚生労働省の睡眠ガイドでも、医療機関にかかることが勧められています。辞めるかどうかより先に、体を診てもらってください。
日勤の仕事に移るには
いろいろ試しても、夜勤がつらいままなら、日勤の仕事に移るのは十分に選べる道です。
私自身、夜勤のある運送会社から、建設業の現場管理に移りました。
求人票で「勤務時間」と「夜勤の有無」を見る
同じ物流の仕事でも、日勤だけの求人はあります。求人票では、給料より先に、勤務時間と夜勤の有無を見てください。
「日勤」と書いてあっても、繁忙期だけ夜勤がある、交替で夜勤に入る、という場合もあります。気になる点は、面接で必ず確かめましょう。
勤務時間の欄の読み方(拘束時間の上限など)や、給与・休日の欄の見方は、運送会社の求人票の見方の記事にまとめています。
日勤の求人を実際に探すなら、派遣の求人サイト「ジョブリンク」では、キーワード欄に「日勤」と入れて探せます。
ただし、本文に「日勤」とあるだけで、交替で夜勤に入る求人が混ざることもあります。勤務時間の欄は必ず見てください。
派遣の求人は、給与が時給で書かれていることが多いです。今の月給と比べるときは、「時給×1日の勤務時間×月の勤務日数」で月の額に直してから、深夜の割増を除いた今の給料と比べてください。
物流の中で移るか、別の業界へ移るか
夜勤から離れる道は、大きく2つあります。
- 物流の中で、日勤の仕事に移る(倉庫の日勤、出荷事務など)
- 別の業界へ移る(建設業など)
物流の中で、倉庫から事務の仕事へ移る道はこちらにまとめています。
建設業へ未経験から移る道は、こちらです。
夜勤を続けながら転職活動をするとき
私は、運送会社で夜勤を続けながら転職活動をしました。面接には、夜勤明けに行っていました。
困ったのは、スケジュールが組みづらかったことです。
仕事を辞めてから探すか、次の仕事を決めてから辞めるかの考え方は、物流の仕事を辞めたい30代の記事にまとめています。
辞めてから次の給料が入るまでに、いつ・どんなお金が出ていくかは、転職のお金の準備の記事で紹介しています。
面接で「夜勤がつらかった」をどう伝えるか
転職の面接では、前の仕事を辞めた理由をよく聞かれます。「夜勤がつらかった」は本音としてはもっともですが、そのまま伝えると後ろ向きに聞こえることがあります。
言い換え方の例は、こちらにまとめています。
よくある質問
Q. 夜勤は断れますか?
A. 働く時間帯は、雇うときの労働条件や就業規則で決まるのが基本です。まずは労働条件通知書や就業規則を確かめてください。ただし、育児・介護休業法では、小学校に上がる前の子を育てている人や、家族を介護している人が請求した場合、会社は午後10時から午前5時までの間に働かせてはならない、と決められています。この制度には、勤めて1年未満の人、夜に子どもの世話や介護ができる同居の家族がいる人などは使えない、事業の正常な運営を妨げる場合は会社が断れる、といった例外があります。請求は、始めたい日の1か月前までに、1か月以上6か月以内の期間を決めて行います。
Q. 夜勤明けは、どう眠ればいいですか?
A. 全日本トラック協会のマニュアルでは、できるだけ早く帰って眠る、職場に仮眠室があればそこで眠ってから帰る、自動車通勤でなければ帰りにサングラスで光を遮る、寝るときは遮光カーテンを閉めてエアコンを少し低めにし、スマホは電源を切るかおやすみモードにする、といった工夫が紹介されています。
Q. 夜勤中、どうしても眠いときはどうすればいいですか?
A. 運転中なら、ただちに止まって休んでください。全日本トラック協会のマニュアルでは、眠くて仕方がないときは運行管理者に連絡して指示を仰ぐことが勧められています。貨物自動車運送事業輸送安全規則でも、睡眠不足などで安全な運転ができないおそれがあるときは、会社に申し出ることが決められています。
Q. 夜勤をやめると、給料は下がりますか?
A. 深夜の割増賃金がなくなる分は、下がる可能性があります。ただ、下がり方は会社や仕事で大きく変わります。今の給与明細で深夜の割増がいくらあるかを確かめ、求人の月給と比べてみてください。
大型ドライバーの給料のうち、残業や深夜などの手当がどのくらいを占めるかは、大型トラックの給料の記事にまとめています。
まとめ:眠気を感じたら、迷わず休憩する
今回は、物流の夜勤がつらいときの考え方をまとめました。
要点は、下記のとおりです。
- 夜間に眠気が出るのは自然なこと。夜間に眠くならないドライバーは約30%と言われている
- いちばん眠くなるのは明け方の午前4時〜6時。その前に仮眠を
- 仮眠は、眠気を取るなら短く、疲れまで取るなら2時間以上。1時間前後は起きたあとに眠気が残りやすい
- 眠いまま運転してはいけない。申し出るのは決まりに沿った行動
- 辞める前に、深夜の割増賃金・半年ごとの健康診断を確かめる
- それでもつらいなら、日勤の仕事に移る道は十分に選べる
まずは、今の給与明細を1枚出して、深夜の割増がいくら入っているかを確かめてみてください。
それが分かれば、日勤の求人と比べる準備ができます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 全日本トラック協会「トラックドライバー睡眠マニュアル」(令和元年10月・2026年9月22日確認)
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」/就業形態(交替制勤務)と睡眠の課題について(2026年9月22日確認)
- 道路交通法 第66条(e-Gov法令検索・2026年9月22日確認)
- 貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条・第17条(e-Gov法令検索・2026年9月22日確認)
- 労働基準法 第37条(e-Gov法令検索・2026年9月22日確認)
- 労働安全衛生規則 第44条・第45条・第50条の2・第50条の3(e-Gov法令検索・2026年9月22日確認)
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第19条・第20条(e-Gov法令検索・2026年9月22日確認)

