悩む人
悩む人
家具の配送、体がもつか不安だな…。
重いし、お客さんの家に入るのも気をつかう。
このまま続けるか、ほかの仕事にするか迷ってる。

こんなお悩みに答えていきます。

本記事の内容

  • 家具・家電の配送は、こんな仕事
  • いちばんきつかったのは「傷を付けてはいけない緊張」
  • 重量の大変さは、2人で分ける
  • それでも、やりがいはあった
  • 次の仕事に活きた3つの力
  • 続けるか迷ったときの3つの道

本記事の信頼性

この記事を書いている私は、倉庫で働く前、2tトラックで家具の配送をしていました。

はじめの数か月は助手で、そのあと運転手になりました。働き方は正社員です。

その後は倉庫、運送会社の大型ドライバーを経て、いまは建設業で働いています。重量の目安は、厚生労働省の指針で確認しています。

配送の仕事がきついと感じていると、「自分に向いていないのかな」と思ってしまいますよね。

この記事では、家具を運んでいた側から、何がきつくて、何が次に活きたのかを書きます。

結論から言うと、いちばんきつかったのは重量ではなく、傷を付けてはいけない緊張でした。 そして、この仕事で身についた力は、次の仕事でも全部役に立ちました。

現場太郎
現場太郎
大変さも、良かったところも、そのまま書きます。

それでは、見ていきましょう。

家具・家電の配送は、こんな仕事

一戸建ての玄関で、作業服の2人が毛布でくるんだ家具を両側から持って運び入れている後ろ姿

まず、私がしていた仕事の形です。下記のとおりです。

  • 2人1組で回り、組み立てと設置までする
  • 階段で運ぶ日が多い
  • 古い家具の引き取りもある
  • 回る件数は、多い日で5件

1つずつ説明します。

2人1組で回り、組み立てと設置までする

私の仕事は、2人1組が基本でした。

家具を家の中まで運び入れたら、組み立てて、置く場所に設置するところまでが仕事です。

トラックから玄関までで終わる仕事ではありません。 ここが、宅配便との大きな違いです。

私は、はじめの数か月は助手として運転手の横につき、そのあと運転手になりました。

階段で運ぶ日が多い

エレベーターのない建物では、階段で運び上げます。

私がしていたころは、階段で運ぶ日が多くありました。

階段は、平らな床より持ち方も声のかけ方も難しくなります。

古い家具の引き取りもある

新しい家具を届けたあとに、古い家具を引き取って持ち帰る仕事もありました。

運ぶ量は、届ける分だけとは限りません。 求人を見るときは、引き取りがあるかどうかも確かめておくと、実際の仕事に近い姿がわかります。

回る件数は、多い日で5件

1日に回る件数は、多い日で5件くらいでした。

件数だけ見ると少なく感じるかもしれません。

ただ、1件ごとに、運び入れ・組み立て・設置があります。 求人の「1日◯件」という数字は、この中身とセットで見てください。

いちばんきつかったのは「傷を付けてはいけない緊張」

住宅の廊下で、柱やドアの枠を毛布で包み、床を保護用の板で覆った養生の様子

この仕事でいちばんきつかったことです。下記のとおりです。

  • 重量より、傷のほうが気が重い
  • 傷を防ぐためにやっていた5つのこと

順番に書きます。

重量より、傷のほうが気が重い

意外かもしれませんが、私がいちばんきつかったのは、重量ではありませんでした。

家や家具に、傷を付けてはいけない緊張です。

運ぶのは、お客さんが買ったばかりの家具です。運び込む先は、お客さんが暮らしている家です。

壁や床、ドアの枠にぶつければ、その場ではなかったことにできません。

家が変われば、間取りも通り道も変わります。 傷への気づかいは、1件ごとに必要です。

傷を防ぐためにやっていた5つのこと

では、どうやって傷を防いでいたか。私がやっていたのは、下記の5つです。

  • 壁・床・ドアの枠を、板や毛布で守る(養生と呼ばれる作業です)
  • 運ぶ前に、通り道や入口の幅を測る
  • 2人で声をかけ合いながら運ぶ
  • 家具を、毛布や包む材料でくるむ
  • 入らないときは、分解したり、窓から吊り上げたりする

