トラックの積み込みは誰がやる?手積みがきつい人へ、積む側と運ぶ側の両方をやった私の答え
手で1個ずつ積むのは、体がもつか心配。
こんなお悩みに答えていきます。
本記事の内容
- 積み込みは誰がやる?
- ドライバーの9割以上が積み込みをしている
- 誰がやるかは「取り決め」で決まる
- 手積みで大変なのは「崩さないこと」
- 知っておきたい安全の決まり
- 手積みを避けたい人の探し方と、面接での聞き方
- よくある質問
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、物流業で10年働き、32歳で建設業へ移りました。
倉庫では作業員としてトラックに荷物を積み、主任になってからは積み込みを見る立場でした。運送会社ではドライバーとして、行き先によっては自分で荷物を積んで運んでいました。
データと決まりは、厚生労働省・国土交通省の資料で確かめました。
先に結論を書きます。
トラックの積み込みを誰がやるかは、決まっていません。仕事ごとの取り決めで変わります。
ただ、ドライバーの多くは積み込みもしています。積み込みのない仕事を選びたいなら、私は、求人票だけで判断せず面接で聞くことを勧めます。
それでは、見ていきましょう。
積み込みは誰がやる?答えは「仕事ごとに違う」
私のときは「行き先」で分かれていた
私がドライバーをしていたときは、自分で積む日と、積む場所の人が積んでくれる日がありました。
分かれ目は、行き先(積む場所)でした。同じ会社のドライバーでも、どこへ荷物を取りに行くかで、積み込みの有無が変わっていたのです。
倉庫の主任だったころは、反対に、ドライバーに荷物を渡す側でした。そのときの様子は、ルート配送の記事に書いています。
積む側と運ぶ側の両方をやって分かったのは、「ドライバーだから必ず積む」「倉庫の人が必ず積む」という決まった形はないということです。
ドライバーの94%が積み込みをしている
では、実際にはどのくらいのドライバーが積み込みをしているのでしょうか。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」の「トラックドライバー」では、仕事ごとに「その作業をしている人の割合」が出ています。
| 作業 | している人の割合 |
|---|---|
| 指定された場所に向かい、貨物を荷台に積み込む | 94.0% |
| 積み込み後に荷締めをする | 90.0% |
| 指定された場所に貨物を降ろす | 94.0% |
※job tagで、その仕事をしている人に聞いたアンケートの割合です。
ドライバーの9割以上が、積み込みと荷下ろしをしていることになります。
「運転だけの仕事」を探すのは、簡単ではないということです。
誰がやるかは「取り決め」で決まる
積み込みを誰がやるかは、運送会社と荷主(荷物を出す会社)の取り決めで決まります。国の決まりも、その考え方になっています。
積み込みは、運ぶこととは別の仕事
国土交通省が示している運送の約束事のひな形(標準貨物自動車運送約款)では、運送会社が積み込みや荷下ろしを引き受けた場合には、別に決めた料金を受け取って行う、とされています。
つまり国の考え方では、積み込みは「運ぶこと」とは別の仕事です。
2017年の改正で、「積込料」「取卸料(とりおろしりょう)」「待機時間料」という名前で、運賃とは別にお金を受け取れることがはっきりしました。
2025年から、中身を書面に書くことに
2025年4月からは、運送の契約を結ぶときに、積み込みなどの作業が含まれるなら、その中身と料金を書面に書くことが義務になりました。荷主と運送会社の両方に課されている義務です。
同じ時期に、荷待ち(積む順番を待つ時間)や積み込みにかかった時間を記録する決まりも、すべての大きさのトラックに広がりました。
ここから言えるのは、積み込みがある仕事かどうかは、会社がきちんと把握しているはずということです。だから、面接で聞けば答えてもらえます。
手積みとパレット、どう違う?
積み込みには、大きく2つのやり方があります。
- 手積み:荷物を1個ずつ、人の手で積む
- パレット積み:荷物をのせた台(パレット)ごと、フォークリフトで積む
job tagでは、人の手で積み下ろしをすることを「手荷役(てにやく)」と呼んでいます。いまは、手荷役や荷待ちの時間を減らそうとする荷主が増えている、とも書かれています。
パレットや、キャスター付きのかご(かご台車)を使って、積み下ろしをしやすくする工夫も進んでいます。
パレットをフォークリフトで積むときに使っていたのは、カウンター式でした。リーチ式との違いは、こちらにまとめています。
手積みで大変なのは「崩さないこと」
重量より、崩さないように積むこと
手積みと聞くと、重量を心配する人が多いと思います。
でも私が手積みで大変だったのは、荷崩れしないように積むことでした。
走っている間に荷物が崩れると、荷物が傷みます。荷台を開けたとたんに荷物が落ちてくれば、けがにもつながります。
倉庫の主任だったころは、積み込みをする作業員にもドライバーにも、同じことを伝えていました。
積む側でも、運ぶ側でも、気にするところは同じでした。
夏の荷台やコンテナの中での手積みのつらさと、主任としてやっていた暑さ対策は、倉庫の夏の暑さの記事にまとめています。
私が気をつけていた4つ
荷崩れさせないために、私が気をつけていたのは次の4つです。
| 気をつけていたこと | なぜ大事か |
|---|---|
| 重い物・大きい物を下にする | 上に重い物があると、下の荷物がつぶれて崩れやすい |
| すき間ができないように詰める | すき間があると、ブレーキやカーブで荷物が動く |
| 降ろす順番を考えて積む | 先に降ろす物を手前にしておけば、途中で積み直さなくてすむ |