このうち、運ぶ前に幅を測るのは、家具を持ち上げる前にできる作業です。

家具が通るかどうかを先に確かめておけば、「入らない」とわかった時点で、分解や吊り上げに切り替えられます。

現場太郎
現場太郎
5つとも、私が実際にやっていたことです。

これから配送の仕事に入る人は、傷を防ぐ手順を教えてくれる会社かどうかを、面接で聞いてみてください。

重量の大変さは、2人で分ける

明るいリビングで、作業服の2人がソファの両端を持って持ち上げている様子

もちろん、重量もきついです。ここでは、重量との付き合い方を書きます。

  • 18歳以上の男性が人力で持つ重量の目安は、体重のおおむね40%以下
  • 目安を超えるものは、2人以上で持つ

公的な目安から見ていきます。

18歳以上の男性が人力で持つ重量の目安は、体重のおおむね40%以下

厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」には、重い物を持つときの目安が書かれています。

18歳以上の男性が人の力だけで持つ物の重量は、体重のおおむね40%以下にするよう努める。

例えば、体重70kgの人なら、目安は28kgくらいです。

女性の場合は、さらにその60%くらいまでとされています。

目安を超えるものは、2人以上で持つ

同じ指針には、目安を超える重量の物は、2人以上で持つよう努めるとも書かれています。

そのときは、身長の差が少ない人どうしで、それぞれに重量が均等にかかるようにすることも求められています。

家具の配送を2人1組で回るのは、この目安とも合っています。

1人で無理に持たないことが、自分の腰を守ることにつながります。 腰に不安がある人は、2人1組で回る会社かどうかを、求人票や面接で確かめてください。

それでも、やりがいはあった

設置を終えた本棚とダイニングテーブル、ソファが並ぶ昼の明るいリビング

きつい話が続きましたが、やりがいもありました。私が感じたのは、下記の3つです。

  • お客さんに、直接お礼を言われる
  • 大きい家具を、傷をつけずに運び入れられる
  • 組み立て終わって、部屋ができあがる

1つずつ書きます。

お客さんに、直接お礼を言われる

家具の配送は、お客さんと顔を合わせる仕事です。

運び終わったあとに、その場で「ありがとう」と言ってもらえます。

仕事の結果を、すぐ目の前で受け取れるのは、この仕事ならではだと思います。

大きい家具を、傷をつけずに運び入れられる

いちばんきつかったのは、傷を付けてはいけない緊張でした。

その大変さの裏返しで、傷をつけずに運び入れられたことが、やりがいでもありました。

組み立て終わって、部屋ができあがる

組み立てて設置すると、お客さんの部屋が目の前で変わります。

運ぶだけの仕事では見られない場面です。

次の仕事に活きた3つの力

倉庫の中で、段ボールがそろえて積まれたパレットと奥に並ぶ棚

家具の配送のあと、私は倉庫と運送会社で働きました。そこで役に立ったのが、下記の3つです。

  • 荷物の持ち方
  • 傷をつけない積み方
  • 狭い道の運転

3つとも役に立ちました。 倉庫も運送会社も、荷物を扱うという点で、家具の配送と仕事が似ているからです。

荷物の持ち方

重い物を持つ仕事は、倉庫にも運送会社にもあります。

家具の配送で身についた持ち方が、そのまま活きました。

傷をつけない積み方

家具を運ぶときは、傷をつけないように積みます。

荷物を傷めないように積む考え方は、倉庫の荷物にも、トラックの荷物にも共通です。

トラックの荷物を崩さないように積むときに気をつけていたことは、こちらにまとめています。

トラックの積み込みは誰がやる?積む側と運ぶ側、両方やった私の答え
トラックの積み込みは誰がやる?手積みがきつい人へ、積む側と運ぶ側の両方をやった私の答え こんなお悩みに答えていきます。 本記事の内容 積み込みは誰がやる?ドライバーの9割以上が積み込みをしている誰がやるかは「取り決め」で決...

狭い道の運転

家具は、お客さんの家まで届けます。

家具の配送で身についた狭い道の運転は、運送会社でトラックに乗るときにも役に立ちました。

この3つは、職務経歴書(これまでの仕事をまとめる書類)にも書ける経験です。書き方はトラックドライバーの職務経歴書の書き方にまとめています。

続けるか迷ったときの3つの道

朝の住宅街の道に停まっている白い箱型の2tトラックを斜め後ろから見た景色

最後に、家具・家電の配送を続けるか迷っている人へ。道は、下記の3つがあります。

  • ドライバーのまま、会社を変える
  • 助手から運転手へ、または大きい車へ進む
  • 倉庫など、運転しない仕事へ移る

順番に見ていきます。

ドライバーのまま、会社を変える

大変さの中身が「件数が多すぎる」「2人1組で回らない」「手順を教えてもらえない」なら、仕事ではなく会社の問題かもしれません。

その場合は、同じドライバーの仕事のまま、条件の合う会社へ移る道があります。

求人を比べるときは、次の点を見てください。

  • 1人で回るのか、2人1組か
  • 1日に回る件数の目安
  • 組み立て・設置、古い家具の引き取りがあるか
  • 乗る車の大きさ(2t・4tなど)

ドライバーの年収は、厚生労働省のjob tagによると、トラックドライバー全体で507.2万円です(令和7年賃金構造基本統計調査)。ただし大型トラックの運転手もふくむ数字です。車の大きさや仕事の中身で変わるので、目安として見てください。

※job tagの数字は、「トラックドライバー」に対応する職業分類の統計です。家具・家電の配送だけの数字ではありません。

家具・家電ではなく、店舗や事業所に決まった荷物を届けるルート配送も、同じドライバーの仕事です。きついと言われる理由と、求人で確かめることは、こちらにまとめています。

ルート配送はきつい?求人で確かめること
ルート配送はきつい?やめとけと言われる理由と、求人で確かめること|決まった配送先をまわっていた私の答え こんなお悩みに答えていきます。 本記事の内容 ルート配送は、こんな仕事「きつい」「やめとけ」と言われる理由決まった配送先をまわっ...