| ロープやベルトでしっかり締める | 最後に固定しないと、きれいに積んでも動く |
積んだあとの荷締め(ロープやベルトで荷物を固定すること)は、自分でしていました。 job tagでも、ドライバーの90.0%が荷締めをしています。
家具のように、傷をつけてはいけない荷物の積み方は、家具配送の記事に書いています。
知っておきたい安全の決まり
積み込みは、ドライバーがけがをしやすい作業でもあります。
荷役中のけがは、荷主の現場で多い
厚生労働省が、荷役作業(荷物の積み下ろし)の安全対策のガイドラインを作ったとき(2013年)の説明では、荷役作業でのけがは毎年1万件近く起きていて、仕事中のけが全体の1割に近づいていました。
しかも、その3分の2は荷主の現場で起きていて、けがをした人の8割はトラックの運転者です。
自分の会社ではなく、よその会社の敷地で、ドライバーがけがをしている、ということです。
2023年10月から、安全の決まりが強くなった
厚生労働省の決まり(労働安全衛生規則)も、2023年10月から強くなりました。
- 最大積載量2トン以上のトラックで荷を積み下ろすときは、昇り降りのための設備(踏み台やステップ)が必要(これまでは5トン以上だけ)
- 2トン以上5トン未満でも、平ボディ・ウイング車・テールゲートリフター付きの車などでは、ヘルメット(墜落時保護用)の着用が必要
- テールゲートリフター(荷台の後ろの昇降機)を操作する人は、特別教育(学科4時間・実技2時間)が必要(2024年2月から)
面接や見学では、ヘルメットや踏み台が用意されているかも見ておくと安心です。特別教育を誰がいつ受けるのかは、テールゲートリフターの特別教育の記事にまとめています。
手積みを避けたい人の探し方と、面接での聞き方
求人票だけでは分からないことが多い
私は、運送会社の求人を探したとき、求人票で「手積み・手降ろしなし」かどうかは見ていませんでした。面接で聞いていました。
そのときの答えは、こうでした。
実際に働いてみても、そのとおりでした。行き先によって、自分で積む日も、積んでもらう日もありました。
「手積みなし」とだけ書いた求人でも、行き先によっては手で積む日があるかもしれません。だから、面接で具体的に聞くのが確かです。
面接で聞いておきたいこと
- 積み込みと荷下ろしは、誰がしますか?(自分/積む場所の人/場合による)
- 手積みとパレット、どちらが多いですか?
- 荷締めは誰がしますか?
- 行き先によって、やり方は変わりますか?
最後の質問は、私の経験から足したものです。行き先で積み込みの有無が変わる会社もあるので、「いつもそうか」まで聞いておくと、入ってから驚きません。
拘束時間や夜勤など、ほかに求人で確かめたいことは、こちらにまとめています。
求人サイトの条件で絞る
ドライバー専門の求人サイトには、荷物の運び方で求人を絞り込めるものがあります。
たとえばドラEVERでは、「パレット輸送」「かご車・パワーゲート」などの条件で求人を探せます。まず条件で候補をしぼり、気になる求人は面接で「いつもそうか」を確かめる。この順番がおすすめです。
よくある質問
Q. 積み込みが多い仕事なら、フォークリフトの資格はあったほうがいいですか?
A. job tagでも、荷物の積み下ろしが多い仕事では、フォークリフトの資格を取ると仕事の幅が広がると書かれています。取り方と費用は、こちらにまとめています。
Q. 積み込みや待っている時間は、記録されるのですか?
A. 2025年4月から、すべての大きさのトラックが記録の対象になりました。荷主の都合で30分以上待ったときや、積み込みなどの作業に合わせて1時間以上かかったとき(契約書に作業が書かれている場合)は、運送会社の業務の記録に残します。
Q. 倉庫で積み込みをしていて、体がつらいです。
A. 倉庫の中の作業にも、重量物の多い担当とそうでない担当があります。倉庫作業がきついときの考え方は、こちらにまとめています。
まとめ:積み込みがあるかは、面接で「いつもそうか」まで聞く
今回は、トラックの積み込みを誰がやるのかと、手積みとの付き合い方をまとめました。
要点は、下記のとおりです。
- 積み込みを誰がやるかは、仕事ごとの取り決めで決まる
- それでも、ドライバーの94.0%が積み込み、90.0%が荷締めをしている(job tag)
- 国の考え方では、積み込みは運ぶこととは別の仕事。2025年4月からは、契約の書面に中身と料金を書く
- 手積みで大変なのは、重量より崩さないように積むこと。重い物を下、すき間を詰める、降ろす順番、しっかり締める
- 2023年10月から、2トン以上のトラックでも踏み台やヘルメットが必要な場面が増えた
- 手積みを避けたいなら、求人票だけで決めず、面接で「行き先で変わるか」まで聞く
積み込みがある仕事でも、崩さない積み方を覚えれば、体への負担も事故の心配も減らせます。自分に合う仕事を選ぶために、まずは運び方の条件で求人を見てみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
同じ現場で働いてきた人間として、役に立ちそうなことをこれからも書いていきます。
この記事の出典
- 厚生労働省 job tag「トラックドライバー」(仕事の説明・タスクの実施率・就業するには/2026年9月25日確認)
- 国土交通省「標準貨物自動車運送約款」(第61条 積込み又は取卸し)
- 国土交通省「標準貨物自動車運送約款等の改正について」(2017年11月4日施行)
- 国土交通省「改正貨物自動車運送事業法(令和7年4月1日施行)について」(書面交付・荷待時間と荷役作業等の記録)
- 厚生労働省「トラックでの荷役作業時における安全対策が強化されます。」
- 厚生労働省「荷役作業での労働災害を防止しましょう!」