\いまの経験で応募できる先は?/

※登録は無料です。

助手から運転手へ、または大きい車へ進む

助手から運転手になりたい人は、まずあなたの免許で2tトラックを運転できるかを確かめてください。

警視庁の案内では、2017年3月12日から後に取った普通免許で運転できるのは、車両総重量(車と荷物と乗る人を合わせた重量の上限)3.5トン未満の車です。

一方、いすゞ自動車の諸元表によると、「エルフ」の2t積み・標準的な車型は、車両総重量が4,375kgあります。この場合は準中型免許が必要です。

免許の区分と、2tトラックの重量は、中型8t限定のままでいいかの記事で詳しく書いています。

準中型や、さらに大きい中型・大型の免許は、合宿なら短い期間でまとめて取れます。

\休みは何日あればいい?/

※申し込む前に、教育訓練給付金の対象になるコースかどうかもあわせて確認してください。

大型に進んだあとの研修の流れは、大型未経験でも雇ってもらえるかの記事に書いています。

助手から運転手になって、初めて2tを運転するときに難しかったことと、私の慣れ方は、こちらにまとめています。

2tトラックの運転は難しい?助手から運転手になった私の慣れ方
2tトラックの運転は難しい?初めて乗る人へ、家具配送で助手から運転手になった私の慣れ方 こんなお悩みに答えていきます。 本記事の内容 2tトラックの運転で、最初に難しかった3つ2tは、乗用車とどこが違う?私の慣れ方:車の大...

倉庫など、運転しない仕事へ移る

運転や家の中への運び入れがきついなら、倉庫のように、同じ荷物を扱う仕事へ移る道もあります。

ただ、倉庫にも倉庫の大変さがあります。移る前に、こちらも読んでおいてください。

倉庫作業がきつくて辞めたいときの判断基準|体力・給与・人間関係を整理
倉庫作業がきつくて辞めたいときの判断基準|体力・給与・人間関係を整理 こんなお悩みを解決していきます。 本記事の内容 倉庫作業を辞めたいときの3つの判断基準 すぐに心身...

よくある質問

家具配送の助手は、未経験でもできますか?

助手は運転をしないので、運転の経験がなくても応募できる求人があります。

ただし、会社によっては普通免許を求めることもあるので、求人票で確かめてください。

2tトラックは、普通免許で運転できますか?

免許を取った時期によって変わります。

2017年3月12日から後に取った普通免許では、車両総重量3.5トン未満までしか運転できません。標準的な2tトラックは3.5トンをこえるので、準中型免許が必要です。

家具の配送で、腰を痛めないためには?

腰だけで持ち上げようとせず、膝を使って持ち上げてください。 そして、1人で無理に持たないことです。

厚生労働省の指針にも、床から荷物を持ち上げるときは、膝を曲げて腰を十分に落としてから荷物をかかえ、膝を伸ばす力で立ち上がるように書かれています。

また、18歳以上の男性が人力で持つ重量の目安は、体重のおおむね40%以下です。18歳以上の女性は、男性の重量の目安の60%程度です。目安を超える物は2人以上で持つよう努めることとされています。


まとめ|大変さの正体は「緊張」。身についた力は次の仕事でも活きる

夕方の空の下、郊外の道路がまっすぐ先へ続いている景色

今回は、2tトラックで家具を運んでいた私の立場から、家具・家電の配送の大変さを書きました。

  • 家具の配送は、2人1組で組み立て・設置までする仕事。多い日で5件
  • いちばんきつかったのは、家や家具に傷を付けてはいけない緊張
  • 傷は、養生・幅を測る・声かけ・くるむ・分解や吊り上げの5つで防ぐ
  • 人力で持つ重量の目安は、18歳以上の男性が体重のおおむね40%以下、18歳以上の女性が男性の重量の目安の60%程度。目安を超える物は2人以上で持つよう努める
  • 持ち方・積み方・狭い道の運転は、倉庫や運送会社でも全部活きた

大変さは、たしかにあります。

それでも、この仕事で身についた力は、同じ荷物を扱う仕事なら、どこへ行っても使えます。

続けるにしても、移るにしても、ここで身につけた力はむだになりません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

家具を運んでいたころの経験は、そのあとの仕事でもずっと役に立ちました。

同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。


この記事の出典